Madonna - Lucky Star (Official Music Video)
京都アニメーションの事件はひたすらに悲しい。あの会社ほど「死ね」という言葉が遠い存在はないはずなのに。おそらくは、例によって「おれの人生は誰かによって侵食されている!」的な思考の持ち主の犯行だろうと想像はしますが。
世の中の邪悪さをむき出しにされた日だからこそ、読売新聞「編集手帳」を全文。
往年の人気漫画、赤塚不二夫「天才バカボン」に谷川俊太郎さんが詩を寄せたことがある。語り手はバカボンのパパで、詩には自分の中にすむもう一人の自分が登場する。
自分トフタリッキリデ暮ラスノダ……
自分ガニコニコスレバ
自分モ嬉シクナッテニコニコスルノダ
自分ガ怒ルト自分ハコワクナルノデ
スグニ自分ト仲直リスルノダ
自分ハトッテモ傷ツキヤスイカラ
自分ハ自分ニ優シクスルノダ
きのう政府が発表した自殺対策白書に、「自分と仲直りして」「自分に優しくして」と呼びかけるパパの声を聞く思いがした。
未成年の自殺死亡率が統計開始以来、最悪となった。白書は原因を小中学生では親子の不和が多く、少し上の世代では学業不振、進路の悩みが目立つとしている。最初から自分にがっかりして生まれる人などいるはずはない。前述の詩はこう結ばれる。
自分ハ自分ガ好キデタマラナイ
自分ノタメナラ生命モ惜シクナイ
ソレホド自分ハスバラシイノダ
あまりにつらいことがあると、自分を好きなことを忘れてしまうのかもしれない。もしものとき、思い出すのだ。
……ああ、すごい文章芸だ。文章で人を鼓舞することができると信じることができる。
さて、うちの学校ではこのコラムが評判だったけれど、バカボンのパパが何才か知ってますか。答は「元祖天才バカボンの春」にあった。作詞は赤塚不二夫本人。なんと犯人と同じ41才ですよっ!
そして盆栽をいじる磯野波平は確か53才。1960年生まれとしてはいろいろと考える。
本日の1曲は、もちろん「元祖天才バカボンの春」をお送りしたかったんだけどろくな動画がないのでマドンナの「ラッキー・スター」を。彼女が一学年上だと思うとちょっとホッとするのだ。