事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009 ワーナー)Harry Potter and the Half-Blood Prince

2009-08-20 | 洋画

Harry_potter_and_the_half_blood_pri  そろそろエンディングも近いようなので「ハリー・ポッター」シリーズをふり返ってみよう。

ストーリーの核となるのは“選ばれし者”である、文字どおり貴種であるハリーが、ヴォルデモートなる闇の帝王との対決に(回り道をしながら)次第次第に近づいていく過程。

 そのなかで、登場人物たちの複雑な関係性が明らかになっていく……はずなんだけど、今回の「謎のプリンス」は、そんなメインプロットはどこへやら。ハリー、ハーマイオニー、ロンの恋愛事情に多くの時間が割かれている。夕暮れ以降のホグワーツ魔法学校では、暗がりで生徒たちが平気でディープなキスをかましていたりする。生徒指導のマクゴナガル先生(マギー・スミス)もヤキがまわったか?

 原作を読んでいないからか、よくわからない点もあるし文句もある。

・“謎のプリンス”である「あの人」の凄みがいまいち伝わらない。当然次回はどんでん返しがあるだろうと読めるが、それにしたってなあ……

・ロンとハーマイオニーの恋愛はいいとして、ハリーよ、お前が選ぶ女はあの娘でいいのか。本気か。

・ヴォルデモートの少年時代を描くのがこの作品の眼目のはずだが、だからといってレイフ・ファインズを一度も登場させないのはいかがなものか。

・やっと分霊箱争奪戦になって面白くなってきた、と思ったらエンディング。そりゃ、ないだろや。

……まあ今回の話はなかったことにしてやろう(無理だけど)。すっかりオトナになったハリーたち(特にドラコ・マルフォイのあいつは完全に大人だ)の成長を、まるで親の視点で楽しむことができるわけだし、最終章二部作もつきあうことにしよう。ようやくあいつらも“学校”を飛び出してくれるようだし。

今回、なにが哀しかったと言って、それはこのシリーズを初めて独りで見たこと。自分の子どもたちも、すっかり成長してしまっているのでした。ちぇ。

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明細書を見ろ!09年8月号~年金のお知らせ

2009-08-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

09年7月号「通勤の謎PART3」はこちら

 さて、今号も××小(離島)と○○中合同の事務だよりにします。別に楽をしようと思っているわけでは(あまり)なくて、両校の職員に共通のお知らせがあるからです。

○○中の場合、以下の人に「公務員共済年金のお知らせ」なる封筒を給料といっしょにお届けしました(でかいので給料袋に入らない)。

・今年の3月31日に公立学校共済組合員だった(つまり今年の新採者はなし)

・来年の3月31日に57才以下である

これはなぜかというと、今回のお知らせは、あくまで公務員の期間について説明する建前になっているからです。他の部分(厚生年金とか国民年金とか)は社会保険庁が発行する「ねんきん定期便」がメイン。

 では、なぜ58才以上の人には配布されないか。

 その人たちには目前にひかえた年金請求のために、懇切丁寧な説明会が行われる(行われた)からです(本当は、まもなく提示される実際の年金額と差が生ずるのが嫌だからかも)。

 わたしも商売が商売なので毎年のように年金説明会には参加しますが、退職が近い人たちの顔には例外なくこう書いてあります。

「しちめんどくさい理屈はいい。結局いくらもらえるんだっ!

で、分厚い資料など無視して自分の年金額の試算表を熟読する……いつものことです。

 しかし逆に言うと、その人たちの多くは『その時点まで自分の年金額を知らない』のです。老後の生活設計の基礎となる年金がいくらなのかを知らなければ、ライフプランなど立てようもありません。

 同じことが若い世代にも言える。だから、今年から「退職したらこれだけもらえると思います」という数字を明らかにすることにしたのです。年金にもっと意識的になれ、ってわけ。

 さあ見てみましょう。あなたの年金見込額が書いてありますよ。

“Ⅲ 将来受給することとなる退職共済年金の見込額”……ここがまず重要。

なにより、実は①の年齢が人によって違います。公務員に支払われる退職共済年金(ほんとはこれ、正確な名前ではないんだけどすっ飛ばします)は、生年月日によって支給が開始される年齢が違うのです。

~昭和28年4月1日までに生まれた人 → 60才

~昭和30年4月1日までに生まれた人 → 61才

~昭和32年4月1日までに生まれた人 → 62才

~昭和34年4月1日までに生まれた人 → 63才

~昭和36年4月1日までに生まれた人 → 64才

 昭和36年4月2日以降に生まれた人 → 65才

……昭和28年4月2日以降に生まれた人は、“退職してから年金を受給するまでに空白期間がある”ことをおぼえておきましょう。

その下の“Ⅳ 老齢基礎年金の見込額”の欄には、例外なく『65歳』と印字されています。ですから、ものすごくおおざっぱに言えば、

65歳になったらⅢの額とⅣの額が合算されて支給されるのです。

つまり、今年の3月に退職したと仮定するとⅢとⅣの真ん中の額の合計。60歳まで勤務した(掛金を納入した)と仮定した場合は下の段の合計があなたの年金見込額です。え?オレのには下の段には***********ってしか印字されてない?

 それはですね、あなたが50才以下だからです。どうして50才以下だと見込額が提示されないか。それは『あまりにも不確定要素が多すぎて将来の年金額を示せない』からでしょう。ふ、不安。

 その不安を払拭するかのように、年金財政について解説した「財政再計算の結果について」も配布しています。なんか、これだけ「だいじょうぶです」「不安はありません」と連呼されるとかえって……。

09年9月号「山○銀行VSゆうちょ銀行」はこちら

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「HACHI 約束の犬」(2009 松竹=フジテレビ)

2009-08-20 | 洋画

Hachi あの「ハチ公物語」のリメイク。つってもわたしは仲代達矢が主演したあの大ヒット映画を観ていない。なんか、絶対に泣かされそうじゃないですか。誰もが知っている渋谷のハチ公の物語。飼い主が亡くなっても、それまでどおり雨の日も風の日も駅まで迎えに行く忠犬……うわーなんかしんどそう。

今回のリチャード・ギア版も、予想外のことは何も起こらない。ムクムクの秋田犬が、哀しげな顔で雪の上にちょこんと座る、それだけでウルウル。

 それにしてもこの企画、よく通ったものだと思う。「Shall We Dance?」につづいてギアにとっては二本目の日本映画のリメイク。監督は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」(厳しい、すばらしい映画だった)でスウェーデンからハリウッドに招かれたラッセ・ハルストレムというギャグのような布陣。奥さんのレナ・オリンも出演させてほしかったなあ。まあ、ギアの夫人を演じたジョーン・アレン(「ボーン・アルティメイタム」)も好みなのでけっこうですが。

 映画館を出たら、偶然叔母も来ており、んもう涙ボロボロである。

「これは……泣けるわよねえ」

「うん。卑怯だよなあ(笑)」

と、冷静ぶっているようだが、老犬となったハチが静かに目を閉じ、そこへ昔のように主人がやってきて「待たせたな、ハチ」……

うわー泣けた。泣けた泣けた。

少なくともペットを飼っている人にはたまらん映画だろう。
しかーしっ!ここで配給の松竹はとんでもないおせっかいを。おそらくは興行上の理由なのだろうが、観客がしっとりとハチに思いをはせるラストで(日本語吹替版だけであることを祈るが)青山テルマのチャラついたテーマを流したのは万死に値するっ!

ふざけんじゃねーっ!昔はこんなおせっかいが有効だった時代もあったろう。でもさあ、このご時世に客を怒らすようなマネをするなよー。違った意味で泣けてしょうがないラストなのでした。ハルストレムとギアが日本語版を見ていないことも祈る。

ついでに、ギアの吹替が“白い犬の人”なのはわからないでもないが、ここは津嘉山正種(クロスオーバーイレブン)でいってほしかった……

コメント (2)
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