2年前に息子が巣立ち、夫と2人になった我が家では食費が以前ほどかからなくなったな、と感じたのだが、それはほんの僅かの間だけだった。もちろん、息子の寮には朝夕の食費を支払っているし、昼は生協のミールカードを定期的に補充しているので、総額は減ったどころではない。生協で注文する食材が、3人分が2人分になったという見かけ上のものだ。
我が家はずっと共働き。帰宅後に空きっ腹を抱えた息子を目前にして夕食の支度をするとなれば、調理に手をかけないと食べられない食材(そのまま食べることが出来る食材に比べて、大抵こうした食材の方が安価である。)はどうしても選び難い。
加えて、昼は夫も私もそれぞれが外食だし、夜もちょっと疲れれば体調優先ですぐに外食に流れる。ということで昔からエンゲル係数は高かった。
その食費が一向に減らない、いやむしろ増えている。これは消費税が8%になったせいもあるのかもしれない、と思っていたけれど、下記の記事を読むにつけ、やはり食べ物の値上げがその原因の一つとなっているのは紛れもない事実のようだ。スーパーのチラシや生協の注文書の値段も間違いなく上がっている。エンゲル係数が上がったように感じていたのは気のせいではなかったのだ、と遅ればせながら気がついた。
※ ※ ※(転載開始)
エンゲル係数 急上昇 食品値上げ 賃金追いつかず (2016.5.15 東京新聞)
家計の支出に占める食費の割合を示し、高くなるほど生活は苦しいと言われる「エンゲル係数」が日本で急上昇している。安倍政権の経済政策・アベノミクスが始まった2012年末以降、円安や消費税増税を背景に食品が値上がりしたのに、賃上げが追いつかないためだ。戦後長らく「生活水準」の指標とされたエンゲル係数が、いま再び注目を集める時代になるのか。 (白山泉)
■31年ぶり
昭和の風情を残す東京都葛飾区のアーケード街、立石(たていし)仲見世。総菜店で買い物する主婦(81)は「食品の値段がどんどん上がって生活は苦しいけど、料理が大変だから総菜は買うし、老人会で行く外食も減らせない。家計の中の食費の割合(エンゲル係数)は半分近くというのが実感」と話した。
総務省の家計調査では、今年3月のエンゲル係数(2人以上の世帯の平均)は24.5%。3年前の21.9%から2.6ポイント上がった。
特に、所得が低い層(16年3月は年収333万円以下)は上昇幅が大きい。3年前と比べて4.2ポイント高い29,9%。毎月変動するエンゲル係数が3月に30%に迫ったのは1985年以来で31年ぶりだ。
■円安一因
新日本スーパーマーケット協会(東京)によると、食品の価格は13年半ばから目立って上がり始めた。一方で、物価の伸びを超えて賃金が本当に上がったかを示す「実質賃金指数」は15年は前年比0.9%減で4年連続で下がった。収入が伸びない中で食品が値上がりし、エンゲル係数が高くなった実態が浮かぶ。
食料品の値上げは12年末から進んだ円安で食料の原料や輸入商品が値上がりしたためだ。14年4月に消費税率を8%へと引き上げた増税が追い打ちをかけた。1997年4月に消費税率を5%に上げた際はエンゲル係数に大きな変化はなく、まだ家計にはゆとりがあった可能性がある。現在の状況を、みずほ証券の末広徹氏は「低所得者は食費の上昇を賄うために、他の支出を切り詰めており格差も広がっている」とみる。
■理由多様
エンゲル係数は所得の高い人でも上がっているが、理由はやや異なる。岐阜大の大藪千穂教授(家庭経済学)は「富裕層は良いレストランでぜいたくな消費をする。安全な食品にはお金をかけたい中間所得層も多い」と指摘する。
東京都武蔵野市の主婦佐藤茜さん(42)=仮名=は会社員の夫と小学生、幼稚園児の息子と4人暮らし。その家計簿によると、今年3月の食費は3年前の3月より3割以上も増え、エンゲル係数は18.9%から20.8%に。「服などの支出を極力減らすようになった」と話す。
アベノミクスは金融緩和で円安・株高を誘導したが恩恵は行き渡っていない。NPO法人、日本家計アドバイザー協会(東京)の宮永裕美代表理事は「今後は所得が少ない高齢者世帯が増える可能性が高い。さらに物価が上がれば生活は苦しくなる」と指摘。年金生活になり、出費を減らしたくても食費はかかるため、エンゲル係数はさらに上がる可能性がある。
<エンゲル係数> 家計支出に占める食費の割合を指す。ドイツの統計学者エルンスト・エンゲルが労働者世帯の家計簿を分析し、所得が少ない世帯ほど家計の消費支出に占める食費の割合が高くなる傾向を示した論文を1857年に発表。これが生活水準を示す「エンゲルの法則」として広がった。日本では総務省が毎月発表している。
(転載終了)※ ※ ※
そうはいっても、生きていく上で食べないわけにはいかないし、食べる楽しみは外せない大きな楽しみの一つ。お給料が頭打ちの中、出て行く方は増えるばかり・・・では生活は立ち行かない。ちょっと身を入れて家計を考えなくては・・・。なかなか悩ましいことである。
我が家はずっと共働き。帰宅後に空きっ腹を抱えた息子を目前にして夕食の支度をするとなれば、調理に手をかけないと食べられない食材(そのまま食べることが出来る食材に比べて、大抵こうした食材の方が安価である。)はどうしても選び難い。
加えて、昼は夫も私もそれぞれが外食だし、夜もちょっと疲れれば体調優先ですぐに外食に流れる。ということで昔からエンゲル係数は高かった。
その食費が一向に減らない、いやむしろ増えている。これは消費税が8%になったせいもあるのかもしれない、と思っていたけれど、下記の記事を読むにつけ、やはり食べ物の値上げがその原因の一つとなっているのは紛れもない事実のようだ。スーパーのチラシや生協の注文書の値段も間違いなく上がっている。エンゲル係数が上がったように感じていたのは気のせいではなかったのだ、と遅ればせながら気がついた。
※ ※ ※(転載開始)
エンゲル係数 急上昇 食品値上げ 賃金追いつかず (2016.5.15 東京新聞)
家計の支出に占める食費の割合を示し、高くなるほど生活は苦しいと言われる「エンゲル係数」が日本で急上昇している。安倍政権の経済政策・アベノミクスが始まった2012年末以降、円安や消費税増税を背景に食品が値上がりしたのに、賃上げが追いつかないためだ。戦後長らく「生活水準」の指標とされたエンゲル係数が、いま再び注目を集める時代になるのか。 (白山泉)
■31年ぶり
昭和の風情を残す東京都葛飾区のアーケード街、立石(たていし)仲見世。総菜店で買い物する主婦(81)は「食品の値段がどんどん上がって生活は苦しいけど、料理が大変だから総菜は買うし、老人会で行く外食も減らせない。家計の中の食費の割合(エンゲル係数)は半分近くというのが実感」と話した。
総務省の家計調査では、今年3月のエンゲル係数(2人以上の世帯の平均)は24.5%。3年前の21.9%から2.6ポイント上がった。
特に、所得が低い層(16年3月は年収333万円以下)は上昇幅が大きい。3年前と比べて4.2ポイント高い29,9%。毎月変動するエンゲル係数が3月に30%に迫ったのは1985年以来で31年ぶりだ。
■円安一因
新日本スーパーマーケット協会(東京)によると、食品の価格は13年半ばから目立って上がり始めた。一方で、物価の伸びを超えて賃金が本当に上がったかを示す「実質賃金指数」は15年は前年比0.9%減で4年連続で下がった。収入が伸びない中で食品が値上がりし、エンゲル係数が高くなった実態が浮かぶ。
食料品の値上げは12年末から進んだ円安で食料の原料や輸入商品が値上がりしたためだ。14年4月に消費税率を8%へと引き上げた増税が追い打ちをかけた。1997年4月に消費税率を5%に上げた際はエンゲル係数に大きな変化はなく、まだ家計にはゆとりがあった可能性がある。現在の状況を、みずほ証券の末広徹氏は「低所得者は食費の上昇を賄うために、他の支出を切り詰めており格差も広がっている」とみる。
■理由多様
エンゲル係数は所得の高い人でも上がっているが、理由はやや異なる。岐阜大の大藪千穂教授(家庭経済学)は「富裕層は良いレストランでぜいたくな消費をする。安全な食品にはお金をかけたい中間所得層も多い」と指摘する。
東京都武蔵野市の主婦佐藤茜さん(42)=仮名=は会社員の夫と小学生、幼稚園児の息子と4人暮らし。その家計簿によると、今年3月の食費は3年前の3月より3割以上も増え、エンゲル係数は18.9%から20.8%に。「服などの支出を極力減らすようになった」と話す。
アベノミクスは金融緩和で円安・株高を誘導したが恩恵は行き渡っていない。NPO法人、日本家計アドバイザー協会(東京)の宮永裕美代表理事は「今後は所得が少ない高齢者世帯が増える可能性が高い。さらに物価が上がれば生活は苦しくなる」と指摘。年金生活になり、出費を減らしたくても食費はかかるため、エンゲル係数はさらに上がる可能性がある。
<エンゲル係数> 家計支出に占める食費の割合を指す。ドイツの統計学者エルンスト・エンゲルが労働者世帯の家計簿を分析し、所得が少ない世帯ほど家計の消費支出に占める食費の割合が高くなる傾向を示した論文を1857年に発表。これが生活水準を示す「エンゲルの法則」として広がった。日本では総務省が毎月発表している。
(転載終了)※ ※ ※
そうはいっても、生きていく上で食べないわけにはいかないし、食べる楽しみは外せない大きな楽しみの一つ。お給料が頭打ちの中、出て行く方は増えるばかり・・・では生活は立ち行かない。ちょっと身を入れて家計を考えなくては・・・。なかなか悩ましいことである。