散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

帯広行き(1)

2002年02月16日 22時01分55秒 | 飲み歩き・北海道内
帯広に行く前にどうしても行かねばならない所がある。札幌テレビ塔が改装になり、私のお気に入りだった「BS」が店を閉めてしまうのだ。閉店まであと3日である。開店と同時に入り(午前10:30)、ビール、酒、ピーナッツを注文。残念ながら、いつも私に声をかけてくれる店のお母さんはまだ来ていなかった。私は心の中で、ひっそりとこの店に別れを告げた。

さて、話は転じて帯広駅前。

あらかじめで調査しておいた、開業40年を越すという店「K」に入る。うーむ。ジャズのかかっている店内は、まるで純喫茶(古い!)のような雰囲気。バーカウンターはゆったり14席ほどあり相当に広い。一瞬にしてこの店構えが気に入った私は、ジントニックを頼む。店内には私を含めて3人しかいなかったが、内1人はちょうど帰りがけのようだ。

池乃めだか氏に似たバーテンダーが私の前に来た。彼曰く、「ドライなものといったらマティーニでしょう」「味を重視するとサイドカーは一番かもしれません」と基本に沿ったお勧めに従う。カクテルは作り方、味ともにクラシックだ。こうして書くと、渋いバーテンダーのようだが、声は高めで、風貌のこともあって、芸人さん的雰囲気が漂っている。客がいないので暇な店と思い、いろいろ帯広飲み屋事情などを聞いていると、突然予想外のことが起きた。

新たなお客さんが、ほんの20分かそこらで2、4、2、7、2人とやって来たのである。少々あっけに取られつつも様子を見ていると、客の年代は20~60代と幅広く、いつも来ている人たちばかりのようである。

急ににぎやかになり、注文のタイミングを失ったのだが、客は店に対し、店(の人)は客に対して愛情を持っているように感じられる。最後にバラライカを飲んで、店をでた私の機嫌は大変良くなっていた。

しかし、いささか飲み足りない思いがある。そこで帯広の新しいホテル「NL」へ。若いバーテンダー氏にギムレット、マティーニを頼む。やはり今風の作りである。最後に何か、と頼んでみると、ジン+ベルモットにカシスリキュールの甘さを少々効かせたものが出た。最後の一杯としてはちょうどよいだろう。

「札幌の「Y」に行った事がないんです」という彼に、「ぜひ一度行かれた方がいいですよ」などと話し、店をでる。