保津川下りの船頭さん

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「恵みの雨」?連日の大雨に思う・・・

2005-07-03 18:38:24 | 船頭
一週間前には空梅雨の影響から、深刻な
水不足が心配された京都の保津川でしたが、
ここ連日の雨模様で、その心配が嘘の様に
水位が回復してきました。

上流にある口丹波の水がめ「日吉ダム」の
貯水量も一時は40%を切っていましたが、
今では60%を越える勢いで伸びているようです。

今年は6月梅雨入りしてから、大陸の高気圧が
押していて梅雨前線が太平洋上に下げらていた
ので、いよいよ空梅雨と覚悟したものですが、
一気に本格的な梅雨様相を呈してきたようです。

私達、船頭にとってはまさに「恵みの雨」といった
ところですが、突然変化した、ここ数日の活発な前線の
影響で、洪水災害に見舞われている地域の方々がおられる
ことを考えると、手放しでは喜べない心境でもあります。

どうして最近の天候はこうも、極端なのでしょう?

全く降らない日が続くかと思ったら、
局地的に集中して大雨が降る。

本来、自然には天の計らいか、妙味なバランスに
よって生命が生存するに最適な環境を保ってきました。

梅雨の雨も、稲作にとって非常に重要だと言われています。
この時期にたっぷり水分を吸収し、夏の強い太陽の光を
浴びて、実り豊かな稲穂を育ててくれます。

そのバランスが狂い、降るべき時に降らなかったり
降りすぎたりしているのが、ここ数年の気象状態だと
思います。

雨が降るごとに川の表情も、普段の穏やかな顔から、
なにか激しい気性で私達に対抗する様な感じがします。

川の上で生きる私達船頭には、異常な気象になる度に
自然が怒っている感情を感じてしまいます。

考え過ぎかもしれないですが、自然が牙を剥いた
時の怖さを身をもって知っているのも私達です。

私達人間は、度々送ってくる自然のメッセージに
その真意を聞き取る感性を持ちたいものです。

自然環境の狂いは外の世界に原因があるのではなく、
自らの心の内にあることを忘れたくないですね。