第32回「災いの種」はこちら。
二代鎌倉殿である源頼家(金子大地)を暗殺する回なのだから、それはそれは陰惨なエピソードになるはずだった。ところが、もうひとつの殺人がそれを吹き飛ばすというアクロバットのような回。
頼家を排して実朝を鎌倉殿にすえるという北条の強引さにみんな辟易。義時もしんどい。その意向のほとんどが父時政(坂東彌十郎)の妻、りく(宮沢りえ)から発せられていることは自明だからだ。頼家は(フェイクなんだけど)朝廷に北条の討伐を命ずるように文を出そうとする。
で、ダースベイダーとなった北条義時(小栗旬)は、自前の必殺兵器を使うことにする。もちろん、善児(梶原善)である。前回は子殺しを一度は断った善児が、頼家を殺そうとしたときに、あることのために隙を見せてしまい、手傷を負う。
予想通り弟子のトウ(山本千尋)がカバーに入る。いやそれにしてもこの人のアクションはすごい。志穂美悦子の後釜はこの人で決まり。
と、思っていた瞬間にどんでん返し。
「親の仇」
トウは善児にとどめを刺す。
「このときを待っていた」
考え方としてふたつあります。トウは自分が仇持ちであることを隠して善児に弟子入りしたと。こっちの方がはるかに確率高いです。
でももうひとつ考えられますよね。善児は前にも一度、子を守ったことがあったのかもしれない。そしてそのことが……
第34回「理想の結婚」につづく。