天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2023】「ゴジラ -1.0」@56作目

2023年11月07日 | 映画感想
「ゴジラ -1.0」

今年でゴジラ生誕70周年なんだそうです。おめでとうございます!←誰に言ってんだ?^^;
そして本作で「実写版ゴジラ映画」としては30作目という節目の作品でもあるそうです。まあ色々な思い入れを持って制作されているという事なんでしょう。さあそんなこんなでメガホンを取ったのはVFX大好き!つーかVFX職人と呼んでもいいでしょう!山崎貴氏(脚本もだね)

あらすじ
第二次世界大戦末期の1945年、大戸島の守備隊基地に着陸した特攻兵の敷島浩一(神木隆之介)と、守備隊基地の整備兵・橘宗作 (青木崇高)らはその日の夜、島民らに「ゴジラ」と呼ばれている謎の巨大生物が現われ襲われる。島で唯一機銃が扱える敷島は零戦に装備されている20ミリ砲でゴジラを撃つ様に進言されるものの恐怖で身体が動かず、みすみす整備兵達を見殺しにしてしまう。戦後焼け野原になった東京に戻った敷島は両親が空襲で亡くなった事を知る。その後闇市でたまたま出会った大石典子(浜辺美波)と彼女が行きずりで預かっていた戦争孤児の赤ん坊と3人で奇妙な同居生活を始めた敷島だったが…(wikiのあらすじを参考)

えー、先ず初めに申し上げなければならないのは…自分は全くゴジラに興味が無い、という事です。
多分世間的には大ヒットした(んでしょ?)「シン・ゴジラ」も観ておりません。ただ2021年に公開したハリウッド製ゴジラシリーズの「ゴジラ vs コング」は観ております。コレはゴジラじゃなくてコングに興味があった…訳では無く、小栗旬君がハリウッドデビューしている作品!という事でウキウキしながら観に行ったんですが、覚えているのは小栗旬君の白目だけ、というていたらくであります(滝汗
では何故本作をわざわざ観に行ったのか…それは、神木隆之介君が主演だからですただそれだけです!神木君が好きなんです!!

と、毎度毎度前振り長いんですが…コレがですね、神木君抜きにしてもなかなか面白かったです!いや神木君抜きには語れませんがw

先ずね、自分の中で【ゴジラ】のイメージって、ちょっと人間の味方ちっくなキャラだという事なんですね。これは多分元々のお子様向けシリーズが、最初の頃こそゴジラは日本を脅かす悪の枢軸みたいな存在だったものの、その後ゴジラのキャラクター自体が子供達に人気になった事で後に「ゴジラちょっといいヤツ化」していったという経緯があった為だと思うんですが…本作は初期のゴジラキャラに立ち返っていて、あくまでも「日本を脅かす巨悪」として描かれています。コレが良かったですね。完全に「人間 VS ゴジラ」の対立構造が出来上がっていたので観ていてスッキリしました。

そして…コレに関しては人によって意見がパッキリ分かれそうですが、本作はタイトルは「ゴジラ」ですが、ゴジラが主人公ではありません。
あくまでもゴジラを巡る人々の人間ドラマが主軸になっていて、ゴジラの存在はある意味「人が生きていく上で乗り越えていかなければならない葛藤やトラウマ、障壁の象徴」だったように思います。だから…ゴジラの大暴れシーンやゴジラとのド派手なバトルシーンを楽しみにしていた層はいささか拍子抜けしてしまうかもしれません。
自分は先に書きましたがゴジラに愛着も思い入れも何もない手合いなので、むしろ人間ドラマが主軸の方が話に入り込みやすかったです。

ま、そんな訳で…神木君の演技力は控え目に言って ネ申
本作の神木君演じる主人公の「敷島」という男は凄く演じるのが難しいキャラクターだったと思うんですね。決して卑怯者でもなければ姑息な人間でもない、ただ出兵する時に親に「必ず生きて帰ってくれ」と言われて自分もその気持ちを強く持って生きて来ただけ…ど、この時代は「お国の為に死んでナンボ」「仲間をかばって死んでナンボ」が美徳とされていた、ただ「生きたい」と思う事が罪ですらあった。その葛藤の狭間で敷島は揺れ動きまくる訳です。
自分のせいで仲間が死んだ。生きて帰ると約束した親すら失ってしまった。自分は生きていてはいけない人間だったのだ、というトラウマから抜け出せずに何度も何度も悪夢を見て苦しみ続ける主人公の苦悩の表情を本当に神木君はリアルに、リアル以上に演じ切っていたと思います。神木君の慟哭する姿に何度も涙が出ました。

本作、脇を固める布陣も盤石でしてね…ああ、今作神木君と絡むヒロインをNHK朝ドラ「らんまん」で夫婦役を演じた浜辺美波ちゃんがまたしても再共演していますが、もうすっかり「神木×浜辺コンビ」も息がピッタリという感じで見ていて安心感すらある…どーでもいいネタですが、本作の浜辺美波ちゃんの髪型が(銀座でお勤めする時の)サザエさんちっくで地味に笑えましたワw
他にも若手枠からはこれまた安定の演技力で定評のある山田裕貴君、敷島を大らかに支える大御所ドコロで佐々木蔵之介さんや吉岡秀隆さん、敷島のトラウマ脱却の鍵となる整備士役に青木崇高さん等、要所要所を名優がキッチリ押さえてドラマに厚みを持たせていたと思いますね。

本作のキャッチコピー「生きて、抗え。」が正しく体現された名作だったと思います。ゴジラに興味の無い方も絶対に感動出来ます!是非是非!!

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2 コメント

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Unknown (saruto)
2023-11-08 21:43:32
自分もゴジラシリーズはあまり好きではないけど
シンゴジラは面白かった。これもゴジラは人間にとって
災いでしかなく実際の日本政府だったらこんなふうに
対応してくれるのかなと想像するに心配でしかない。
そんな感じ←
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シンゴジラ~ (管理人)
2023-11-09 18:34:31
>さるちー
そやそや。シンウルトラマンの時にシンゴジラ勧められてたよな。結局未だ観ていないというね(苦笑)
シンゴジラは政府主導で対応してたんや…コッチは時代背景が戦後直ぐの設定で、GHQがロシアとの冷戦構造を鑑みて
下手に手を出してロシアを刺激したらマズいから~という理由で完全に無視を決め込んできた+GHQから軍備全部接収されちゃってるから政府は何も出来ない、
…という訳でなんと民間主導でゴジラをナントカせねば!というすんごい展開になってます(瀧汗

ぶっちゃけアリエネー!なんだけど、でもよく考えられた脚本でしたよ…この展開で更に人情モノぶっ込んで来る、いやむしろ人情モノがメインというね!
映像も流石のVFX職人✨山崎貴氏ですわーなかなか見応えあります。
シンウルトラマンの時はウルトラマンがクルクルーって回ってて思わずワロタけど、山崎氏のVFXはマジのガチなヤツなんでもしお時間あったら是非コチラもご鑑賞下さいませませ♪^^
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