散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

札幌市内のあちこちに行く

2004年11月06日 23時04分02秒 | 飲み歩き・その他札幌市内
私はこれまで、素晴らしいバー・居酒屋を発見して来たが、あまりにも色々な店に行くため1回切りという所も多い。勿体無いので、心に残る店を再訪することにした。

3年ぶりに南1西13の「Z」に行ってみた。前回は真冬の恐ろしく寒い日で客は私一人であったが、今回も一人である。本日も結構寒いので、燗酒でスタート。お通しは野菜の歯ごたえがとても良い筑前煮である。注文はまずタコ刺身。ゆでタコではない(冷凍はしてあったと思う)の味はなかなか。

客が一人で沈黙ぎみなので、本日のお勧め黒板に書いてあった店主の一言ニュースを元に、「ムネオ有罪判決ですねえ」と私から話しかけると、店主が北海道の不況をひとしきり嘆いてくれた。

続いて、鯖塩焼きを頼んだ所で年配夫婦連れの客が現れ、私も一安心である。その旦那の病気自慢(ガン、そけいヘルニア、etc)を聞きつつ食べる鯖には、カボスも添えられてあり、中々の味わいである。

最後に牛筋煮込みを注文すると、夫婦連れの奥様も同じ注文となった。店主が「うちの煮込みは評判良いよ、でもマズかったらゴメン」と訳の分からないことを言いつつ出してくれた煮込みは、八丁味噌と黒糖で味付けされているらしい、こっくりとした味だ。かなり甘目の味に一味唐辛子を効かせると、酒の相手には持って来いである。あっという間に食べ終えて、勘定。

私もお店の人の顔はうろ覚えであったが、相手も私を憶えてはいないようであった。ちょっとお母さんの元気が無いようであったが(道外出身で寒さに弱い人なのだ)、名店健在にほっとして次の店へ。

澄川のバー「S」(今は閉店してしまったようだ)。最近でこそ、すすきの以外の場所でオーセンティックバーが成り立つようになってきたが、数年前までは殆ど存在していなかった。そんな時代からひっそりと澄川で営業しているバーを4年ぶりの訪問である。

開店間もない時間帯であり、やはり客は私一人であった。まずはウイスキークーラー。ウイルキンソンのジンジャーエールはショウガ風味が刺激的である。続いて、ギブソン、ブルームーン。常連らしい女性がやってきて、少し緊張感が薄らいだ。

話を聞くと、マスターの中学校時代の同級生らしく、遠慮の無い会話で、段々盛り上がってきた。澄川在住らしく、近くのお店情報が話題になる。

「あの蕎麦屋、行ったことある?」
「あそこはありえないね。どうして潰れないのか分からない」
「そちらのお客さん(←私のこと)にも紹介するから、見てきて欲しい」

等と、とんでもない内容である。その店に行くのはお断りしておいたが、同窓会の3次会的雰囲気が漂う。

女性は「昔ねえ、もの凄く美味しいと思ってたラーメン屋さんがあって、でもご主人が死んじゃったのよ。でも、ずっと側にいたオカミさんが店を継いだから、行ってみたの。そしたら、信じられないくらいマズかった。何だか悲しくなってきて…」と続けた。

うーん、そういうもの悲しい話ってあるよな。そのラーメン屋さんもまだ健在らしい。ただ、出来てすぐ潰れる飲食店も非常に多いらしく、澄川には都心と違う何かが流れているのかもしれない。最後にオールドパルの苦い味でしめ、店をでた。名店健在+良い雰囲気を堪能することができた。