四人が参加する交換殺人。用意されたカードで殺人の対象と順番が決定される。このあたりを徹底して理詰めで描いているので、本格ファン、特にクィーンのファンはたまらないと思う。ばらまかれた伏線はきちんと回収され、雑味はまったく残らない。
およそ交換殺人は実際には成立しないはず。物理的には可能でも人間的にまず無理。で、その無理っぷりも丁寧に描いてあるし、
「狛江市は二十三区外なので、変死体が見つかっても監察医務院に報告する義務がない。そのため、うつ病患者が自殺とおぼしい状況で死んだ場合、検視の段階で、事件性なしと判断される可能性が高くなる。」
というような描写もリアルなのでおみごと。ただし、雑味のなさがかえって息苦しい気も……
元狛江市民としては、殺人現場であろうが狛江が作中に登場するだけでうれしい。「岸辺のアルバム」(TBS)のときは「ここが風吹ジュンが入ってたサーティワンじゃん!」って喜んでましたし。
二十三区じゃないのに市外局番が03なのはここだけだったので(今でもそうですか)、住んでいるときは「ずるいぞー」とか言われまくりだったなあ。
映画化するとすれば、音楽は池田芳夫の「狛江シティ」でお願いします。
キングを探せ (特別書き下ろし) 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2011-12-08 |
交換殺人とはまた物騒ですが、面白そうですね!
新作の『ノックス・マシン』は、ノックスの十戒
というのを題材にした作品だそうです。
十戒?ってことでいろいろネットを彷徨ってみましたら
http://www.birthday-energy.co.jp/
ってところで法月さんを評価する記事をみつけました。
なかなかどうして、素晴らしい才能の持ち主だそうです。
計算ずくだなんて・・・。
こっちも読まなきゃ。
にしても
「中国人を登場させてはいけない」
ノックスの戒律を破って、いきなり舞台が上海ですか。
ああ面白そうだ!