4日目。道の駅・からむし織りの里しょうわの朝。6時に村のチャイムがなった。活動開始の合図なのか道の駅では芝刈りをはじめた人がいる。でも、ちょっと早すぎるでしょう。
道の駅の入口にはレストランのメニューがある。ここにもばんでい餅があって、まんじゅうとビスケットの天ぷらがある。そして赤ハラ(うぐい・はや)の塩焼きもあった。これはためしてみたいね。
ツーリングマップルのおすすめルートになっている村道で矢ノ原湿原にゆく。
湿原というよりも沼のようなかんじだ。
江戸時代の代官がほめたので、代官清水の名がついた泉がある。水をくませてもらったがとてもおいしかった。昭和村には湧水がたくさんあるそうだ。
国道とはおもえないほど狭い国道401号線をゆく。大型車は通行不可能なルートだ。リスがいたが道におちている栗をひろっているようだった。
駒止湿原につづく玉川林道の入口をさがす。
ここだろうかと林道にはいってみたが手入れがわるい。
2キロほどゆくとおおきな水たまりにでたので、このルートではないと判断して引き返すことにした。
往きは気づかなかったが、もどると途中に二股があった。左の道をいったのだが、念のため右にもいってみると、すぐに行き止まりだった。
すすむと玉川林道の入口はあった。三階山、の地名が目印だ。駒止湿原までゆけるとあり、南会津にはぬけられぬとあった。
国道から林道におれるとすぐに走りやすいダートになる。
冷湖の霊泉という湧水があった。山肌から岩清水がしみだしている。その名のように霊気をかんじた。道の横には沢がながれている。渓流は工事の影響で、どこも砂にうもれているものだが、ここはそんな気配もなく、人の手がまったくはいっていないようにみえた。
林道は3キロ地点でUターン気味にカーブして湿原にむかう。
まっすぐにすすむルートは通行止めで、こちらが玉川林道なのだ。この先が通れないので南会津にはゆけないのである。
分岐から先は急坂になり、細かい砂をいれてあってハンドルをとられる。
入口から6キロほどで行き止まりの駐車場についた。駒止湿原の昭和村側(北側)の駐車場だ。聞いたことのない鳥の声がしているから、耳をすませていると、熊鈴の音がしてきて、やがてパトロールの男性ふたりが湿原からやってきた。彼らは会津田島側(湿原の南側)の駐車場からあるいてきたとのこと。距離は3キロだそうだ。ふたりは湿原はほかにもあるとおしえてくれるが、私の目的はダートをバイクではしることなのです、とこたえたのだった。
熊撃退スプレーとスズメバチ用スプレーを装備したふたりとわかれて、のぼってきた道をくだってゆく。
玉川林道に平行してはしり、合流もする境界林道にゆきたいが、入口をとおりすぎてしまった。南郷スキー場でUターンする。
国道401号線沿いにある境界林道の入口をみつけた。
入ってゆくと何キロかは舗装林道で、やがてダートになるはずだ。深い森の中をのぼってゆく。だれもいないだろうと思ったが、車が何台もはしっていた。キノコとりの人たちのようで、栃木ナンバーがおおかった。
荒れた舗装林道、ときにコンクリート路面の急坂をゆくがダートにならない。どうしたのだろうかとおもっていると、大通りにでてしまった。ここはどこだろうかと地図をみると、国道289号線にでたのである。道の駅きらら289の北だ。思い返してみると、通行止めになっていた細道があった。あれが境界林道だったのだろう。
小塩塩ノ岐林道にゆくことにする。国道289号線を北上して只見町にゆき、北から小塩塩ノ岐林道にアクセスすることにした。その前に昼時となったので、五十夢という店で食事をとることにする。この付近には食料品店が1軒あるだけで、食堂はここしかないのである。
手作り餃子の定食650円と半ラーメン350円を注文したが、料理がでてくるまで30分以上かかった。私の前に5人の客がいて、私はその次である。都会なら5分か、おそくとも10分で提供されるとおもうから、時間感覚のちがいをものすごくかんじてしまった。
昔ながらのラーメン。
ニラ・野菜餃子にやわらかいご飯。日常つかいの食堂だった。
ビスケットの天ぷらなんて、聞いたことがないですよね。でも、なんとなく味の想像がつきます。
たべるものがとぼしかった山奥の習慣なのだとおもいますが、今となっては貴重かもしれません。