保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

長雨に春を感じて・・・心、うきたつ季節、近し。

2010-03-01 23:58:48 | 船頭の目・・・雑感・雑記
春先の長雨・・・という言葉があるのか、どうかは知りませんが、
お空のご機嫌ななめで、4日連続の雨模様。

この雨の影響で保津川下りは、昨日から河川水位の増水により、
舟の運航を停止する「川止め」を余儀なくされています。

この時期の雨、実はよくあることで、恒例の「保津川下り春の開幕」行事が催される
3月10日を控え、行事が開催できるかヒヤヒヤする年も多いのです。

しかし、自然は人の都合、まして一個人の都合で左右されるものではありません。
毎日、自然の中で、自然に自らを合わし、共生して生きる暮らしを
15年以上続けてきた昨今、そのことを幾度となく教えられました。

この時期の雨にも、自然の意味ある‘はからい’があるはず。

愛宕山を始め、丹波の奥深い山間部を縫う様に流れる上流域を持つ保津川。

この時期に降る雨は、今年の冬、この丹波山地に降り積もった雪を解かし、
山を潤わせ、川を満たします。
雪が解けた大地からは、冬の間、地中という母胎の中ですくすくと育った、
新たな‘いのち’が外界に生み出されるように‘芽’を出します。

絶えることなく繰り返される、この偉大なる天然自然の営みに、大いなるものの
秩序ある働きを感じずにはいられません。

雨をうっとうしいものと捉えず、偉大なる自然の営み、いのちの真実にまで
思いを馳せれば、雨を見る眼差しもどこか、優しくなれる気がします。


今年も保津川、渓谷の山々といった‘いのちの舞台’で演じられる自然の饗宴。

さあ、いよいよ、その幕が上がり「心、うきたつ春」がはじまります。