一昨日は2冊読んだ。
1冊目は山根基世さんの「ことばで『私』 を育てる」(講談社文庫)。
ご存知、NHKアナウンサーであった著者が、「人の心に届くことば、良い関係を育てることば、自分を豊かにすることばなど、芸術家や作家、俳優、そして市井の人々と出会った経験をもとに、ことばにまつわる大切なことを綴ったエッセイ集」だ。
単行本は1999年発行なので、ちょうど著者が50歳前後、今の私と同じ年頃で書かれたものだからか、通じるところが多々あった。そして10年以上経っていながら、中身は全く古さを感じさせなかった。
特に印象深かったのは、終盤の「書かなければ生きられなかった」という章。読み書きとは全く無縁だったが、東京大空襲で夫も子どももすべてを失い、45歳で日記をつけ始めた雫石とみさんのインタビューにまつわるお話だった。著者も長年「ことば」を使って仕事をしてきたが、ことばの力を改めて思い知らされた、という。
「お金や肩書や名誉など、外側からの支えは、失えばそれきりだが、書く喜びという、内側から自分を支えるものを持つ人の強さを思わずにはいられなかった。世の中何もこわいものはない。内側から自分を支えるものさえあれば、人間こんなふうに生きることが出来るのだ、と勇気づけられる思いがした。」とある。
まさにそうなのだろう、と思う。日々、こうしてブログを書きながら、今、間違いなく自分も支えられている、と思うことが多々あるからだ。
解説は山根さんに憧れてアナウンサーを志したという進藤晶子さん。「働く女性」として山根さんを目標とする方は多いのだろう、と思った。
2冊目は柳澤桂子さんの「すべてのいのちが愛おしい 生命科学者から孫へのメッセージ」(集英社文庫)。
「里菜ちゃんへ 今日も元気ですか?」との書き出しから始まる50通の手紙の形式をとる。「生命科学者である著者が、愛について、いのちの始まりについて、宇宙の誕生について、死や性について、詩情豊かな言葉で孫に語りかける。「自然の不思議」に驚く力、感受性がなければ科学する心は育たない。「孫への手紙」という形をとりつつ、すべての人々に送るメッセージである。」と裏表紙にある。
生命科学に関するとても専門的なことが赤 勘兵衛さんの美しい挿絵とともに書いてあるのだが、とても読みやすく、著者が愛情をこめて楽しんで書いておられる様子が伝わってきた。
お孫さんはこの本を書かれたときまだ5歳だったという。5年後、文庫版になったときもまだ小学校4年生で、あとがきではまだこの本を読みこなせない、と書いておられる。そして「中学生になった孫に話して聞かせるように愛情をこめて書いたが、中学生だけの本ではなく、広く大人の方にも読んで頂きたいと思う。生命の不思議に驚嘆されるだろう。」ともあった。まさにそのとおりだった。高校の生物以来、生命科学とは無縁の私が、神秘的で厳粛な気持ちになった。
今日も秋晴れで爽やかな一日だった、が、相変わらず気持ち悪さは継続。食べ物の美味しそうな匂いはわかるし、空腹感はあるのに、食べられない。食欲の秋というのに憂鬱だ。だるくて横になりたい。食事の支度も青息吐息だ。
とにもかくにもようやく金曜日、明日明後日は珍しく遠出をする予定もない。ゆっくり体を休めたい。
1冊目は山根基世さんの「ことばで『私』 を育てる」(講談社文庫)。
ご存知、NHKアナウンサーであった著者が、「人の心に届くことば、良い関係を育てることば、自分を豊かにすることばなど、芸術家や作家、俳優、そして市井の人々と出会った経験をもとに、ことばにまつわる大切なことを綴ったエッセイ集」だ。
単行本は1999年発行なので、ちょうど著者が50歳前後、今の私と同じ年頃で書かれたものだからか、通じるところが多々あった。そして10年以上経っていながら、中身は全く古さを感じさせなかった。
特に印象深かったのは、終盤の「書かなければ生きられなかった」という章。読み書きとは全く無縁だったが、東京大空襲で夫も子どももすべてを失い、45歳で日記をつけ始めた雫石とみさんのインタビューにまつわるお話だった。著者も長年「ことば」を使って仕事をしてきたが、ことばの力を改めて思い知らされた、という。
「お金や肩書や名誉など、外側からの支えは、失えばそれきりだが、書く喜びという、内側から自分を支えるものを持つ人の強さを思わずにはいられなかった。世の中何もこわいものはない。内側から自分を支えるものさえあれば、人間こんなふうに生きることが出来るのだ、と勇気づけられる思いがした。」とある。
まさにそうなのだろう、と思う。日々、こうしてブログを書きながら、今、間違いなく自分も支えられている、と思うことが多々あるからだ。
解説は山根さんに憧れてアナウンサーを志したという進藤晶子さん。「働く女性」として山根さんを目標とする方は多いのだろう、と思った。
2冊目は柳澤桂子さんの「すべてのいのちが愛おしい 生命科学者から孫へのメッセージ」(集英社文庫)。
「里菜ちゃんへ 今日も元気ですか?」との書き出しから始まる50通の手紙の形式をとる。「生命科学者である著者が、愛について、いのちの始まりについて、宇宙の誕生について、死や性について、詩情豊かな言葉で孫に語りかける。「自然の不思議」に驚く力、感受性がなければ科学する心は育たない。「孫への手紙」という形をとりつつ、すべての人々に送るメッセージである。」と裏表紙にある。
生命科学に関するとても専門的なことが赤 勘兵衛さんの美しい挿絵とともに書いてあるのだが、とても読みやすく、著者が愛情をこめて楽しんで書いておられる様子が伝わってきた。
お孫さんはこの本を書かれたときまだ5歳だったという。5年後、文庫版になったときもまだ小学校4年生で、あとがきではまだこの本を読みこなせない、と書いておられる。そして「中学生になった孫に話して聞かせるように愛情をこめて書いたが、中学生だけの本ではなく、広く大人の方にも読んで頂きたいと思う。生命の不思議に驚嘆されるだろう。」ともあった。まさにそのとおりだった。高校の生物以来、生命科学とは無縁の私が、神秘的で厳粛な気持ちになった。
今日も秋晴れで爽やかな一日だった、が、相変わらず気持ち悪さは継続。食べ物の美味しそうな匂いはわかるし、空腹感はあるのに、食べられない。食欲の秋というのに憂鬱だ。だるくて横になりたい。食事の支度も青息吐息だ。
とにもかくにもようやく金曜日、明日明後日は珍しく遠出をする予定もない。ゆっくり体を休めたい。