保津川下りの船頭さん

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最後にモノをいう「人徳」。果たして平成の龍馬はいかに?

2010-03-16 00:45:49 | 船頭の目・・・雑感・雑記
「私は平成の坂本龍馬になる!」と豪語して今日、自民党に離党届を提出した
現首相の実弟・鳩山邦夫元総務相。

自身の思いでは今、自民党の執行部批判の2大勢力である与謝野馨氏と舛添要一氏を
幕末期の薩摩と長州に名添えて、自分が龍馬よろしく、この2人を結びつける役割を
買って出たというわけです。

さて、この顛末いかなものとなるこやら・・・・それはともかくNHKの大河ドラマでも
「龍馬伝」が放映され、高い視聴率を挙げています。
日本人の龍馬人気は凄いですね。

龍馬の魅力といえば「人徳」を挙げる方が多いです。
ただの素浪人という身分の者が、薩長同盟を締結させ、大政奉還のあらすじを書き、
江戸幕府を終焉へと向かわせる立役者となる、この奇跡の裏には「人をひきつける力」
「人徳」があったといわれています。
「龍馬なら協力できる気がする」「龍馬のためなら、人肌脱ごう」という者が多くいた様です。
では人徳とは一体何なのでしょう?また、どうすれば「徳」は身に付くのでしょう?


陽明学者の安岡正篤氏は「徳、才に勝る君子という」という言葉を残されております。
才は大事なものなれど、才に頼り溺れる者より、まず徳を身につけることの大切さを説かれています。
才に長けていても徳分のない君子は国民に見限られやがて滅んでいくという歴史が教えてく
れる教訓といえます。

徳とは目先の損得勘定にとらわれず、自分以外の者のため、つまり世の中や他者の為に
汗をかき、苦労し、努力するところに生まれています。
その尽くした行いこそが「徳」を積むことへつながり、人格を磐石なものとします。

また、徳を積んだ人は、同じものを見ても、喜べる人でもあります。
バラの花の美しさを見るか、トゲを見て不足や文句を言うか、ここのところの差でもあります。

人を見るときでも、相手の長所を見て伸ばすのか、欠点ばかりを挙げつらね腐すのか、
同じ人を見ていてもこの視点の違いは大きいのです。
この両者の視点の差こそ、徳分の差です。
徳のある人物はよい視点を持ち、どんなことに遭遇しても喜びにかえられる人だと思います。
企業でも「働くとは はたはたを楽にすること」とも聞かせて頂きます。
この前向きで勇んだ精神こそ、ホスピタリティ(おもてなしの心)に通ずるもので、
これからの観光業は欠かすことができない、大切な心の向きだといわれています。

「金がものをいう世の中」と言った経営者もいたけれど、金はそれほど確かなアテにならないことは、
今の彼らの姿をみれば一目瞭然です。
金、財産、地位、名誉などいくら積み上げていっても、それらは移ろいやすいもので
「徳」のように磐石なものではなく、また人を幸せに導くものではないこともわかります。

人生の幸せとは・・・・
「自分以外のどれだけ多くの人々の人生と運命に、どれだけ多くの良き影響を与えることができたか、どうか」
というをある財界人の方が話されていたことを思いだします。

自分が本当に望むこと、成し遂げようとする時、最後にものをいうのはやはり「徳」です。

さあ、超お坊ちゃま家族出身の現総理の弟さんの「徳」、いかほどのものか?

じっくり拝見することに致しましょう。