1月号「源泉徴収票」はこちら。
初任者にとっては、退職なんて先の話と思えるでしょうが、おぼえておいて損はないし、いずれ必ずやってくることなので、まあ聴いて。
まずは明細書を見てください。中段に「共済短期掛金」という欄があります。これがいわゆる医療保険料で、「共済厚生年金保険料」が年金がらみの掛金です。
このような形でわたしたちは、公立学校共済組合員という存在たりえているわけです。ちょっと高くないか、と思われるかもしれません。日本の社会保障負担率の高さが不況から脱却できない原因だとする論者も多いので、まあまちがってはいないかも。
それはともかく、退職すると(再任用しないかぎり)その公立学校共済組合員ではなくなります。そこから先の医療保険をどうすればいいのでしょう。
選択肢はいくつかあります。
①国民健康保険に加入する
②再就職してそこの健康保険に加入する
……ここまでは、まあ一般的です。しかし公立学校共済には
③任意継続組合員制度
……というものがあり、最長で2年間、掛金さえ払えば引き続き共済組合の給付が受け取れるのです。医療機関の窓口で払う自己負担は、現役時代や国保と同じ3割ですが、他に給付もあるので国保よりは有利かもしれません。
でもデメリットもあって、なにしろ掛金が高い。いや退職したその年は国保のほうが高い(前年の所得で計算されるから)のですが、2年目以降は国保のほうが安くなる傾向があります。
それに、現役時代は給料やボーナスから天引きされているので意識しないでこれましたが、任意継続の場合は自分で納めることになるので高いという印象になるのでしょう。
さて、でももうひとつ強力な選択肢があります。それは……
④家族の被扶養者になる
……です。家族の職業によりますが、健康保険に加入している人がいるのなら、その被扶養者になれるかを確認するのがいいでしょう。なにしろこれが可能なら、掛金がいらないという巨大なメリットがあるので無視することはできません。
実はむかしは定年で辞めた場合、この選択肢は有効ではありませんでした。というのも、60才になった時点で年金を受給できましたから、扶養の要件を充たすことがなかったのです。けれども現在は、年金の繰り上げ受給を希望しないかぎり、65才まで無年金で過ごすことになるので、幸か不幸かこのチョイスができるようになったわけです。
次に、健康保険がらみでもうひとつ考えてもらうことがあります。
それは、退職互助部の特別加入者になるかならないかの選択です。
え、なんだその退職互助部ってと(学校事務職員以外は)誰もが考えます。35才までの人なら無理もない。一度も説明されていないのですから。実はこの制度は、その職員が35才になった翌年度からの25年間、給料の6/1000を積み立てるというもの(入らない人もいる)。そして退職後の医療負担に備えると。35才以上の人ならなんとなくおぼえて……るわけないか。
6/1000とはいえ、300回も積み上げればけっこうな額になる。この額を原資にして加入するということです。ただし、その積みあがったお金を「脱退」して「一時金」として受け取ることもできます。
どちらを選択するかはその人次第。これから自分がどれだけ病気をするか、民間の保険の内容はどうなっているか、多種多様なのでこちらからどっちが正解かは言えないのです。
画像は「はたらく細胞」(2024 WB)
主演:永野 芽郁、佐藤健 監督:武内英樹
予想外の大ヒット。赤血球役の永野が、酸素を運ぶだけの役割に懐疑的だったり、異物を排除する白血球役の佐藤がまんま「るろうに剣心」だったりで笑える。それにしても豪華キャスト。ちょい役の肝細胞として深田恭子が登場するのだ。大好きな松本若菜も出ていてうれしい。
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