月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

147. 文身3(月刊「祭」2019.8月2号)

2019-08-02 15:00:45 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-
⚫︎隠されはじめた入れ墨
昨今では入れ墨が隠されはじめています。分かりやすいのはリンク先のユーチューバー・アディ男さんです。

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夏ごろの映像を見ると腕にサポーターをつけています。「Ban(チャンネル停止)」されないための対策でしょうか?

このような入れ墨隠しを見るのが祭でも増えてきました。例えばマワシを巻く地域の祭の場合、入れ墨の所にテーピングを貼っているのを何度か見ました。また、露天商の方の中にもサポーターで隠している方もいました。そして、これときをいつにするかのように、祭でよく見られるようになった風景があります。
それが、露天商や神社が用意したゴミ箱です。ゴミ箱の設置はありがたいですが、「清く正しく」を過剰に意識しすぎるのもどうかと思い、昔の祭に思いを馳せるのは年をとったからかもしれません。熱い料理を作る中で暑そうなサポーターをつけるのは、少し気の毒にも思いました。



⚫︎入れ墨文化の伝播
このような「和彫り」は海外でも好まれています。このサイトによると明治期の入れ墨禁止令から、海外に活躍の場を移した彫り師もいるようです。
少し古いですが、元NBAバスケットボールプレイヤーのアレンアイバーソン選手も首筋に忠の文字を書いていました。先ほど見たヨーロッパ系の男性は左肩に和彫り、洋彫り混在したものと、行書体で「おかげさまで」と書かれていました。欧米系の方の和彫りは文字へのこだわりが強いように思えます。
そして、2011年頃はあまり見なかったのですが、最近は韓国の若い男性が和彫りの入れ墨を腕や足にしているのをよく見かけます。今のところ、隠す風潮は見られません。見るかぎりでは、足の膝より下や腕など目立つところ、ファッションとして楽しんでいる様子がうかがえます。整形が浸透しているので、彫り物にもあまり抵抗がないのかもしれません。

⚫︎韓国から伝播した若者文化
こういうと、またマネやとか言う人がいるので、韓国から伝わったファッションを三つ上げておきます。一つ目がハンド扇風機です。まだ、日本で普及してないときに、釜山かソウルの若い人たちの多くが、ハンド扇風機を持って歩いていたのに驚きました。もう一つがカラフルスニーカーと浅いギャツプです。2011年頃に韓国に行った時に、この二つを見かけました。その数年後に日本でも流行りました。

入れ墨シリーズまとめ
1、2、含めてまとめます。
・元々まじないのために発達した入れ墨文化で日本では一般的だった。
・明治期の禁制化でも依然入れ墨をしている人は多く、ちょんまげ、入れ墨の遅れているはずの人力車夫は、海外の人に好感をもたらせた。
・入れ墨を忌む風潮は明治期の禁制より続いており、今では隠されることが多い。
・海外に伝播した入れ墨文化は、欧米では文字を伴うのが好まれ、韓国ではファッションとして見えやすい腕や足にするのが好まれている。