1986年 君は1000% カルロストシキ オメガトライブ
第20回「篤太夫、青天の霹靂」はこちら。
今回は幕臣としての篤太夫が巴里へ向かうというお話。意欲満々の栄一に、いやほんとに?本気なのお前という感じになるのがおかしい。
確かに、つい先日まで攘夷を唱え、夷狄を斬ると言っていた血の気の多い人間が、よりにもよって徳川家の名代(のつきそい)で、その夷狄の国に行こうというのだから。
でもこれは人間としての成長の証。他国とまったく交流しないでどうする、ってことですよね。彼らが疫病を持っていたとしても(そんな事例はいっぱいあったし、現在もそう)。
そして公務員が海外に出向くのがいかにめんどくさかったかの話でもある。とりあえず死ぬ、という前提で養子まで設定しなければならなかったのだ。脚本の大森美香さんはそこに食いついた。これは使える、と。
確かに。
男の論理で突っ走ってきた栄一たちはそれなりに気分はいいだろう。でも女性たちは?おそらくは慶喜からもらった懐剣をめぐってもうひと泣かせあると思います。
地方公務員であるわたしも、この回にはしみじみ。だって就職したころは、海外に出るには伺いを出さなければいけなかったんです。それって要するに
「スパイはしません」
という申告みたいなもの。もちろんその頃から「なんでこんなもの出す必要があるの?」と誰でも思ってました。ハワイだのオーストラリアだの西海岸だのに楽しそうに新婚旅行に行く連中がスパイするはずないじゃん。あ、そんな風潮に逆らって中国に向かったわたしたち夫婦は危なかったかも(笑)。
尾高長七郎の無念が語られて哀しい。でも演じている満島真之介が昨日のスナックラジオに出演してて、こんなにラテンな人だったのかと。全裸監督の配信に合わせた出演。
「お待たせしました。お待たせしすぎたかも知りません」
しかもカラオケで歌うのがカルロス・トシキの「君は1000%」って。がんばれ長七郎!
第22回「篤太夫、パリへ」につづく。
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