晩年は、自分本来のできるものとして新国劇の財産演目を採り出してひとり芝居を演じていました。
ひとり芝居「白野弁十郎」を演じたことが基礎となっている。
その後、島田正吾氏は新橋演舞場で毎年演目を変えて5月29日と30日の二日間ひとり芝居を公演してきました。
また、会場内からは往年の新国劇ファンが芝居のいいところで「島田!」「新国劇!」「大島田!」などの声掛けが出てくるから芝居はさらに盛り上がっていきます。
96歳までひとり芝居を公演してきたことは凄いことです。
石井ふく子さん(浅草ビューホテル)
石井ふく子さんは、日本のプロデューサーであり、演劇の演出家でもあります。
渡哲也氏主演の舞台を演出した時に、出演した中に上手い役者がおり、気になっていました。渡哲也氏に聞くと「新国劇の精神を継承している劇団若獅子の代表である笠原章氏である」と説明がありました。
その後、石井ふく子氏は劇団若獅子の「宮本武蔵」3部作の演出を担当するようになりました。主演の宮本武蔵は笠原章氏が担当。
テレビ番組「渡る世間は鬼ばかり」の演出を手掛けていた石井ふく子さんは、出演者を束ねて「石井組」と呼ばれていました。「宮本武蔵」公演にも石井組に所属する俳優、女優が助演出演をしておりました。
浅草公会堂での「宮本武蔵」公演の終了後、浅草ビューホテルで打上げパーティーが開催されました。その時に石井ふく子さんとお話が出来、「宮本武蔵」公演の演出についてやエピソードをいろいろと披露してくれました。
石井ふく子さんは、2022年に東京都名誉都民の称号を与えられております。