ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.10.3 10日ぶりの出勤に思うこと

2011-10-03 23:08:38 | 日記
 新しい1週間が始まった。
 夫と息子を送り出して、いざ10日ぶりの出勤。先月、最後に出勤したときは、まだ七分袖のカットソー1枚だったように記憶しているが、今朝は肌寒く、長袖の上にカーディガンを羽織ったほど。
 学内の金木犀も今を盛りに咲き誇っている。傍らを通ると、むせ返るほどの匂いだ。

 さて、10日ぶりで席に着き、パソコンを開けてダー・・・・ッとメールを受信。関係者には1週間不在を伝えてあったのだが。とにかく地道にひとつひとつ処理していく。僅か10日休んだだけだが、なんだかとても新鮮な気分になる。

 何度も書いたが、休職明け以降、有給休暇が殆ど底をついて、病欠と最低限の時間休等で綱渡りしてきた。今年の夏は3年ぶりに、3日間連続で夏休みをとることができた。土日を含んでの5連休だったけれど、今回のように10日も休んだのはどのくらいぶりだろう。
 何よりも、それだけの期間離れていても、自分の席がそのままそこにある嬉しさ。ああ、私はまだここにいてもいいのだ、という言い知れぬ幸福感に浸る。

 お昼休みは自席でお弁当を広げた後、書籍売り場に出かけて沢山の新刊を買い込んできた。読書の秋、秋の夜長に少し腰を落ち着けて本を読もうと思う。

 食後、珍しく新書1冊、文庫1冊読めた。
 1冊目は中川恵一さんの「専門医が教える がんで死なない生き方」(光文社新書)。
 「東大病院のDr.中川が予防法から治療、緩和ケアまで徹底解説!!」と帯にある。既にがん患者歴6年半、進行がんどころか遠隔転移患者の私が、何をいまさら、なのではあるが、まっさらな気持ちで読んでみた。専門医自身の生活ぶり、予防のために何か特別なことをしているのか、という一般人が気になる疑問に答え、同僚医師にもインタビュー。さらりと読めて後味は決して悪くなかった。

 2冊目は工藤直子さん(詩)佐野洋子さん(絵)の「新編 あいたくて」(新潮文庫)。
 「“のはらうた”の童話作家と“100万回生きたねこ”の絵本作家がおくる笑顔の言葉たち」という帯。表紙の絵もとてもチャーミングなエッチング。裏表紙にあるとおり、まさに心を元気にする詩集、だと思う。「洋子さん-文庫版に寄せて」で工藤さんが書いておられたあとがきの文章に胸が熱くなった。

 とりあえず明日まではこの調子で前向きに元気に過ごせるだろう。そして、明後日。また治療再開だ。




 
コメント
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