ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.5.3 旅行3日目 あれやこれやと観光三昧、明日は無事に帰れるの?

2016-05-03 23:17:51 | 
 昨夜はさすがに草臥れ果てて、入浴後はコロリと眠った。明け方何度か息子の布団をかけ直し、目覚ましが鳴るがなかなか起きられず。ベッドで朝の連続テレビ小説を視てからようやくゆるゆると起き出す。
 夫も疲れていると見えて、いつもなら早起きなのに今朝はテレビをつけるまで眠りこけていた。当然寝坊助息子はなかなか起きない。

 朝食時間が終わってしまうということで、浴槽足湯を済ませてから急ぎレストランに向かう。和洋折衷のビュッフェでお腹一杯。
 今日も駅ナカの観光案内所でバス一日乗車券を購入後、バスに乗り込む。
 最初の目的地は日蓮宗妙立寺、人呼んで忍者寺である。ここには30数年前、友人たちとの旅行で訪れている。その時はまだ春浅く、雪もちらつく季節。オフシーズンだったから空いており、私達だけの為に案内して頂いた記憶がある。とにかく面白かったので是非行ってみようと夫と息子を誘った。

 到着すると狭い入口に人が溢れている。そして「本日午前中の予約は満席です」との貼り紙が。せっかく来たのだから、午後の予約を取ってから別の場所に・・・と受付に行くと、たまたまキャンセルが出たので20分後の受付が出来ますとのこと。ラッキーである。
 界隈をうろうろして写真を撮ったりしているうちに、あっという間に受付時間になる。30分毎に15,6人のグループが7つだから1度に100人もの受付だ。30数年前とは全く情景が異なり、実にシステマティックに案内されていて、舌を巻く。

 四階七層二十九階段の複雑な仕掛けがあちこちに施されている妙立寺は、金沢城への逃げ道と言われる伝説の井戸を中心に建立されている。本堂正面には落とし穴として利用できる仕掛け賽銭箱、隠し階段や明かり取り階段等様々なからくりが散在し、道内は迷路のようになっているため忍者寺の異称を持つが、忍者とは無縁の加賀百万石祈願所である。建立から400年近く、戦火にも合わず長年の風雪に耐えた木造建築だ。当時の技術で実に凄いものを建てたものだと思う。
 ガイドさんに連れられて堂内を1周すること小一時間。すっかり堪能して皆大満足で寺を後にした。これで拝観料1000円はとてもお値打ちだと思うがいかがだろう。

 そこからにし茶屋街へ向かう。昨日のひがし茶屋街に比べて、ややこじんまりと静かな町並みだ。休憩しながらぶらぶらしていると、以前お友達から頂いたとても美味しい甘納豆のお店を偶然見つけた。大好物の夫は迷わず購入。お昼を摂るにはまだ早いと裏道りを歩いていると、ここは室生犀星が育ったお寺、雨宝院だと、通りかかった方に教えて頂いてお参りする。立派な犀川大橋を渡り、昨夜夕食を摂った賑やかな片町方面へ向かう。

 そろそろお腹も空いてきたということで、息子の薦めで、金沢カレーの発祥地として有名なカレー屋さんを目指す。既にお昼を随分回っているのに長蛇の列。せっかくだからと30分ほど待っただろうか。カウンターと2人テーブルしかない小さなお店はフル回転。息子は1人カウンターに、私たちはテーブル席に案内される。

 私はSサイズ1日限定10食の加賀野菜カレーを、夫はMサイズのカツカレーを、息子に至ってはLサイズの(そのお皿の大きさたるや見ただけでお腹一杯・・・一体何カロリーあるのだろう。)カツ、ハンバーグ、ソーセージの3点トッピングを注文。もくもくと頑張って頂いたけれど、やはりお腹が苦しくて結局夫に助けてもらった。

 お腹ごなしに少し歩いて21世紀美術館へ。“まちに開かれた公園のような美術館”がコンセプトの丸い形の美術館は、沢山の家族連れやカップル、旅行客がピクニックのように芝生やミュージアムカフェでくつろいでいる。入場券を買おうとしたが、あまりに長い列にめげて、フリーエリアだけの鑑賞に。
 市民ギャラリーでは、加賀友禅の図案だという赤い花々が散ったロッキングチェアに揺られ、地上から見下ろせるスイミングプール(プールの底から見上げることも出来るが、それは有料イベント)や、天井中央が正方形に切り取られた空間等、趣向を凝らした現代的な展示を愉しむことが出来た。

 再びバスで香林坊まで移動。今度は長町武家屋敷跡を目指した。最高気温は29度というが、昨日に比べて陽射しがあまりなく、心地良い風が吹いており過ごしやすく、街歩きには有難いお天気。
 ここでも沢山の人たちが散策中。ちょっと歩くとすぐに疲れ、もうホテルに帰ろうよ状態になる。お茶をする場所を探すが、通りに面しているところはどこも一杯。ちょっと奥まった茶房に3人揃って入ることが出来た。

 通された和室には古い雛人形等が飾られ、お庭を見ながら縁側でお抹茶やお菓子を頂ける。6席しかないので、私たち以外はカップルとお一人様でもう満席。こちらのご主人がマリオを彷彿とさせるなんともユニークなキャラクターで、その台詞や一挙手一投足に旅の疲れが癒される感じ。

 すっかり元気を頂いて、再び歩いて閉館間際の足軽資料館を見学。通りを渡れば、昔近代洋風建築集の切手の図柄にもなった尾山神社神門が見えてくる。階段を上り、ステンドグラスが美しい門をくぐれば、二礼二拍手一礼の神社の境内だ。3人でそれぞれ手を合わせ、お参りをしてきた。前田利家公像の前で夫と息子が、隣のお松の方の坐像の前では私が、それぞれ記念写真を撮ってきた。

 というわけで本日の観光もてんこ盛りで無事終了。バスで駅に戻りお土産等を購入していると、息子が「強風のため、北陸一帯の在来線がストップして大変なことになっている」と興奮気味にやって来る。ここにいるとそれほど風もなく、不思議な感じ。

 しばしホテルで雨宿りをする形で休憩。小止みになったところで夕食を摂りに再び駅へ。既に電車は軒並み運行中止。払い戻しやら列車ホテルやらの案内が流れている。

 そのまま再びバスで香林坊まで。夫が気になっていたというパティオ風の建物内レストランを目指した。今日はお日柄が良いのか、1軒はウエディングパーティで貸切、もう1軒も半分は貸切でかなり賑やかだという。これもまた旅の良い思い出。幸せをお裾分けして頂くつもりで、半分貸切のレストランに入った。確かに大音量だったけれど、お料理もドルチェも美味しく、お店を出る時にはパーティもお開き。どうぞお幸せに、と祝福してお店を後にした。

 こうして3泊4日の旅行も余すところあと半日。明日は、私たち2人は新幹線で東京へ、息子は特急で京都へ、それぞれ帰宅の途に付く予定なのだが、駅では今日の遅い電車で帰る予定の方たちが、払い戻しの手続きやら夜明かしを余儀なくされやらでますます大変な様子。

 このまま明日も電車が動かないとなると、京都に帰る予定の息子も他人事ではなくなる。無事に帰宅することが出来るだろうか・・・心配なことである。
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