タイトルは村上春樹命名。ということは「1Q84」の何年も前から村上の頭には青豆なるフレーズが刻み込まれていたわけだ。
そら恐ろしくなるほどの才能の作品を生み続けながら、和田誠のありようは本当に普通。偉大なる常識人って感じ。まあ、それだけだと平野レミとの結婚生活はそうそう続けられるものではないでしょうが。
息子であるトライセラトップスの和田唱に名前をつけるときの困惑など、オトナになった唱を知っているだけに笑える。最初に候補にあがった名前はなんだったのだろう。いつものエッセイよりも少し長く、ネタのしりとりを安西水丸とやるというコンセプトなので、普通なら出てこないようなネタまで出てきてお得な一冊でした。
先日の「おくりびと」上映会のときに、スタッフのひとりが「最初に吸ったタバコって、ハイライトだったなあ……だってデザインが最高だったじゃない?」専売公社は最高のデザイナーを起用したわけだ。和田誠謹製のあのデザインは、本当にみごとだと思う。わたしの最初に吸ったタバコはセブンスターだったけれど。