保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

エコ委員会で保津川一斉清掃を実施!

2008-10-10 19:36:59 | 保津川エコ・グリーン委員会
今日10日(金)、保津川遊船エコグリーン委員会では、
秋の観光シーズンを前に保津峡の一斉清掃活動を実施しました。

今回の清掃活動は今月5日に行われた「ふるさと清掃運動会」
の趣旨に賛同している保津川遊船企業組合が、同活動の一環と
しても位置付け実施したもので、先日の雨で増水した際に
漂着したゴミを船で清掃する班と乗船場から河原やテトラポットを
徒歩で清掃する班の二班に分かれて行いました。

ゴミ清掃船班は、保津峡の入口である山本浜から嵐山までの
約14キロを、16名の船頭達が船に乗り込み朝8時から
12時までの約4時間、休憩なしで懸命の清掃作業に
汗を流してくれました。
また、河原清掃班も、川下りの仕事終了後の午後から
15名が出て清掃に当ってくれました。

私はっちんはゴミ清掃船に同乗し渓谷の掃除を担当したの
ですが、あるわ~あるわ!岩場の隅の舞い込みや川岸には
たくさんの漂流ゴミが浮んでいます。

船頭たちは漂流しているゴミを見つけると船の舵を大きく切り
側の川岸に着けて岩場へ上陸し回収するのです。
もちろん通常の航路からは大きく外れる清掃時のみの操船法なのです。

清掃場所の多くは足場の悪い岩場で、転倒や転落がないように
最善の注意をはらい作業に当らねばなりません。
渓谷のゴミ掃除の難しさがここにあります。

場所によっては右岸側と左岸側の二手に分かれ回収作業に当ります。
ここは小鮎の滝と呼ばれる保津川一落差のある所。保津川下りの
航路ではまだまだ上流部に当る場所なのですが、見る見るゴミ袋
は増えていき船に積み上げられていきます。

ここは1606年から1948年頃までの約350年間、
下った船を出発地まで戻すため、船頭たちが綱で曳き上げる
時に通っていた道‘綱道’です。
まさに保津川水運の文化的遺産ともいえる道も、人が
行き来しなくなった今では、増水時に川の水位がここまで上がり、
漂着したゴミが陳列される道‘ゴミ道’という
不名誉な呼び名に変わって仕舞いました。

また、今回は漂着したゴミを土砂が覆い被せ、川底に
沈んでしまった空き缶やペットボトルも回収しました。
ゴミが沈んでいる砂地は浅瀬が多く、船からも非常に
よく見えてることから景観を損ねていました。
船に乗りながら作業は意外に大変!
沈んでいるゴミ類は水や砂が詰っているので重く、
引き上げるのに相当の力とテクニックを要します。

清掃作業をしてる間も川下りの観光船は通過して行きます。
おや?そこに変わった船がやって来ました~
外人さんたちの団体貸切船です。
「見よ!日本人の環境意識の高さを!」ばかりに懸命な
清掃作業を演出する船頭たち~
そんなアピール?が功を奏したのか?
カメラのシャッタ音の嵐と大きな声援を送って下さいました。
「帰国したら国で保津川の船頭たちの清掃活動を紹介してね」
と見送るはっちん。もちろん英語で・・・


さて、今回の清掃でも変わったゴミは出てきます。
なんとバイクのフルフェイスです!
これは回収する時、生首が入っていたらどうしよう・・・
とビビリながら回収しました。(保津川では冗談ではないのだ…)

とはいうものの、ゴミの種類は今回も
ペットボトルと空き缶、食品トレーに肥料袋という
「漂着ゴミ・四天王」は変わらず不動でした。
なかでも、ペットボトルが異常に多く、ゴミ全体の
約7割を占めていました。
夏のBBQ後の放置ゴミの影響が考えられます。

今回の保津川一斉清掃で回収されたゴミは
渓谷部だけで土嚢袋65個も出ました。
河原で回収された分も足すと90個にも達し
約1t近くのゴミが回収されたことになります。

毎月の定例清掃会(NPOプロジェクト保津川主催)や
我々遊船の清掃活動など、各種団体が川の環境への
積極的なアプローチを続けていますが、保津川の
ゴミは一向に減少する兆しをみせません。

我々保津川エコ・グリーン委員会としては
今後も回収作業に汗を流し「美しい保津川」
を取り戻すため取り組む所存ですので
心ある皆様のご支援、ご協力の程、
何卒、よろしくお願い致します。

保津川下りエコグリーン委員会一同。