標題の映画を観た。
2年ほど前、NHKのドラマで、別の俳優さんたちが演っていたものを見たので、原作のコミックエッセイは読んでいなかったけれど、ストーリーは知っていた。45分ものの連続ドラマだったが、映画は2時間だからもっとコンパクトに、でも言いたいことはストレートにきちんと伝わってきた。
漫画家である主人公(ハルさん)が、唯一連載している雑誌の担当から「読者アンケートが不評なので・・・」と連載を打ち切られる。時を同じくしてご主人(連れ合い)である“ツレ”がうつ病で会社を辞め、自宅療養開始。当面は失業保険で食べていけるとはいえ、不調が長引く中、自分が働かなくては、と焦るのだが、なかなか連載の仕事をもらうことができない。
そんな中、挿絵の仕事を紹介されて行った先で、うつ病を経験した編集者と出会う。その彼から「自分が描きたいことを描いていないのは編集者にも伝わってしまうものだ。アンケートは口実。作家は自分が一番描きたいことを描けばよいのだ。」と言われる。そして、ハルさんが(自分が一番描きたかったのは、こんなに近くにあったのだ・・・)と気付いた時に、彼女のスケッチブックから、その本当に描きたかった、飼っているイグちゃん(イグアナ)や、自分、ツレが飛び出してくる-実写と漫画が融合したとても印象的なシーンだった-ところから、今日のブログのタイトル「描きたいことを描けばいい」を頂いた。
そう、ブログを日々書いているだけでも、本当に書きたいことを書く時は、苦労せずに書ける。そして夫から申し渡される(!)“松竹梅”の点数も結構いい線をいくことが多い。
けれど、とにかく今日も何か書かなければ・・・と、ネタに困って絞り出した時は、当然文章が流れないし、あとから読んでもあまり面白くない。
まあ、私のような凡人が1年365日絶えることなく何かしら興味深い話題を提供できるなら、文筆業を本業にしている方たちに怒られてしまうだろうけれど。
たまたま、以前に観た「神様のカルテ」で主人公の奥様役を演じていた宮崎あおいさんが、今回は主人公のハルさん。とても自然な演技に好感が持てた。
そして、何よりうつ病を演じたツレこと堺雅人さんの、ずーっととれない眉間のしわが印象的だった。あの絶望的な泣き顔・・・胸に迫るものがあった。
そういえば私も若い頃、何かちょっとあるたびにすぐに眉間にしわを寄せていた。「幸せが逃げて行くから辞めた方がいいよ。」と職場の先輩等にもよく注意されていたのだけれど・・・。最近は随分とれてきたような気がしている。年の功か。諦観か。
がん患者が再発や転移で心を病み、うつ病になることが少なくない、というお話は精神腫瘍医からよく聞く話だ。そして、がんとうつの両方を経験した患者さんの「抗がん剤の副作用より辛い」という言葉を聞けば、このうつ病がどれほど辛いものであるかは、想像に余りある。
体に重りがめり込んだように起き上がることができない、得も言われぬ体中のだるさ、無気力感・・・・、気が滅入るほどの“あの”副作用よりも辛いとは・・・。
蛇足ながら、作者ご夫妻が結婚同窓会のシーンで特別出演していたということを鑑賞後パンフレットで知った。そして、脚本が出来てから実際にこの映画が出来るまでさまざまなハードルを越えなければならず、3年間を要したという。この体験を映画にして沢山の人に観て頂きたいという、作者の静かではあるが、強い思いを感じた。
暖かい涙が沢山出たし、夫婦2人の会話の中でのハルさんの突っ込みに笑い、主人公のご両親の会話等にしんみりとした。
気付けば泣き笑いの、けれど夫婦が本当の夫婦になっていく成長物語を体感できるあっという間の2時間だった。
今日も秋晴れのいいお天気。朝は依然として気持ち悪さが残っていたが、息子を送り出した後、大洗濯をして、一休みしてから夫と買い物に出かけた。
ようやく昼には気持ち悪さが治まってきて、食欲が出てきた。健康だった時はなんということもなかったごくごく当たり前のこと-お腹が空いて、美味しくもりもり食べられること-がいかに有難いことなのか、を、投与後、毎回のように感じる。
2年ほど前、NHKのドラマで、別の俳優さんたちが演っていたものを見たので、原作のコミックエッセイは読んでいなかったけれど、ストーリーは知っていた。45分ものの連続ドラマだったが、映画は2時間だからもっとコンパクトに、でも言いたいことはストレートにきちんと伝わってきた。
漫画家である主人公(ハルさん)が、唯一連載している雑誌の担当から「読者アンケートが不評なので・・・」と連載を打ち切られる。時を同じくしてご主人(連れ合い)である“ツレ”がうつ病で会社を辞め、自宅療養開始。当面は失業保険で食べていけるとはいえ、不調が長引く中、自分が働かなくては、と焦るのだが、なかなか連載の仕事をもらうことができない。
そんな中、挿絵の仕事を紹介されて行った先で、うつ病を経験した編集者と出会う。その彼から「自分が描きたいことを描いていないのは編集者にも伝わってしまうものだ。アンケートは口実。作家は自分が一番描きたいことを描けばよいのだ。」と言われる。そして、ハルさんが(自分が一番描きたかったのは、こんなに近くにあったのだ・・・)と気付いた時に、彼女のスケッチブックから、その本当に描きたかった、飼っているイグちゃん(イグアナ)や、自分、ツレが飛び出してくる-実写と漫画が融合したとても印象的なシーンだった-ところから、今日のブログのタイトル「描きたいことを描けばいい」を頂いた。
そう、ブログを日々書いているだけでも、本当に書きたいことを書く時は、苦労せずに書ける。そして夫から申し渡される(!)“松竹梅”の点数も結構いい線をいくことが多い。
けれど、とにかく今日も何か書かなければ・・・と、ネタに困って絞り出した時は、当然文章が流れないし、あとから読んでもあまり面白くない。
まあ、私のような凡人が1年365日絶えることなく何かしら興味深い話題を提供できるなら、文筆業を本業にしている方たちに怒られてしまうだろうけれど。
たまたま、以前に観た「神様のカルテ」で主人公の奥様役を演じていた宮崎あおいさんが、今回は主人公のハルさん。とても自然な演技に好感が持てた。
そして、何よりうつ病を演じたツレこと堺雅人さんの、ずーっととれない眉間のしわが印象的だった。あの絶望的な泣き顔・・・胸に迫るものがあった。
そういえば私も若い頃、何かちょっとあるたびにすぐに眉間にしわを寄せていた。「幸せが逃げて行くから辞めた方がいいよ。」と職場の先輩等にもよく注意されていたのだけれど・・・。最近は随分とれてきたような気がしている。年の功か。諦観か。
がん患者が再発や転移で心を病み、うつ病になることが少なくない、というお話は精神腫瘍医からよく聞く話だ。そして、がんとうつの両方を経験した患者さんの「抗がん剤の副作用より辛い」という言葉を聞けば、このうつ病がどれほど辛いものであるかは、想像に余りある。
体に重りがめり込んだように起き上がることができない、得も言われぬ体中のだるさ、無気力感・・・・、気が滅入るほどの“あの”副作用よりも辛いとは・・・。
蛇足ながら、作者ご夫妻が結婚同窓会のシーンで特別出演していたということを鑑賞後パンフレットで知った。そして、脚本が出来てから実際にこの映画が出来るまでさまざまなハードルを越えなければならず、3年間を要したという。この体験を映画にして沢山の人に観て頂きたいという、作者の静かではあるが、強い思いを感じた。
暖かい涙が沢山出たし、夫婦2人の会話の中でのハルさんの突っ込みに笑い、主人公のご両親の会話等にしんみりとした。
気付けば泣き笑いの、けれど夫婦が本当の夫婦になっていく成長物語を体感できるあっという間の2時間だった。
今日も秋晴れのいいお天気。朝は依然として気持ち悪さが残っていたが、息子を送り出した後、大洗濯をして、一休みしてから夫と買い物に出かけた。
ようやく昼には気持ち悪さが治まってきて、食欲が出てきた。健康だった時はなんということもなかったごくごく当たり前のこと-お腹が空いて、美味しくもりもり食べられること-がいかに有難いことなのか、を、投与後、毎回のように感じる。