連休2日目の文化の日。かつて、文化の日といえば晴れの特異日だったように思うが、あいにくの曇天で、お天気がはっきりしない。
明日、夫の郷里にある菩提寺で、義母の三十五日法要と納骨を執り行うために、夫と2人で、ここ庄内の地へやってきた。
息子も連れて来たいのはやまやまだったが、週明けに高校生活最後の校内実力テストを控え、今回はちょっと厳しい、と自分から言ってきた。
過保護ながら一人で置いておくのも心配なので、実家で一泊させてもらうことにした。
朝、最寄駅からリムジンバスに揺れること2時間、心配した渋滞に巻き込まれることもなく、予定時間より早く羽田空港に到着した。車内で読書をしたらちょっと気分が悪くなり、途中で諦める。チェックイン後、ラウンジでほっと一息つき、定刻通りに飛行機が飛び立った。飛行機に乗るのは昨夏のベトナム旅行以来のことだ。
義母が郷里の家を引き払って義妹宅に身を寄せてから、早いもので10数年。思えば私がこの地を訪れたのもそれ以来だ。
到着するとあいにくの雨模様。気温は思ったより高く、厚着をしてきたので、ちょっと汗ばむほど。リムジンバスに乗り込み、少し走り出せば一面の庄内平野が目の前に広がる。田んぼには数えきれないほど沢山の白鳥の姿。夫ですら鷺と見間違え、乗り合わせた地元の方に教えて頂いて、驚く。
駅前のホテルにちょっと早目にチェックイン。義妹一家が車で到着したのと奇しくも同時になった。
駅前のショッピングセンターにシャッターが降りていたのにはびっくりする。遅い昼食を摂り、夫は駅で写真を撮っている。「どこか行きたいところはある?」と訊かれ、やはり義母が住んでいた家に行ってみたい、と応ずる。
タクシーで、義母がかつて住んでいた実家近くの神社まで移動する。四半世紀前、初めて訪れた時もこの神社の入り口で下してもらったのだった。境内は時間が止まっているようで全く変わっていない。そこから義母の住んでいた家まで路地を歩くこと5分ほど。今では別の方が住んでおられるが、少し雰囲気が、変わっていた。
まだあの扉から義母が元気に出て来そうな感じがする。夫とすれば、大学入学以来、帰郷すれば必ずそうして迎えてくれた母が永久に旅立ったということは、いよいよ自分の故郷と呼べるものがなくなったような、私よりももっと複雑な気持ちなのかもしれない。
ぶらぶらと近所を散策しながら、夫が生まれた家があった場所を見せてもらう。今は病院の駐車場となっている。街自体の雰囲気は変わらないが、日曜日のせいか、とにかく人出が少ない。
日が差してきて、ふと見上げると虹が出ていた。先日の通夜の日にも、途中、川を渡った時に虹が出ていたことを思い出し、義母がここに来ているのではないか、と思う。
城下町のコンパクトな見どころは、少し歩けば網羅できるほど。途中、同じく散策している義妹一家に行き会う。お天気が安定しない。ぽつぽつと雨が降り出したところで、擬似西洋建築の博物館で雨宿りがてら見学。再びタクシーで駅前まで戻り、お土産やお使い物を手配してホテルに戻ってきた。
思えば、夫と2人、息子を置いて宿泊というのは初めてのことだ。夜には、知る人ぞ知るという完全予約制の隠れ家フレンチレストランを予約してみた。シェフと奥様の2人で切り盛りする住宅街の一軒家、ネット情報によると、フレンチとしては県内随一ではないかという評判のお店だ。お忍びで有名人の姿もしばしば、とあったが、今日は東京から来たと思しき4人家族と、私たち夫婦の2組だけだ。
途中、携帯電池切れで消息を絶った(?)息子から、無事に実家に到着したという連絡も入り、ほっとする。お任せフルコースは地元の海の幸、山の幸をこれでもかとふんだんに使った贅沢なお料理。どれもこれも目を見張るほどだったが、ボリューム満点過ぎて、いつもは別腹のはずのデザートが入らない。得意の粘りで時間をかけてみたけれど、結局ダウン。このままでは申し訳ない、とお持ち帰りにして頂いた。あまりにお腹がいっぱいで、夫も私も寡黙になってしまう。帰りはお腹ごなしのため、土砂降りの雨の中ホテルまで15分かけて歩いた。
明日、法事を済ませたら、再び飛行機で帰京する。
明日、夫の郷里にある菩提寺で、義母の三十五日法要と納骨を執り行うために、夫と2人で、ここ庄内の地へやってきた。
息子も連れて来たいのはやまやまだったが、週明けに高校生活最後の校内実力テストを控え、今回はちょっと厳しい、と自分から言ってきた。
過保護ながら一人で置いておくのも心配なので、実家で一泊させてもらうことにした。
朝、最寄駅からリムジンバスに揺れること2時間、心配した渋滞に巻き込まれることもなく、予定時間より早く羽田空港に到着した。車内で読書をしたらちょっと気分が悪くなり、途中で諦める。チェックイン後、ラウンジでほっと一息つき、定刻通りに飛行機が飛び立った。飛行機に乗るのは昨夏のベトナム旅行以来のことだ。
義母が郷里の家を引き払って義妹宅に身を寄せてから、早いもので10数年。思えば私がこの地を訪れたのもそれ以来だ。
到着するとあいにくの雨模様。気温は思ったより高く、厚着をしてきたので、ちょっと汗ばむほど。リムジンバスに乗り込み、少し走り出せば一面の庄内平野が目の前に広がる。田んぼには数えきれないほど沢山の白鳥の姿。夫ですら鷺と見間違え、乗り合わせた地元の方に教えて頂いて、驚く。
駅前のホテルにちょっと早目にチェックイン。義妹一家が車で到着したのと奇しくも同時になった。
駅前のショッピングセンターにシャッターが降りていたのにはびっくりする。遅い昼食を摂り、夫は駅で写真を撮っている。「どこか行きたいところはある?」と訊かれ、やはり義母が住んでいた家に行ってみたい、と応ずる。
タクシーで、義母がかつて住んでいた実家近くの神社まで移動する。四半世紀前、初めて訪れた時もこの神社の入り口で下してもらったのだった。境内は時間が止まっているようで全く変わっていない。そこから義母の住んでいた家まで路地を歩くこと5分ほど。今では別の方が住んでおられるが、少し雰囲気が、変わっていた。
まだあの扉から義母が元気に出て来そうな感じがする。夫とすれば、大学入学以来、帰郷すれば必ずそうして迎えてくれた母が永久に旅立ったということは、いよいよ自分の故郷と呼べるものがなくなったような、私よりももっと複雑な気持ちなのかもしれない。
ぶらぶらと近所を散策しながら、夫が生まれた家があった場所を見せてもらう。今は病院の駐車場となっている。街自体の雰囲気は変わらないが、日曜日のせいか、とにかく人出が少ない。
日が差してきて、ふと見上げると虹が出ていた。先日の通夜の日にも、途中、川を渡った時に虹が出ていたことを思い出し、義母がここに来ているのではないか、と思う。
城下町のコンパクトな見どころは、少し歩けば網羅できるほど。途中、同じく散策している義妹一家に行き会う。お天気が安定しない。ぽつぽつと雨が降り出したところで、擬似西洋建築の博物館で雨宿りがてら見学。再びタクシーで駅前まで戻り、お土産やお使い物を手配してホテルに戻ってきた。
思えば、夫と2人、息子を置いて宿泊というのは初めてのことだ。夜には、知る人ぞ知るという完全予約制の隠れ家フレンチレストランを予約してみた。シェフと奥様の2人で切り盛りする住宅街の一軒家、ネット情報によると、フレンチとしては県内随一ではないかという評判のお店だ。お忍びで有名人の姿もしばしば、とあったが、今日は東京から来たと思しき4人家族と、私たち夫婦の2組だけだ。
途中、携帯電池切れで消息を絶った(?)息子から、無事に実家に到着したという連絡も入り、ほっとする。お任せフルコースは地元の海の幸、山の幸をこれでもかとふんだんに使った贅沢なお料理。どれもこれも目を見張るほどだったが、ボリューム満点過ぎて、いつもは別腹のはずのデザートが入らない。得意の粘りで時間をかけてみたけれど、結局ダウン。このままでは申し訳ない、とお持ち帰りにして頂いた。あまりにお腹がいっぱいで、夫も私も寡黙になってしまう。帰りはお腹ごなしのため、土砂降りの雨の中ホテルまで15分かけて歩いた。
明日、法事を済ませたら、再び飛行機で帰京する。