保津川下りの船頭さん

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シリーズ‘水’が教えてくれること。掃除での一番の功労者は?

2010-03-04 13:19:27 | 船頭の目・・・雑感・雑記
春が近づき、季節の変わり目を感じだす今日この頃。
我が家では、冬から春へと模様替えを兼ねたお部屋の大掃除を行いました。

大掃除に欠かせないもの、それは水です。

掃除機や近代的な掃除グッズも役に立ちますが、やはり、たんすや床、窓ガラスについた
ホコリやごみは、水による雑巾がけが一番有効です。

掃除は子供たちも手伝ってくれます。

さあ、掃除のスタートです。
きれいな水をバケツ一杯に汲み、乾いた雑巾に浸したあと、一箇所、一箇所、丹念に拭き掃除を行います。

ふき取ったほこりで汚れた雑巾はバケツの水で絞り取ります。
普段は、散らかしていても気にならない性質ですが、一旦、やりだすと熱中してしまう性格の私。
隅々まできれいにしないと気がすみません。
すぐにバケツの水はにごり、どろどろな水へと変化していきます。
その分、部屋は本当にきれいになりました。

子供たちも頑張ってくれました。
掃除が終了して、「みんな、よくがんばったな。お疲れさま。おかげできれいになった。」
と労い、ほめることも忘れません。

「この汚れたバケツの水、どうする?」子供が聞きました。
「庭へ流してきて」と私。
庭に流された水は、乾いた庭の土の中に浸み込み、草木を潤わせます。

さあ、ここで問題。この掃除の主人公は誰でしょう?
部屋の掃除を思いつき掛かった私でしょうか?それとも、一生懸命手伝ってくれた子供たちでしょうか?

もう、お気づきでしょう。そう、一番の主人公は水です!

たしかに、私も頑張ったし、子供たちをほめ、お礼を言うのも当たり前ですが、
部屋にたまったホコリをきれいに掃除した一番の功労者は水なのです。

水がこの世にないと、いくら掃き掃除や吸い込み掃除をしても、
表面にたまったほこりや汚れをきれいに掃除することはできないでしょう。

まして、最初、バケツに汲まれた水は、きれいな澄んだ水です。
その水の生命ともいえる「清らかさ」を投げ打って、部屋の汚れたホコリやごみを引き受けた水。
自らを汚し、どろどろになり、誰にもお礼を言われず、挙句、汚い水とまで言われて捨てられる。
それでも、恨み言ひとつ言わず、庭を潤わす役目をも引き受け、捨てた者が快適に暮らせるようにと働く。

なんという気高さ!なんという尊さでしょう!

水は大地とともに人の心も潤わせながら、多くの教訓をさずけてくれます。

食を育む大きな海、川、そして体内の水分の働き、なにひとつ欠けても、人は生きていくことができません。
なんと豊かな恵みでしょう!
この大いなる恵みに比べたら、私たちが日頃、豊かさを感じる車やテレビ、PC類などの
‘もの’なんて、生きる上では付録以外のなにものでもないことに気づきます。

水が教えてくれる様に、そろそろ、私たちもこの混沌とした物、金など至上主義の価値観を離れ、
人間が生存する為に、本当に必要なものに目を向けて、感謝する心を育むことが
これからの時代に大切だと気づかせてくれる出来事でした。