ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.3.18 本日も暖か、父の通院付添いでグッタリ

2016-03-18 20:48:39 | 日記
 ようやく金曜日。昨日に引き続き予想気温20度という予報だ。夫を送り出した後、ほどなくして家を出た。
 今日は介護休暇を頂いて、父の通院付添いである。昨夜母に電話して待ち合わせ時間を確認した。診察前にCT検査等が入っているから30分前には到着しないといけないのに、介護タクシーを診察時間ジャストに予約していた。ノンビリ屋さんというかなんというか、やはり確認は大切である。
 
 電車を乗り継ぎ、予定より10分ほど前にクリニックのエントランスに到着。2人の姿が見えないので携帯をかけても、出ない。出たり入ったりしているとロビーの柱の陰に座っている母の姿が見えた。タクシーが順調で、私より10分前に到着し、殆ど待たずにCT検査室に入れたという。
 携帯をかけても出てくれないのでは、携帯を持ってもらった意味がない。本当に困ったものである。

 暫く待っていると、車椅子を押されて父が検査室から出てきた。「初めての大きな機械に入って、凄かった」と興奮して話をしている。今日は私のことがすぐに分かったようで、「おはよう、お疲れ様」と言うと、「おお、ご苦労」という言葉。なんだかなあ・・・である。

 診察室の前で待つように言われ、ほどなくして、受付番号が呼ばれ、MMSEテストに向かう。こちらも本人一人で、看護師さんが車椅子を押してくださり、私達はそのまま待合で待つように言われる。
 母いわく、今日は結構しっかりしている、とのこと。母の方がなんだかお疲れ気味である。相変わらずお手洗が1回で済まず、トイレを出たり入ったりしているらしい。
 ほどなくして検査が終了し、父が出てきた。「知能テストみたいなのだった、良く出来た」「8割くらい出来た、いや、9割だ」と自信満々である。母とちょっと顔を見合わせて苦笑い。

 予約時間ほぼぴったりに診察室に入る。私が荷物を持ち、母が車椅子を押し、3人で入ると診察室は身動きがとれないほど一杯だ。
 既にライトボックスにCTの画像が並んでいる。前回1月末の異変直後のものは左後頭葉にしっかり出血した像が映っているが、今回は画像上出血痕はどこにもない。先生も驚かれた様子で、「少しは残っているかと思ったら、いやあ、消えていますね」とのこと。

 次回撮影したら痕が少しは残っているだろうが、今はちょうど、吸収される過渡期にあたっているのでは目立たなくなっているのではないかということだ。視野はどうですか、との問いに母が、もうちゃんと見えているようです、と応える。本人は外面がいいのと自分で安心したいのか、「大丈夫です、良くなっています」と繰り返している。

 父が受けたMMSE(Mini Mental State Examination)検査は、認知症の疑いがある被験者に対して行われる、主に記憶力、計算力、言語力、見当識(現在の日時や日付、自分がどこにいるかなどを正しく認識しているか)を測定するためのテストで、30点満点だ。
 ①今年は何年ですかなど日時等に関する見当識、②ここはどこですかなど場所に関する見当識、③無関係の3つの言葉の記銘(猫、桜、電車など)、④計算問題(100-7、そこからまた-7を5回繰り返す)、⑤3つの言葉の遅延再生(先ほどの3つの言葉を想起させる)、⑥時計を見せながらはこれは何ですかなどの物品呼称、⑦これから言う文章を繰り返してくださいという文章の復唱、⑧これから私の言うとおりにしてください、~してください、次に~してください、最後に~してください、と口頭による3段階命令、⑨この文章を読んでその通りにしてくださいという書字理解・指示、⑩何か文章を書いてくださいという自発書字、⑪図形を見せて同じ図を書かせる図形描写、計11問の設問から成る。

 今日の父の結果は25点ということだから、本人の8割、いや、9割かという自己申告はまんざら間違いでもなかった。先生が仰るには24点以上は正常で、87歳という年齢から考えれば良い結果だそうだ。
 ということで、とりあえず1月末の脳出血前の様子に戻ったということらしい。恐るべし、父の回復力である。

 ただそれ以前にも感情の起伏が激しく激高したりすることもあったし、同じことを何度も繰り返すことも多々あったので、若干認知症の傾向があるかもしれないという。薬の副作用もなさそうなので、では2か月また飲みましょうということになった。

 次回6週間後か8週間後ということだったが、6週間後は私自身がCT検査が入っているので、8週間後にして頂いた。検査なしで診察のみ予約。年度が変わり5月になるので、まあ仕方ないだろう。

 父本人はとぼけたふりをしながらしっかり先生の説明を聞いており、「年齢にしてはいい結果なんだ」と繰り返している。最後には「先生、握手してください」と言い出す始末。なんだか芝居じみていているなあと思ってしまう意地悪な娘である。先生に御礼を言って診察室を後にする。

 会計を済ませ、薬局に薬を取りに行っている間、両親だけでクリニックのロビーで待っていてもらい、私が一人で身軽に動きまわる。ようやく受け取って戻ると、父は「もう帰りたい」を繰り返す。母に頼まれたものを渡したり説明したりもしたかったので、お茶でも飲んで一服したい、と思ったのだが、駄々っ子同然で「もう帰りたい」ばかりである。
 仕方なく、クリニックのロビーで立ったままあれやこれやを渡したり精算したり、介護タクシーを呼んだり、慌てて2人の飲み物を買いに行ったり。

 介護タクシーのドライバーさんが来てくれて、「なるべく車椅子には頼らず杖をついて歩いた方がいいですよ」と言ってくださるが、全然聞く耳持たずである。選択性難聴なのか都合の悪いことは聞こえない様子である。
 結局、父がいると母とゆっくり話すことも出来ない。母はげんなりという感じ。まあ、父がデイサービスに行って不在の時に、また別途、と思う。
 2人が介護タクシーに乗り込むのを見送って、とりあえず本日はお役御免となった。

 気を張ってあれこれ動き回ったら、やはりどっと疲れてしまった。来月には母の付き添いやら夫の入院・手術やらも控えており、まだまだヘタってはいられない、と思う週末である。
 
コメント
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