ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.5.3 憲法記念日は再び北関東へリベンジ!

2018-05-03 21:26:43 | 
 今日から2泊3日、北関東への夫婦旅。朝起きると雨降り。うーん、晴れ女の面目はいかに・・・と思っているうちに家を出る時にはすっかり雨は止み、青空が見え始めた。良かった。湿度が高く、かなりの蒸し暑さである。気圧変動についていけない感じで、やはり胸痛が気になる。

 最寄り駅から私鉄に乗り、ターミナル駅で特急電車に乗り換え。車内のおやつも買って準備完了である。車内は連休の家族連れで占められていて、ちびっこの声がそこかしこで賑やかだ。
 夫がお菓子だアイスだといっている間、私は読み始めた新書が面白くてたまらなかった。矢部万紀子さんの「朝ドラには働く女子の本音が詰まってる」(ちくま新書)。
 2007年の「ちりとてちん」から「ゲゲゲの女房」、「あまちゃん」、「カーネーション」に「あさが来た」、最新は2017年「ひよっこ」まで。ここのところどの作品も欠かさず視ているので、当時のことも含めて色々思い出すことしきり。そしてなるほどこういう見方があったか、とふんふん頷きながらテンポよく楽しんだ。いやあ、朝の連続テレビ小説、奥が深い。矢部さんの観察眼、恐るべしである。

 列車は1時間ちょっとで定刻通り目的地栃木に到着。大晦日に訪れた時は、今回乗車した特急の座席が取れずに一台早めたので、まだどの店も開いておらず寒々しくやけに閑散としていた。今回はそんな心配は必要なさそうである。

 ひとまずホテルに荷物を預けてランチを摂るレストランを探す。前回はお目当ての洋食屋さんがクローズで、今回宿泊しているホテルのレストランで頂いたけれど、これが大当たりだったというのは記事にも書いた通り。今回もそれでもいいかと思ったけれど、夫イチ押しの創業1923年の由緒正しき洋食屋さんを目指した。

 まだお昼を10分ほど回ったばかりだったが、あいにく満席。皆さん食事を始めたばかりなので1時間半くらいかかります、とのこと。空腹を訴えていた夫はそれでは、ちょっと・・・と諦めて観光へ。
 前回は小雪が舞い、寒々しく停泊していた遊覧船が今日は沢山の鯉のぼりの下で何艘も行き来している。

 小江戸情緒あふれる蔵の街を舟下りする巴波川遊覧船である。すげ笠までサービスされ、写真も撮って頂き、いざ出航。20分ほどの遊覧である。色とりどりの目に鮮やかな鯉のぼりは、3月15日に船頭さん総出で飾りつけしたそうで、 “イイ鯉”という語呂合わせで1,151匹が泳いでいるという。壮観な眺めである。あいにく午前中まで雨が降っていたということで、川の水は前回とは比べ物にならないほど濁っていて鯉が寄ってくるのもよくわからなかったけれど、餌をやるといきなり大きな口をあけて寄ってくる。船頭さんの栃木河岸船頭歌にあわせてハーアーヨイサーコラショと掛け声をかけたり、短い船旅を堪能した。

 途中で見つけた川沿いのこ洒落たレストランも混雑で1時間待ちという。ふらりと市の郷土参考館に入ってみると、公設質屋を営んでいた坂倉家の主屋と土蔵で200年前江戸時代の建物。格子のくぐり戸を併せ持つ入口、土蔵に続く珍しい造りの座敷、滑り止めのある急な傾斜の階段、鬼瓦のある重厚な屋根などが当時のままの形で残されていた。お内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子と精巧な造りの可愛らしい雛飾りもあって、とても素敵だった。

 1時間ちょっとふらふらして、諦めきれずに先ほど訪れた洋食屋さんのドアを再度開ける。ちょうど到着してから1時間半ほど経っている。今度はOKということで奥の席に案内される。アンティークなステンドグラスや蓄音機、天秤等の飾りつけがお洒落。ちょうど会食されている大人数のお客様でお忙しかったご様子。

 地元の味噌を隠し味にした前菜から始まるランチコースを堪能して、すっかり満足。帰りがけに、奥様から川から直接荷を運び入れることが出来るため入り口が通りに面してまっすぐ立っている川側の建物と、川から上がった荷物を車で運んでくるためその置き場を設けるため道路に対して斜めに建っている反対側の家屋の違いを教えて頂いたので、大通りで確認する。教えて頂かなかったらとても気づかなかったことだ。
 文豪・山本有三のお墓がある近龍寺でお参りを済ませ、1階は百貨店、2階より上は市役所の建物を覗いてびっくり。買い物をしていると2階に市長さんがいるなんて、随分粋な造りである。
 
 チェックインの時間になり、ホテルへ戻る。最上階の部屋からは街が一望できる。荷物整理してお茶をして一服。再び街へ。前回すべてクローズで不完全燃焼だった博物館等、歴史的建造物を巡る。少し雲行きが悪くなっており、遠くの空は黒い雲。念のため日傘を持参し、レインコートを着込む。

 まずは県庁堀へ。明治16年までは県庁所在地であった栃木。敷地にめぐらされた堀だけが残っているため、この名前がついたそう。沢山の鯉が生息し、市民の憩いの場として親しまれているという。
 続いてガス灯のある銀行と麻問屋 文化庁登録有形文化財に指定されている横山郷土館へ。横山家は店舗の右半分で麻問屋、左半分で個人銀行を営んだ明治の豪商だ。両袖切妻造と呼ばれる貴重な建物には当時を偲ぶせる帳場等が再現されているという。

 閉館まで10分しかないので入るのを諦めようとすると、今日はライトアップもあり、夜8時まで開館しているという。それに入場料は割引、とのこと。すっかり気をよくして入場。3年ほど前に横山家から市に寄贈されたというが、受付の女性がとても親切であれこれ丁寧に案内してくださる。問屋側では着付けのサービスもしているそう。銀行側では数字ではなくてイロハ・・・と刻まれたダイヤル式金庫やら帳簿などがあり、当時に想いをはせながら館内を散策。女性の部屋の天井に屋久杉を使ってあったり、回廊式の日本庭園も素晴らしく、赤松の枝ぶりの見事なこと。洋館風の離れ座敷もあり、和洋折衷のゲストルームには歌舞伎役者市川猿翁も疎開したことがあるとか。竹を割ったオリジナルのライトを、まだ早いですが、とつけてくださって、さながら竹取物語の風情。お庭を見ながらお茶のサービスもあり、大満足だった。

 お天気はイマイチで風が強いが、まだ明るいので大正時代に建てられた栃木病院(現在も現役の病院として使用されている)まで足を延ばす。さすがに歩き疲れて夕食のレストランのあたりをつけていったんホテルに戻る。
 隣のホテルで夕食を、と思って出かけたらなんとラストオーダーから2分過ぎていて、夕食難民化。やむなくトボトボ歩いてファミレスまで。食事を済ませて再びトボトボ歩いてホテルまで戻って来た。
 これからホテルの大浴場で手足を伸ばし、ゆっくり旅の疲れを落とし、明日に備えて早く休む予定である。

コメント
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