ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.5.5 関西探訪最終日、こどもの日はお参りを済ませ、無事帰京

2019-05-05 22:03:03 | 

 日曜日、連休9日目。これだけ休むと、果たして今日は何曜日だったっけ・・・、といささか怪しくなる。そろそろ普通の生活に戻って仕事をしましょうということだろう。
 昨夜は、ゆっくり入浴した後、なんとか日付が変わる前にベッドに入ったが、足の裏が痛み、ジンジンビリビリが止まらない。それでも疲れの方が勝ったらしく、明け方お手洗いに起きるまで連続して眠った。昨朝同様浴槽足湯で足回りをマッサージする。浮腫んでいる感じの足の甲も踝もグリグリ。

 今日もいいお天気で降水確率はゼロ。昨日に続いて最高気温は夏日の予報だ。紫外線が強い一日になりそうと天気予報が告げている。
 荷物のパッキングもほぼ終えて、昨日より15分ほど遅い時間に3人で階下のレストランへ移動する。夫は両足裏に水膨れのマメが出来てかなり痛むらしい。まさか2万歩近く歩くことになるだろう、などとは露程思っていなかったのは夫も同じだ。

 レストランは昨朝よりも少し空いている。既に出かけた人が多いのだろうか。昨夜あんなにガッツリと夕食を頂いたのに、ちゃんとお腹が空いていて我ながら驚く。3週間に1度の休薬週の日曜日だ。身体が次回の食欲不振状態を見越して飢餓状態になっているようだ。お腹の調子も良く、快食快便。食事が美味しく頂けてきちんと排泄できる、そんな基本が当たり前でない身になると、こんなことも素直に有難い。

 朝食後、息子がホテルに迎えに来てくれる。キャリーケースを預け、チェックアウトしていざ、最終日。昨日より大分早い出発だ。まずは四天王寺へお参りに行くことに。
 ゼローダの副作用である手足症候群がようやく落ち着き、大きな荷物を持つとか、作業をしなければならない日以外は徐々に手袋を外しているし、足の裏も、厚いタイツからストッキングの季節になり、クッションが柔らかめのいわゆるウォーキングシューズを履いているが、まさかこれほど長時間歩いたことで、足の裏の痛みが再燃するとは思わず。ちょっと油断してしまった。ああ、これ以上痛みが増しませんようにと願いながら恐々歩く。

 四天王寺はまだ息子が小学生の時、大阪にあるテーマパークを訪れた折に一度立ち寄ったことがあった。それから10数年ぶりだ。青空に朱色の五重宝塔が美しく映える。まだ午前中の早い時間なので、境内はそれほどの人出もなく、静か。石舞台を囲む「亀の池」では沢山のカメたちが甲羅干しをしている。長閑である。高いところ好きの息子は塔のてっぺんまで上がっていたが、私は、さすがにこの足の状態で急な階段の上り下りなど無謀なことはしたくない、と遠慮しておく。
 ちょうど講堂では舎利出(しゃりだし)が始まるタイミング。住職入場の直前に中に入れて頂く。参拝者が一斉に舎利禮文(らいもん)を唱える。マントラと通じるところがあるな、とそっと耳を澄ました。

 参道をのんびり歩きながら、再び地下鉄を乗り継いで中之島公会堂へ。美しいステンドグラス等を母に見せようと出向いたのだが、あいにくリバーサイドではイベント真っ最中で、まっすぐ歩けないほどの人出。建物外観をバックに記念写真を撮った後、中へ入ろうとするも映画祭開催のため、肝心の上階には入ることが出来ず、残念だった。

 ここで私は今日も別行動に。3人と別れて、お友達とランチをご一緒することになっていた。夫と息子に母をよろしくと頼み、一人地下鉄で新幹線の駅まで移動する。
 出発のギリギリまでお喋りできるように、新幹線改札近くの駅ナカレストランを予約したかったのだが、あいにくどこもGW中は予約できませんとつれないお返事。少し並ぶことを覚悟して、時間より前に到着すると、既にお友達が到着しており、並んでくださっていた。

 前に数組いたものの、スムーズに流れて約束時間には中に入ることが出来た。一番奥の2人席を確保出来てラッキー。デザートとお茶のセットにしてたっぷり2時間近くランチタイムを堪能した。
 楽しい時間はあっという間で、新幹線発車の15分前に3人と合流。慌ただしく家族ともどもご挨拶をして、またお目にかかりましょうとお別れした。

 それにしても駅は大混雑。3分間隔で博多方面、東京方面の列車が入り乱れている。3人は私と別れた後、適塾等を見物してイタリアンのランチをしたようだ。レストランが混んでおり、ランチに思いのほか時間がかかり、タクシーでホテルに行って預けた荷物をピックアップしてそのまま駅に滑り込んだらしい。お土産を買う時間もなかった模様。さらに同じ時間発車の下り列車のホームに間違って上がってしまう、という夫の誘導ミスもあり、かなりギリギリに新幹線に乗り込むことになった。息子は私たちと別れた後、合唱団のお友達と会う予定になっているとのこと。忙しいことである。

 乗り込んだ新幹線は定刻通り発車し、2時間余り。往路同様母は窓側、夫は通路側で私は真ん中に挟まり読書開始。夫はあっという間に船を漕ぎだす。よほど疲れたのだろう。母も目は瞑っているが眠ってはいないようだ。
 復路のお伴はノンフィクション作家梯久美子さんの「原民喜 死と愛と孤独の肖像」(岩波新書)。 2019年新書大賞第5位だという。「愛しすぎて、孤独になった。今よみがえる、悲しみの詩人 その繊細な精神は、過酷な運命を生ききった」と特別なカバーの装丁である。梯さんと私が生まれる10年前に鉄道自殺した原民喜。序章からいきなり吸い込まれるように読み進めた。折しも今朝、息子から昨日の昼、ニアミスしていた百貨店の屋上から女子高生が飛び降り自殺をしたという話も聞いており、ちょっと息苦しくなった。

 新幹線は定刻通り乗換駅に到着し、スムーズにJRの快速電車に乗り換えが叶い、母も優先席をすぐに確保することが出来て、ほっとした。今回の旅行中、思えば地下鉄で母はほぼ毎回席を譲って頂いた。東京なら寝たふりされてしまうかも・・・という場面も多々あったため、有難いことだった。
 私鉄乗換駅で途中下車して、早めの夕食を摂り、母がJRに乗り込むのを見送って私たちは私鉄に乗り換えた。思いのほか早い帰宅が叶って、2人ですぐに荷物を片付け、洗濯も干し上げた。母からも無事帰宅した旨の連絡があり、ほっとした。
 旅は皆が無事に帰宅して初めて終わりになる。今回の強行軍、高齢の母と病弱(!?)の私を含め、全員体調を崩すことなく無事だったのが何よりだ。

 今夜は早めに休んで、明日一日体調を整えたら11日ぶりの出勤である。一日仕事をしたらまた4クール目の治療開始。翌日はいつもの都心横断会議がある。金曜日はなんとか早退せずにやり過ごせますように。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする