散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

20200404ギャラリー巡り

2020年04月04日 15時23分22秒 | ART
本日は門馬→ミヤシタ→らいらっく→三越→北一条→グランビスタ→大通→大丸の8カ所。

雪はところどころ残っているが、春といっていい気候の中を出発。日中は薄いコートでも暑いくらいだった。



■ギャラリー門馬「ART FAIR MONMA 2020」。予約制でオープンしているが、2・3日前にWebサイトから申し込んでみると11時の予約が取れた。なかなか行きにくいところなので、円山公園からバスで旭丘高校前へ。久しぶりだなあ。





松浦進「生きる犬と女、そして花-2019」:デフォルメされた人間が登場し、夢の中の映像のようである。個性的で遠目に見ても作者は分かる。
クスミエリカ「Utopia」:建物と緑とアンモナイトの近未来的イメージ。よく見ると札幌軟石やビル壁にはエアコンのダクトが這うなど、古びたイメージも混在している。
名もなき実昌「自尊心(・・・)」:タイトルの(・・・)の所は顔文字があるのだが、私は生まれてから一度も顔文字を使ったことが無いので、省略させてもらおう。スマホで入手できるイメージとデジタル要素をペインティングに取り込んだ作品。素直な意味でネットの落書きのようでもある。

葛西由香「プロフェッショナル」:北18条東13丁目の交差点をすっきりとした線で描く作品。普段であれば見苦しい電線も、この人にかかるとスッキリして見える。私自身、この辺に住んでいたので、現況を見に行きたくなった。
山本雄基「Untitled」:パステル色だが、中には微妙な色彩のものがある。割と同系色でまとめた作品とバラバラな色彩の作品も混在している。
浦川大志「ランドスケープ」:別名義だが、名もなき実昌氏はこの人なんだそうだ。こちらもデジタル要素を取り込んだ絵画である。

静かな環境で約40分、じっくり作品鑑賞ができた。お茶もごちそうになり、ありがとうございました。

帰りは近くの店で飲食しようかと思ったが、振られてしまい、歩いて次のギャラリーへ。古い建物を見ながら歩く。





変形交差点に立つ。





大通情報ステーションではチラシが全部引き上げられ、壁に貼ってあるものだけになっていた(壁のチラシを見て別途もらうことはできるみたい)。



■北一条さっぽろ歴史写真館「街と人と、次の半世紀へ 札幌・地下鉄の50年」。気が付くと50年にもなっているのね。ちゃんとした本を読めば書いてあるのだろうが、展示の中でコンパクトに歴史がまとめられ、知らない話も結構あったので、見ておいて良かった。



■グランビスタギャラリー「箱職人、中西洋也と56人のクリエイター展」。クリエイターに箱の中に入れたいものを送ってもらい、それを入れる箱を制作して併せて展示したもの。箱だけ見てもそれなりに面白いが、大部分の箱は開けても良いらしい。それを早く行って欲しかったが、私は割とそういうのが面倒なので、言われても見なかったかも(←なんだそれ)。

20200328ギャラリー巡り

2020年03月28日 16時10分37秒 | ART
本日は新さっぽろ→創→三越→さいとう→スカイホール→SONY→大丸→書道→HOKUBUの9か所。

■新さっぽろギャラリー7「炭鉱の理容所 佐藤哲也写真展」。美唄市南美唄地区にある理容所をテーマにした写真展。昭和22年から平成29年まで営業していたようである。店をたたんで2か月後に店主が80歳でお亡くなりになってしまったのだとか。

閉店のお知らせがかかる理容所の窓。



ひさしぶりにさいとうギャラリー、スカイホールが開いていた。

■小原道城書道美術館「桑原翠邦展」帯広出身の書家。展示作品には書かれている文字とその大意も書いてあり、それなりに内容が分かった。
「無憂爲福」:(大意)悩みのないことが一番の幸せ。
「三杯太古情」:(大意)酒を三杯飲めば太古に遊ぶ心持ちだ。何ともおおらかな内容でホッとする。
「學以致其道」:(大意)学ぶことを通じて人格を完成させる。いや、誰かさんに聞かせたい内容ではあるまいか。

招待券を持っていたので、いつか一度行こうと思っており(といっても今日は2回目の訪問)、回るギャラリーの少ない今日、行ってみることになった。観覧者は私以外に年配のご婦人が3名であった。

■HOKUBU記念絵画館「絵画の写真的経験」。現在、時間制の予約観覧になっており、1日4組しか展覧会を見ることができない。昼頃電話したら15時からの回が空いているということで見ることができた。私は1人でうかがったので、若干申し訳ない気持ちになる。

大矢英雄「白い時への招待」:椅子に座る白服の女性。一見してスーパーリアル絵画のようにも見えるが、それよりも象徴性を重視した作品のように思えた。
松井宏樹「SUNNY」:2014年4月、八戸から近くにある鮫駅周辺を写したスナップ写真集。東日本大震災の直後である。
坂本朝「飯野葦雄(よしお)」:紙粘土で人物フィギュアを作り、ロケをして撮影した連作。飯野氏は本好きでショルダーバッグをかけて片手に本を持っているお姿で、ロケ地は日比谷図書館だそうだ。他の作品も何かしら特徴的な人物と舞台を作り上げて撮影したものである。

平林孝央「後戸(胎動ーΦ-模造品)」:水面のような水色の上にポーズをとった女の子14人(同一人物に見える人もいるので14体か)。何となく人形が回転しているかのようなイメージを与える作品。
平林孝央「岐」:山の祠の手前にある木の縁側のようなところで、座って指の隙間からこちらを見る女性と地面で腕枕で寝そべる女性。リアリズムの技法だが、謎めいた雰囲気が強い。

新しいリーフレットを見ると、展示研究会(貸ギャラリー)を開催する場合の使用料は何とタダなのだそうだ。最もそれなりの水準でないと展示は出来ないのかもしれないが。



展示を見て、そして一人ゆっくりとコーヒーを頂いた。

20200323ギャラリー巡り

2020年03月23日 12時40分33秒 | ART
あまり巡る時間もなく、北海道文化財団アートスペース1か所である。

■北海道文化財団アートスペース「山崎愛彦個展「矢印の輪切りいくつか見る」。
「モデルと未完成の入れ子」:画を見る人の前に展示ケースのようなものがあり、さらにその中には人と画があるという画。見る/見られるの構造を描いた作品と言えるか。



「ドローイング」:こちらも先の作品と同様の構造。



「ドローイング」:これは色彩と形、画肌をシンプルに見せる作品だろう。



平日にしか来れないところなので、ちょっと足を延ばしてみた。

20200321ギャラリー巡り

2020年03月21日 14時43分56秒 | ART
本日は新さっぽろ→SCARTS→道新→大通→オマージュ→さいとう→三越→らいらっく→チカホ→大丸の10か所。

■新さっぽろギャラリー「柴崎康男展」。港に浮かぶ船のシリーズは縦方向の線が目立つ激しい画だったが、今回は山を中心に描いて、横ストロークが目立つ作品が多い。

「大黒島」:小さな丸い島と白い空は小ぢんまりとした良い作品だ。久々に画らしい画を見たという気がした。

■らいらっくぎゃらりい「河口真由美展 カレイドスコープ」。カラフルな色彩と様々な形を描いた小品。なかなかいい。

■地下歩行空間「THINK SQUARE2」。
田口虹太「無題」:映像作品なので、写真では分かりにくいと思う。



大西涼子「すずめミモザ」:枯れた木の間に雀が潜んでいる情景とのことだ。



五十嵐千夏「そのうちきっと、わかるはずの」:布にプリントされていたありきたりの英単語を逆さまから見た時に、見たこともない言葉に見えたことから発想した作品。



福嶋薫「どうしようもなく今」:チーズケーキをモチーフにした作品。


20200314ギャラリー巡り

2020年03月14日 15時05分15秒 | ART
本日は三越→SONY→書肆吉成→らいらっく→大丸→JR ARTBOX→テラス計画→コンチネンタルの8カ所。美術館は開いておらず、ギャラリーも休廊中が多い中、何とかこれだけ回る。

■書肆吉成「管啓次郎展」。海外と日本の街歩き写真。なかなか楽しい。

■らいらっく・ぎゃらりぃ「北海道銀行コレクション 木田金次郎展」。ガラス越しにではあるが、なかなか立派な木田の作品が3点展示されている。

「菜の花畑」。



「りんご」。



「原野の放牧」。



春を思わせる明るい作品を選んで展示しているのではあるまいか。



■大丸画廊「風のゆくえ 増田寿志展」。
「森の刻」:ペンで細密な動物画を描いているという印象の方だが、今回は風景画が良かった。どこまでも続くような森の緑を描いている。
「蒼い刻」:こちらは深く静かな湖を描いた作品。色合いが素晴らしい。

■JR TOWER ARTBOX「昼と夜の曖昧な境界線」。まず、星空と太陽のコントラストが目を引く。



右サイドから近づいてみると、明かりの灯った大都会の市街模型のような感じである。



左サイドから見ると、都市の夜明けである。街路や地形を見ると、どうやら札幌市のようだ。



非常に印象的な素敵な作品なので、パッと見るだけではなく、ぜひ近くにも寄って見て欲しいものである。


20200307ギャラリー巡り

2020年03月07日 16時54分16秒 | ART
本日は新さっぽろ→レタラ→ミヤシタ→CAI02→大通→グランビスタ→三越→SONY→SCARTS→大丸の10か所。ああ、らいらっくぎゃらりいを見に行くのを忘れた…。色々と大変な中、ギャラリーを開けていて下さる所に感謝である。人はそんなにいないので、濃厚接触の可能性は低いと思うが、誰かが来なければ会場は開けられない。決して、休廊になっている所に文句をつける訳には行かないと思う。かくいう私も、ところどころで手洗いをしっかりしながら、移動する。

■新さっぽろギャラリー「川口真哉作品展『いつも言葉の雨が心の中に降っている(後編)』。帯広の風景をビデオ映像として流し、そこに詩が映し出される。映像が切れ、ふとギャラリーを振り返ると、芝生モチーフの立体が宙づりになっているのだ。

■ギャラリーミヤシタ「守分美佳展」。どことなく地図というか、四色問題の塗り分けを思わせるような作品。

■CAI02「ビッグ・ブラック・ノーズブリーダー」。
「ゴムのブーブークッションとガラスのブーブークッション」:ゴムの方は当然ブーブーという音を鳴らすのだが、ガラスの方は最後に落ちて砕けてしまうのである。全く何のためのクッションなんだと思わせる映像作品。

大通美術館は学生のデザイン展だったが、パネル展示だけになり、学生さんもいなかった。まあ、こういうのも無理は無いよなあ。また、来週の大通美術館は休廊だとか。

■グランビスタギャラリー「河合英恵展 イチマンロッピャク10600」。札幌からアメリカに留学して、アメリカでの発表経験がある人の個展。
「ベイビーズ」:壁の布台座に布製の人形が100体くらい張り付けられているだろうか。白くペンキで塗られているが、目だけが少女漫画チックである。下にある写真のような人形が大量に貼ってあるのだ。



■三越ギャラリー「~現代に蘇る歴史と伝統の銘硯~大端渓硯展」。硯にもいろいろあって、結構面白い展覧会。

■SCARTS「齋藤玄輔|THIS PLACE THIS TIME 2020 sapporo」。版画を壁に貼り、外光で見える作品展示。ちょっと見には、モニターに映った映像のようにも見える。



※試験的に画像サイズをちょっと大きくしてみた。

2020年2月名古屋のアート(2)

2020年03月01日 10時51分52秒 | ART
「赤絵魚藻文大皿」:愛知県美術館のある建物で、愛知県陶磁美術館の作品をテーマ展示していた。テーマは「泳ぐ魚たち」。



「五彩魚文盤」:清時代景徳鎮窯のもの。



デボラ・ハルパーン「CAT」:これも愛知県美術館の建物内にあった。



佐藤忠良「微風」:伏見の銀行のキャッシュサービスコーナーで発見。かなり巨大なので、ギョッとする。



大塚道男「水の精」:夜なので、ピントがイマイチ。



小島?「二〇一二 S」:写真がブレて名前が見えない。タイトルの方も、今一つ自信なし。



村上修一「繋がり 2000」:今度は青のLEDライトで色が変な感じになってしまった。ここからの6点は名古屋広小路ビルヂング前に並んでいたものである。



南川憲生「追想」。



山本久史「夢を見る力II」。



吉村寿夫「Al.Mg.―ファクツーラ―」。



近藤均「石曼陀羅」。



山本眞輔「心の旅―アンコール―」。



市之瀬廣太「浮島の幻想(蒼風)」。


2020年2月名古屋のアート(1)

2020年03月01日 10時39分30秒 | ART
清水六兵衛「SKY RELATION-2005」:中部国際空港の到着口の辺りで発見。



伏見に移動し、トヨタのTS3 PLAZA前にあったもの。



彫刻作品ではなく、道路標のようなものか? 南北を表すS/Nと数字が記されている。



おや、日動画廊を発見。祝日は営業しておらず、それ以外の日は行くタイミングが無かった。



勝野眞言「波紋:まなざし」:名古屋市美術館の方に向かう途中で発見。



平田隆宏「夢卵(殻を破って)」:こちらもすぐ近くで発見。



吉田美紀子「爽やかな風ーI」:これも名古屋市美術館の近くのビル前にあった。「I」があるということは「II」以降もあるのか?



AGOSTINIIO MOREIRA「猟鳥」:ブラジルの彫刻家の作品。



レッド・グルームス「ウールワース・ビルディング」:名古屋市美術館のロビーにて。「調整中のため中に入れません」と書いてあったが、ということは中に入れるのか。



ジョナサン・ボロフスキー「ハンマリングマン」:同じロビーにて。逆光になってしまった。



ホルヘ・マリン「メキシコの翼」:名古屋市美術館前にあったもの。


こんな時に名古屋(10)

2020年02月25日 15時56分09秒 | ART
さて、まだ時間がある。今度は神宮前から栄に向かい、乗り換えて市役所(という名前の地下鉄駅)へ。今度はここも休まないであろう、名古屋城見学だ。



外堀には水がない。ちょっと珍しい気がする。



内堀にも水はなく、石垣が重さで歪んできたのを修理している最中なのだとか。



「本丸表二之門」:現存する数少ない名古屋城創建当時の建造物。重文。



拝観料500円を払って入ったが、本丸の天守閣は耐震工事中のため閉館中であった。ああ…。ま、いずれにせよ戦後に建てられたコンクリート城だから、そこまでこだわることもない。



見ものとしては清正公石曳の像を見ながら進み、清正石(名古屋城の巨大な礎石)をみて、西南隅櫓というところに上がって天守閣を見る。





これが「西南隅櫓」。



そこから見る名古屋城。



その後、御湯殿書院(殿様の風呂場)、黒木書院を見たくらいかな。襖絵はデジタル複製で1枚100万円くらいのコストがかかるそうだ。





「旧二之丸東二之門」:重文。



そして名古屋城に接近。



名古屋城そのものよりも、評判が悪いことで有名なエレベータを見たことの方が、なんだか嬉しい。



耐震工事のため、天守閣の中には入場できないのだ。



本丸御殿も素晴らしいというお勧めもあったが、どっちにしろ再建だし、並ぶのが面倒になり、このくらいにしておくことにした。興味の薄いものにはかなり冷淡な私である。

で、地下鉄で栄に戻り、ぶらぶら歩いて一旦ホテルに戻って時間調整することにした。

地下鉄駅の入口と市役所の建物はこんな感じ。なかなか風情がある。




こんな時に名古屋(9)

2020年02月25日 14時47分55秒 | ART
早めの昼食を済ませ、熱田神宮に取って返し、まずは熱田神宮宝物館から見ていこう。入館料の300円を払い、中に入る。



「法華経涌出品」:鎌倉時代の経文。重文。
前田青邨「紅白梅図」:花も枝ぶりもふんわりと丸い名品。
佐藤玄々「神狗」:むきだした歯や筋肉がキモイ、リアリズム作品。

「信貴山縁起絵巻(飛倉の巻)」:江戸時代の写しだが、いろいろな絵巻が集まっているようだ。
「伴大納言絵詞(上巻)」:これは江戸時代の写本で、大半は白描(色彩なし)となっている。
「東大寺正倉院宝物図」:これも江戸時代のもの。こういう資料があるのも熱田神宮ならではと言えるだろう。

「飾鞍図」:熱田神宮の神馬と飾鞍を描いた、江戸時代の作品。重文。

この他にも十数本の刀(全部で450本余りあり、国指定重要文化財が20本あるそうだ)が展示されていたが、私はもう一つ刀に興味がわかない。入口すぐの所に、刃長が2mを超える「刀 末之青江」という室町時代の刀が展示されていた。



この後、本殿なども見て回ったが、ま、私に宗教心無しだからな。非常に興味深く思ったのが、本殿に礼拝する人たちが滅茶苦茶真剣に祈っていることと、鳥居を出入りするたびにお辞儀をする人が圧倒的に多いことだ。

私など「祈ったら負け」(科学的根拠のない祈りなどの習慣を認めたら、科学と論理を否定することになるので、それは人類の敗北に等しいと思っていたりする…、というのは半分冗談だが)と思っているので、非常に不思議な感じがした。

「信長塀」:信長が奉納した日本三大土塀として名高いものらしい。



「ならずの梅」:1500年代の古図にも登場するほど古いのに、一度も実をつけたことが無いという縁起の悪い梅。



「熱田神宮本殿」。



「大楠」:弘法大師お手植えとも伝わる(大体、古木や温泉、寺の由来には弘法大師が登場する)、樹齢千年以上と言われる楠。



「又兵衛」:良く見えないが合掌造りの原型と言われる様式らしい。



それでは次へ。

こんな時に名古屋(4)

2020年02月24日 16時03分12秒 | ART
伏見から地下鉄で栄に向かい、今度はこちらへ。

■愛知県立美術館「2019年度第3期コレクション展」。特別展は東京で見たので、今回はスルーである。



エドヴァルド・ムンク「イプセン『幽霊』からの一場面」:4人とも幽霊っぽい。



ヴァシリー・カンディンスキー「鏡」:なんか魅力を感じた。



エルンスト・バルラッハ「忘我」:ボディアクションが面白い。



グスタフ・クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」:この美術館の著名作品といえばこれか。



マックス・エルンスト「ポーランドの騎士」:絵具が乾く前に板を当てて剥がすという手法を取っているそうで、その部分が一原有徳の版画の雰囲気に近い仕上がりなのだ。



サム・フランシス「消失に向かう地点の青」:これ縦横の方向があってるかな?



フランク・ステラ「リヴァー・オブ・ポンズ IV」:アメリカ現代美術の作品は有名どころが多かった。



ジョージ・シーガル「ロバート&エセル・スカルの肖像」:さすがに知っているアーティストが多い。



アンディ・ウォーホル「レディース・アンド・ジェントルメン」:無名の服装倒錯者を描いたとあったが、今どきになると服装倒錯という概念は良く分からないな。



梅津庸一「フロレアルー汚い光に混じった大きな花粉」:「スタジオと展示室」というコーナーにあった作品。分かったような、分からないような。



ライアン・ガンダー「It stole your thunder -(Alchemy Box #25)/It stole my thunder」:絵画を入れるための段ボール箱が2つ並んでいるように見えるが、片方は板にアクリルで描いた作品なのだそうだ。



荷物搬送用のラベル等はすべて手描きしたものである。



熊谷守一「海の図」:あまり熊谷の作品にはピンとこないところがあるが、このとぼけた作品はイイね。



アルナルド・ポモドーロ「飛躍の瞬間」:美味しそうな名前で有名なポモドーロだが、屋外庭園に展示されていた。



今井瑾郎「大地」:これも屋外(ビルの空中庭園のようなところ)にあったもの。



愛知県立美術館の建物にはギャラリーがいくつか入っている。そこでも展示をしていたので、取り急ぎ見ていこう。

■愛知県美術館ギャラリー「名古屋造形大学卒展」。
森正響一「robot heros」:全体的に撮影可能だか良く分からなかったのだが、撮影可能と明記されていたこれはなかなかすごかった。陶器で黄金製のロボットヒーローを大量に作成したものだ。



■愛知県美術館ギャラリー「愛知県立瀬戸窯業高等学校セラミック陶芸科 専攻科終了制作展」。あまりに上手いので驚いたら、専攻科というのは高校過程を終わった人(何歳でも可)が勉強するところらしい。

沢村光李「Simmering anger」:複雑な形をよくもまあ。



今井八重「在るもの・連作」:表面のガラス様にも見える部分がいい。



山田正樹「赤伊羅保釉大鉢」:大きなサイズの鉢はやっぱり素晴らしいよね。



約4時間が経過し、少々疲れたのもあり、ホテルに戻りチェックインをする。部屋で少しぼんやりと休憩して過ごす。


こんな時に名古屋(3)

2020年02月24日 14時00分52秒 | ART
■名古屋市美術館「岸田劉生展」。東京では見なかった展覧会だが、ぜひ見ていこう。
「銀座と数寄屋橋畔」:銀座を素敵な色彩で描いたカラフルな小品。やっぱ「麗子像」よりこういうのが良いな。
「日比谷の木立」:直球で印象派っぽい。
「自画像」:自画像も沢山あったが、東京都現代美術館蔵のこれは萬鉄五郎っぽくもある、フォーヴな感じだ。

「築地居留地風景」:こちらはメルヘンな感じ。初期はいろいろ試行錯誤が多そうだ。
「黒き防止の自画像」:自画像の中でも、密度の濃い気合の入った作品。
「黒き土の上に立てる女」:北海道は小樽の似鳥美術館より出品された作品。周りの作品と見比べても、なかなかいいではないか。

「道と電信柱」:青い空は「切り通しの坂」を思わせるが、ここでは平坦な道が描かれている。
「冬枯れの道路(原宿附近写生)」:原宿とは思えぬ野性的な事前を描いたこの作品は力作だ。手元の小石から空に向かって伸びるような道まで、世界全体が描かれている。
「静物(赤きリンゴ二個とビンと茶碗と湯呑)」:静物画を連続してみると、色彩はかなり違うがモランディを見ているような気になって来た。

「麗子坐像」:ポーラ美術館のこの作品では、解説に「足が痛くて涙が出てきたので、涙がこぼれないようにそっと上を向いた」という麗子本人の話が書かれていた。それに構わなかった劉生だが、画を見ると目の下に薄いハイライトが入って、涙が浮かんでいるようにも見える。画を描く手は止めないという画家の業なのか。
「麦ニ三寸」:風景と麗子像の合体作品である。
「冬瓜図」:瓜のヘタの部分の細密描写なんか、画がメチャクチャ上手いはずなのに、全体としては茫洋としている。

「夏厨黒白」:「黒白」の連作画が6点展示されており(前期/後期で計12点)、いろいろな黒と白のものを対比している。
「春園金鶏之図」:鶏は胴体が赤、黄色と黒の縞、更に緑も入った極彩色で描かれている。
「路傍秋晴」:大連風景なのだが、どこか日本的である。

「満鉄総裁邸の庭」:日本画に転じて平面的な作品が多い印象を受けたが、最後のこの作品がグッと奥行きのあるものだった。

とにかく日本各地の美術館から岸田作品を集めた感じがする。重要文化財の「麗子微笑」は展示期間が終了していたが、それに拘らなくても良いかなと思うくらいの作品があった。まあ、見て良かったと言えるだろう(←偉そう)。



左が涙をこらえる麗子。



これはしりあがり寿作の麗子キャラ。



続いて常設展へ。

■名古屋市美術館「2019年度名品コレクションIII」。
東郷青児「帽子をかむった男(歩く女)」:キュビスム時代の東郷はかなり好きだ。
マルク・シャガール「二重肖像」:花嫁姿の女性とその奥に男性の画家が描かれている。おそらく自分と妻の像なのだろうが、かなり写実に近い感じだ。
藤田嗣治「夢」:眠る裸婦の周りに猫、鳩、狐? などの動物を配した作品。

岩田信市「ファイティング・ビューティ(キック)」:描いた時期には解散していたが、ビューティーペアをモチーフにしたものだろうか。
福本道雄「琵琶湖の凪」:黒く静かに表面が揺らぐ箱のような物体。絶対ベンチと間違えて座った人がいると思う。
三岸節子「雷がくる」:赤と白で幾何学的に構成された街と黒い空を描いた作品。

三輪美津子「STATUE No.4」:石山のような、アイスを何重にも盛ったような絵画作品。
アンゼルム・キーファー「シベリアの王女」:レールがあるので、シベリア鉄道を表現したものだろうか。画の上半分はコンクリートのような灰色に塗られている。
ディエゴ・リベラ「スペイン風景(トレド)」:幾何学的でパステル色の風景画。そういえばこの美術館にはメキシコ系の絵画が常設されているのを思い出した。

大澤鉦一郎「リンゴ三つ」:会ったことはないが、岸田劉生を意識していたという人。岸田劉生展にちなんで、「愛美社」という絵画団体の特集で展示されていた。
大澤鉦一郎「城のある風景」:城よりも手前にある枝をくねらせた木が素晴らしい。
宮脇晴「夜の自画像」:顔に田舎っぽさはあるが、スーパーリアリズムと呼んでも良さそうな高度な技術の作品である。全体的に岸田の影響か、「愛美社」の作品にはリアルな写実画が多かったように思う。

展示室内は撮影不可だった。ロビーや周辺の作品はいくつか撮影できたものもあるので、それはまた別の記事で紹介したい。

20200215ギャラリー巡り

2020年02月15日 16時04分03秒 | ART
昨日、カクテルの会の際に、グランビスタ。
本日は富士フイルム→大通→市民→ILA→HUG→三越→SONY→スカイホール→さいとう→ARTスペース201→SCARTS→プラニス→大丸の13か所。

大通美術館は確か工事で1週間休んだと思ったが、入口の辺りがとてもすっきりしていた。

 

■市民ギャラリー「第48回在日朝鮮学生美術展-北海道展-」。北海道では学外でこの美術館が開催されるのは初めてなのだそうだ。ぜひとも継続して欲しい試みだと思う。作品は朝鮮の服装など固有のものが取り込まれているものと、日本の学生展と変わらない画題のものがある。

■ILA ギャラリー「美しい写真のつくり方 森山大道」。
「美しい写真のつくり方・6 下高井戸のタイツ」:森山と言えば街写真というイメージだったので、網タイツを履いた女性の足を撮影した作品は意外だった。
「美しい写真のつくり方・3 会津若松のタイル」:撮影対象はまったく違うが、円形の小さなタイルがタイツの網目に通じるところもある作品。以前、宮の森美術館で森山の展示をしていたという方が、「タイツ一本でも良かったが、対比させてみるのも良いかと」と展示の意図を説明してくれた。

■ARTスペース201「3つの呼びかけ展」。世古真由美のマニエノワール作品(メゾチント)が良い雰囲気であった。他に「ここから」というふにゃふにゃした線の風景も面白い。

道特会館から南に出たところにあるFree Information Galleryだが、土日祝は休みということが分かった。2月17日から3月27日まで「ひろ くわおり暖ボールアート 北の浮世絵展」を開催するようである。



■プラニスホール「2019年度 北海道教育大学岩見沢校 終了・卒業制作展」。
梅木梨花「きみに王手! しょうぎちゃん」:女性の将棋人口が少ないことから、親しみやすいイメージを持ち込んだ作品。王と玉は王姫、玉姫と両方女性キャラクターなのである。



将棋盤や駒入れもファンシー。


20200210ギャラリー巡り

2020年02月10日 16時36分39秒 | ART
本日は道銀本店→らいらっく→三越→吉成→ARTスペース201→500m美術館→オマージュ→富士フイルム→新さっぽろ→大丸→紀伊国屋の11カ所。

平日だったので行くことができた道銀本店には、本郷新「ライラックの像」があった。これ写真に撮りたかったな(窓口に申し出ると撮影できるかも)。それから事務所奥にあるレリーフはなかなか立派であった。

■らいらっくぎゃらりい「屯田中央中学校 美術部展」。デッサンなど真面目に取り組んでいる感じが好感が持てる。

■三越ギャラリー「若手作家洋画選抜展」。上手い人多し。

■500m美術館「第8回札幌500m美術館賞入選展」。
大橋鉄郎「Street scenery from street view」:バスセンター前のストリートビューの画像を展開したもの。写真の一部は切り取られ、手前のガラス側に貼り付けられている。またガードレールなどは立体で作られており、更に地下通路の通行人がガラスに写ると虚々実々という感じだ。



川田知志「都市の奥、Time Capsule Media」:街の変化を表しているらしい。確かに建物が無くなった時に、そこに何があったのか全く思い出せなくなるというのは良くあることだ。



木村充伯「猿、人、そして熊」:ブラキストン線を境に、猿と熊の様態が変わるイメージからできた作品。





西松秀祏「身体のタイムライン」:石鹸と川で丸くなる石、そして時間の流れを表現した作品。





しかしここのモニターは使わなくなったのだろうか。寂しさだけが感じられる。



■500m美術館「おとなもがんばるこども壁画」。笠見康大がワークショップで子供たちと作り上げた作品。まずは3原色を自由に混ぜて作った色に、自分で名前を付けたという作品。



色々な形。私にはこういうものは島のように見えて「あそこが港だな」とか妄想してしまう。



クレヨンで線を引いて面白い形を切り抜き、それに名前を付けた作品。



■ギャラリーオマージュ「石垣渉展 水彩画の世界」。
「桜色の水飲み場」:風景画はもちろん素晴らしいが、今回は小品にも目を引くものがあった。桜の花びらが散る中にある水道の蛇口を描いた作品だが、画の美味さもあるし、切り取り方も素敵だ。

■富士フイルムフォトサロン「Norio Wada写真展「大雪山~大地の鼓動~」」。26分間の夕焼けを撮影した作品。もちろん、オリジナルの写真はもっときれいなのだ。



■新さっぽろギャラリー「祭りと神楽」。江差町・姥神大神神宮渡御祭の模様を写した写真展。山車の上に飾ってある人形が豪華メンバーで、水戸光圀、大石内蔵助、伊達政宗、加藤清正、弁慶、日本武尊、武田信玄、神武天皇、楠木正成、神功皇后、恵比須様、瓊瓊杵尊なのである。定番の秀吉や家康は登場しないんだな。

■大丸画廊「現代版画2020」。
元田久治「表示-銀座4丁目交差点」:確か廃墟の風景を描く人ではなかっただろうか。銀座の服部時計店を中心にした廃墟の風景は、緻密でスケールも大きく素晴らしい。

ILAギャラリーに初めて行ったところ、水木土しかオープンしていないのだそうだ。しかしながらそのビルの1階でおそらく安田侃のものと思われる彫刻を発見した。作品名などは見つからなかった。


東京国立博物館名作選2020年2月

2020年02月09日 15時26分03秒 | ART
適当に撮影して適当に載せているので、「これが傑作?」とか「あれが抜けてる」とか言われても困る。それから自分のブログの過去記事で紹介しているかもしれないが、その辺も適当なのでご勘弁を。今回は普段より写真を大きくしてみた。

「如来立像」:説明書きの写真がボケていて、それ以上の情報が無い。



「阿弥陀如来および両脇侍立像(善光寺式)」:善光寺の秘仏本尊を模した形式なのだ。



青木繁「日本武尊」:青木のいい画は本当に良いと思う。



初代宮川香山「褐釉蟹貼付台付鉢」:何だか分からないけど、ま、いいか。



「貝譜」:江戸時代後期に作られたもの。美味そうだと思ったりして。



特集「伝説の面打立ち」という展示コーナーがあった。



「能面三番叟(黒色尉)」:南北朝時代の面。重要文化財。



遠軽町白滝出土「黒曜石原石」:旧石器時代、紀元前1万8千年頃のもの。平成館の考古学展示コーナーの最初にこれがあった。



遠軽町白滝出土「北海道出土の石器」:旧石器時代、紀元前1万8千年頃のもの。北海道だっていろいろあったのだ。まさか明治以前は人のいない原野だと思っている人はいないよね。



「突線鈕5式銅鐸」:滋賀県出土で高さ134.7cm、重さ45.47kgと現存する日本の銅鐸では最大だそうだ。



安養寺「如意輪観音像絵瓦」:一定の線の太さでよどみや修正箇所が無いことから、熟練の作者ではないかと書いてあった。



何度行っても発見のある、東博である。