前回は白血球と好中球が足りずにカドサイラ(T-DM1)の投与が出来ずじまい。3週間の休薬明け、今月初の通院日である。
今日は夫も通院ということで、たっぷり2回分の洗濯を干した後、2人で一緒に家を出た。夫は上り、私は下りホームで電車を待つ。最寄駅でも乗り換え駅でも、電車は順調。
乗換駅で始発電車に乗り込み、今日の1冊目は乃南アサさんの短編傑作選「岬にて」(新潮文庫)。ブルーライトカット眼鏡やシールのお蔭か、あるいはパタノール点眼薬のお蔭か、目の痛みが緩和され、涙目もなくなり、読書が快適になった。
乃南さんの作品は長編も大好きなのだが、短編も実に上手い。本書には14の短編が掲載されているが、帯にある「サスペンスの名手のベスト・オブ・ベスト」は言い得て妙。もう最初の作品からのめり込み、あっという間に病院最寄駅に到着。
昨日は久しぶりに青空だったが、今日はまた雲の多いはっきりしないお天気。風もあり、またしても寒さが身に沁みる。自動再来受付機でも採血受付でも殆ど待たずにスムーズ。採血は待ち人数10数人で、10分ほどで終了した。今日は女性の検査技師Sさん。4本の採血で、刺針も抜針もイマイチ。
コートやストールをエコバックに詰め、止血しながら腫瘍内科受付へ移動。月初めの保険証チェックを終え、席を確保してから読書再開。狂気に走る母、嫉妬に狂う妻、初恋の人を想う女性など、狂気あり、追慕あり、復讐はたまた嫉妬ありと女性心理描写の際立つ巧さにはいつもながら唸らされる。いや、どれもこれも文句なく面白い。
そこへ今は遊軍の針刺名人のOさんがみえて、声を掛けられる。何か良からぬことがあったかとビックリする。「申し訳ないことに前回ランマーク注射の請求が漏れていたので、今日併せてお願いします」とのこと。私も薬局で気付いたけれど、今日にも請求があると思い、戻ってお支払いせずに失礼しましたと応じる。
1時間ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出る。読書に夢中で血圧測定は今日も後回し。99-58、脈拍は73。まあ、このくらいが血圧低めの私の至適数値かなと思う。
中待合で30分ほど待つと、先生がお顔を出された。私の挨拶の声を聞くなり「あれ、風邪ですか。」と問われ、「そうなのです・・・」とお答えすると「風邪だと思っているとインフルかもしれませんよ、僕が先週B型でした」と仰る。しっかり予防注射をされていたので軽く済んだそうだが、去年と同様今年も沢山の方が罹っているようだ。
そして、3週間のご報告。「サインバルタの離脱症状が酷く、ちょうど3週間前の通院日に診察室を出るあたりからふらついていましたが、その後眩暈と耳鳴りとふらつきにかなり悩まされました。ネットでいわゆるシャンビリだと判ったので、様子を見、2週間を過ぎたところでようやく収まってきましたが、まいりました。脳転移かもとも思いましたが、とりあえず落ち着いたので大丈夫でしょうか。」と言うと、「そうでしたか、症状がだんだん酷くなるとか長く続いているということでなく、改善されていれば頭は心配しなくてよいでしょう」とのこと。
「そんなわけで休薬中であったのに、サインバルタの離脱症状と風邪引きでイマイチの体調でした。寒い日が続いたので胸痛もあり、頓服でロキソニンのお世話になりました。」と追加報告。「それでも痺れや痛みは酷くなっていないと思います。目も落ち着いており、あの突き刺すような痛みや涙目は軽減しています。目薬のお蔭なのかブルーライトカットのお蔭なのか・・・前回のアレルギーチェック結果はどうでしたか」と問うと、スギ、ヒノキ、ハウスダスト全て(-)とのこと。
「こうした検査結果には出ない時もあるし、抗アレルギー目薬で軽減しているということなら、やはり何かアレルギーかもしれない」と仰る。うーん、何のアレルギーなのだろう。
そして、PCの画面を見ると、腫瘍マーカーのグラフが出ている。赤い線が若干下がっている。1割ほどだが、相変わらず上限値を超えてはいるものの、嬉しい。採血結果では白血球は4,500、好中球も40%なので1,800。今日は治療再開出来ますね、とのこと。
とりあえず治療が続けられるということでほっとする。次回3週間後はレントゲンなしで採血・ランマーク注射とカドサイラ(T-DM1) 19回目の予約が入った。そして、11月以来撮影していない造影CTの予約を来月2回目の治療の前週に入れて頂く。この結果も踏まえて治療変更するのかどうかと判断することになる。
診察室での検温は6度5分。3週間分の2種類の漢方、デノタスチュアブル、ロキソニン、パタノール点眼薬、ヒルドイドローションを処方して頂き、ご挨拶をして診察室を後にした。
化学療法室へ移動し、夫やお友達に報告LINEやメール。夫とはお互い病院からのLINEで、うーん、これはもう老境の夫婦だね、と言い合う。針刺名人OさんがCTの予約表を持ってきてくださる。
15分程待って、クラークの方から窓際の奥のリクライニング椅子に案内された。陽射しがあれば温室のようなこの席も、今日はどんより曇っているので残念。体勢を整えてポートの針刺しを待っていると、認定看護師の資格取得のために休職中だったOkさんが見えていて針刺しをしてくださる。
「お久しぶりです。復帰されたのですね、資格取得、素晴らしいですね」と声をかけると、「まだ最後の大変な試験が残っているんですが・・・」とお話くださる。あっという間にポートの針刺し。全く痛みがなく「さすがです!」と御礼。
逆血も問題なく、読書しながら薬が届くのを待っていると、男性の薬剤師さんとOさんがみえて、「大変申し訳ありませんが、薬の調合にトラブルがあって調剤し直しになったそうで、あと1時間半くらいかかるとのことです。食事に出られますか」とのこと。うーん、終わってからだと殆ど夕方近いランチになるか、とは思ったが既に針刺をしているし本も読みたかったので、大丈夫です、このまま待ちますとお答えする。そんなトラブルもあるのだな、と思う。記憶にある限り8年以上お世話になっていて初めてだと思う。廃棄にするとなると数十万円、大変な損害である。
そんなわけで、今日は順調と思ったのだが、結局ここで1時間以上読書タイムが追加。途中で眠くなってちょっとウトウト。薬が届いてから、最初に生食でチューブを満たし、1時間ほどで140mgに減量したカドサイラ(T-DM1)の8回目の投与。最後は生食を15分で流す。
2週間ほど前から、最後にもう一度生食でポートを洗浄することになったとのことで、一つ工程が増えたが、無事終了した。今日は避難訓練実施ということで途中大きなサイレンが鳴り、色々な放送が流れた。
終了後の血圧はKrさんが来られて、98―60、脈拍は62と問題なし。抜針はKbさんがみえたが、ちょうどその時息子から「京都ポケモンセンターオープン!入場制限3時間」という能天気な写真がLINEで飛んでくる。Kbさんに「ポケモン誕生と同時に生まれた20歳の息子が未だにポケモンなんですよ」と苦笑いしつつ言うと、「私は小学校1年の時にポケモンが始まったので、その気持ちわかります。私もポケモンと共に育ちました !」と仰る。
いやはや娘といっても可笑しくない方にこうしてケアして頂いているのだ、としみじみ齢を感じる。
ご挨拶して化学療法室を後にする。待合で20分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、点滴、前回の注射を3割負担。14万円弱をカードで支払う。
外に出ると陽射しがなく、肌寒い。相変わらずコートにストール、ショートブーツの出で立ちだ。薬局は5,6人の方が待っていたが、いつものように順番を抜かされやはり1時間近く待って最後に。サインバルタの離脱症状の話をして、4,000円弱をカード払いした。
今日は、診察まではスムーズだったけれど、途中調剤トラブルがあり、病院と薬局の滞在時間は合わせて6時間半。当然駅ビルのランチタイムは終わっていたけれど、薬も飲まなければならないし、昼を抜くわけにもいかず、定食屋さんでしっかり食事を摂ってきた。
すっかり遅い時間になり、帰路の電車は座れないかと思ったが、幸運にも途中駅で席が確保出来、ちょっとウトウトしいながら本を読み切った。
帰宅は殆ど普段と同じ時間になった。さすがにグッタリ。地元の総合病院に行った夫は午前中で色々な検査も終わり、今後の日程も決まったとのこと。
明日は会議のハシゴ、明後日は父の病院付き添いでまた休暇を頂かなくてはならない。年度末はやはり慌ただしいものである。
今日は夫も通院ということで、たっぷり2回分の洗濯を干した後、2人で一緒に家を出た。夫は上り、私は下りホームで電車を待つ。最寄駅でも乗り換え駅でも、電車は順調。
乗換駅で始発電車に乗り込み、今日の1冊目は乃南アサさんの短編傑作選「岬にて」(新潮文庫)。ブルーライトカット眼鏡やシールのお蔭か、あるいはパタノール点眼薬のお蔭か、目の痛みが緩和され、涙目もなくなり、読書が快適になった。
乃南さんの作品は長編も大好きなのだが、短編も実に上手い。本書には14の短編が掲載されているが、帯にある「サスペンスの名手のベスト・オブ・ベスト」は言い得て妙。もう最初の作品からのめり込み、あっという間に病院最寄駅に到着。
昨日は久しぶりに青空だったが、今日はまた雲の多いはっきりしないお天気。風もあり、またしても寒さが身に沁みる。自動再来受付機でも採血受付でも殆ど待たずにスムーズ。採血は待ち人数10数人で、10分ほどで終了した。今日は女性の検査技師Sさん。4本の採血で、刺針も抜針もイマイチ。
コートやストールをエコバックに詰め、止血しながら腫瘍内科受付へ移動。月初めの保険証チェックを終え、席を確保してから読書再開。狂気に走る母、嫉妬に狂う妻、初恋の人を想う女性など、狂気あり、追慕あり、復讐はたまた嫉妬ありと女性心理描写の際立つ巧さにはいつもながら唸らされる。いや、どれもこれも文句なく面白い。
そこへ今は遊軍の針刺名人のOさんがみえて、声を掛けられる。何か良からぬことがあったかとビックリする。「申し訳ないことに前回ランマーク注射の請求が漏れていたので、今日併せてお願いします」とのこと。私も薬局で気付いたけれど、今日にも請求があると思い、戻ってお支払いせずに失礼しましたと応じる。
1時間ほど待って、“中待合へどうぞ”の番号が電子掲示板に出る。読書に夢中で血圧測定は今日も後回し。99-58、脈拍は73。まあ、このくらいが血圧低めの私の至適数値かなと思う。
中待合で30分ほど待つと、先生がお顔を出された。私の挨拶の声を聞くなり「あれ、風邪ですか。」と問われ、「そうなのです・・・」とお答えすると「風邪だと思っているとインフルかもしれませんよ、僕が先週B型でした」と仰る。しっかり予防注射をされていたので軽く済んだそうだが、去年と同様今年も沢山の方が罹っているようだ。
そして、3週間のご報告。「サインバルタの離脱症状が酷く、ちょうど3週間前の通院日に診察室を出るあたりからふらついていましたが、その後眩暈と耳鳴りとふらつきにかなり悩まされました。ネットでいわゆるシャンビリだと判ったので、様子を見、2週間を過ぎたところでようやく収まってきましたが、まいりました。脳転移かもとも思いましたが、とりあえず落ち着いたので大丈夫でしょうか。」と言うと、「そうでしたか、症状がだんだん酷くなるとか長く続いているということでなく、改善されていれば頭は心配しなくてよいでしょう」とのこと。
「そんなわけで休薬中であったのに、サインバルタの離脱症状と風邪引きでイマイチの体調でした。寒い日が続いたので胸痛もあり、頓服でロキソニンのお世話になりました。」と追加報告。「それでも痺れや痛みは酷くなっていないと思います。目も落ち着いており、あの突き刺すような痛みや涙目は軽減しています。目薬のお蔭なのかブルーライトカットのお蔭なのか・・・前回のアレルギーチェック結果はどうでしたか」と問うと、スギ、ヒノキ、ハウスダスト全て(-)とのこと。
「こうした検査結果には出ない時もあるし、抗アレルギー目薬で軽減しているということなら、やはり何かアレルギーかもしれない」と仰る。うーん、何のアレルギーなのだろう。
そして、PCの画面を見ると、腫瘍マーカーのグラフが出ている。赤い線が若干下がっている。1割ほどだが、相変わらず上限値を超えてはいるものの、嬉しい。採血結果では白血球は4,500、好中球も40%なので1,800。今日は治療再開出来ますね、とのこと。
とりあえず治療が続けられるということでほっとする。次回3週間後はレントゲンなしで採血・ランマーク注射とカドサイラ(T-DM1) 19回目の予約が入った。そして、11月以来撮影していない造影CTの予約を来月2回目の治療の前週に入れて頂く。この結果も踏まえて治療変更するのかどうかと判断することになる。
診察室での検温は6度5分。3週間分の2種類の漢方、デノタスチュアブル、ロキソニン、パタノール点眼薬、ヒルドイドローションを処方して頂き、ご挨拶をして診察室を後にした。
化学療法室へ移動し、夫やお友達に報告LINEやメール。夫とはお互い病院からのLINEで、うーん、これはもう老境の夫婦だね、と言い合う。針刺名人OさんがCTの予約表を持ってきてくださる。
15分程待って、クラークの方から窓際の奥のリクライニング椅子に案内された。陽射しがあれば温室のようなこの席も、今日はどんより曇っているので残念。体勢を整えてポートの針刺しを待っていると、認定看護師の資格取得のために休職中だったOkさんが見えていて針刺しをしてくださる。
「お久しぶりです。復帰されたのですね、資格取得、素晴らしいですね」と声をかけると、「まだ最後の大変な試験が残っているんですが・・・」とお話くださる。あっという間にポートの針刺し。全く痛みがなく「さすがです!」と御礼。
逆血も問題なく、読書しながら薬が届くのを待っていると、男性の薬剤師さんとOさんがみえて、「大変申し訳ありませんが、薬の調合にトラブルがあって調剤し直しになったそうで、あと1時間半くらいかかるとのことです。食事に出られますか」とのこと。うーん、終わってからだと殆ど夕方近いランチになるか、とは思ったが既に針刺をしているし本も読みたかったので、大丈夫です、このまま待ちますとお答えする。そんなトラブルもあるのだな、と思う。記憶にある限り8年以上お世話になっていて初めてだと思う。廃棄にするとなると数十万円、大変な損害である。
そんなわけで、今日は順調と思ったのだが、結局ここで1時間以上読書タイムが追加。途中で眠くなってちょっとウトウト。薬が届いてから、最初に生食でチューブを満たし、1時間ほどで140mgに減量したカドサイラ(T-DM1)の8回目の投与。最後は生食を15分で流す。
2週間ほど前から、最後にもう一度生食でポートを洗浄することになったとのことで、一つ工程が増えたが、無事終了した。今日は避難訓練実施ということで途中大きなサイレンが鳴り、色々な放送が流れた。
終了後の血圧はKrさんが来られて、98―60、脈拍は62と問題なし。抜針はKbさんがみえたが、ちょうどその時息子から「京都ポケモンセンターオープン!入場制限3時間」という能天気な写真がLINEで飛んでくる。Kbさんに「ポケモン誕生と同時に生まれた20歳の息子が未だにポケモンなんですよ」と苦笑いしつつ言うと、「私は小学校1年の時にポケモンが始まったので、その気持ちわかります。私もポケモンと共に育ちました !」と仰る。
いやはや娘といっても可笑しくない方にこうしてケアして頂いているのだ、としみじみ齢を感じる。
ご挨拶して化学療法室を後にする。待合で20分ほど会計を待つ。自動支払機へ移動して、採血、点滴、前回の注射を3割負担。14万円弱をカードで支払う。
外に出ると陽射しがなく、肌寒い。相変わらずコートにストール、ショートブーツの出で立ちだ。薬局は5,6人の方が待っていたが、いつものように順番を抜かされやはり1時間近く待って最後に。サインバルタの離脱症状の話をして、4,000円弱をカード払いした。
今日は、診察まではスムーズだったけれど、途中調剤トラブルがあり、病院と薬局の滞在時間は合わせて6時間半。当然駅ビルのランチタイムは終わっていたけれど、薬も飲まなければならないし、昼を抜くわけにもいかず、定食屋さんでしっかり食事を摂ってきた。
すっかり遅い時間になり、帰路の電車は座れないかと思ったが、幸運にも途中駅で席が確保出来、ちょっとウトウトしいながら本を読み切った。
帰宅は殆ど普段と同じ時間になった。さすがにグッタリ。地元の総合病院に行った夫は午前中で色々な検査も終わり、今後の日程も決まったとのこと。
明日は会議のハシゴ、明後日は父の病院付き添いでまた休暇を頂かなくてはならない。年度末はやはり慌ただしいものである。