ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.3.11 そして、1年

2012-03-11 20:07:51 | 日記
 3月11日がやってきた。
 昨年のこの日は金曜日だった。3月半ばというのに寒い日だった。
 いつものように自席で仕事をしていた午後、これまで経験したことのないほどの突然の大きな揺れ。昨日のことのようにありありと覚えている。隣の女性が叫んだこと、揺れが酷く机の下に潜ることも出来ず、椅子につかまって中腰のまま揺れが収まるのを待ったこと。隣の作業室で書棚が音を立てて倒れたこと・・・。

 携帯は通じず、仕事に行っている夫や、友人達と遊びに出かけている息子、実家の両親、義妹宅に一人でいるはずの義母との連絡もなかなかつかなかった。都内の交通はほぼ全面ストップ。夫は職場で足止め、息子もTDLで1泊することになった。私だけがいつものように歩いて帰宅。とりあえず倒れたり落ちたりしていたものを片付けながら、“衝撃”という言葉では表しようのないテレビの映像の前に呆然として釘づけになった。不安に苛まれつつ、息子や夫、友人、知人にメール連絡を続けながら殆ど一睡も出来なかったように記憶している。

 あれから1年。どれだけ多くの方たちが3月10日以前に時計の針を戻してほしい、と思っておられることか。今朝の新聞を見ても胸が苦しくなる記事が並んでいる。
 それから随分長いこと、気持ちが落ち着かなかった。何を見ても何を考えても、すぐに涙が出てくるし、私なんぞがこんなにお金のかかる治療を続けて生きていても良いのだろうか、そんなことを思った。
 計画停電、節電・・・これまで当たり前だと思っていたことが決して当たり前でない、ということに今更のように気づけた1年だった。

 そして1年。おかげさまで今も治療が奏功し、まだこれまでどおりの生活=週4日の勤務、週1回の通院=を続けることが出来ている。そう、“生きている”のではなく“生かして頂いている”という思いだ。
 されば、これからも節電を続けること、被災地の方たちに想いを致して謙虚な気持ちを忘れずに生きることなど、私が出来ることはまさにほんのこれっぽっちのものかもしれないけれど、細く長く続けていきたい、と思う。

 14時46分。黙祷。

 被災地にお住まいの方で、ご縁あってこのブログをお読み頂いている方たちへ、
 言葉に尽くせぬ1年を送られたことと思います。大切な方を喪った方もいらっしゃるのでしょうか。本当に大変な日々を送っておられることと思います。
 同じように再発乳がん治療を続けておられる方もいらっしゃるのでしょうか。どうか、生かされているこの命を大切に、細く長くしぶとく、そして決してこの日を忘れずに、これからも一緒に病とともに生きていけたらと思っています。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

コメント
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