ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.5.15 レントゲン後腫瘍内科診察、イメンド服用後ハラヴェン(8割減量)4クール2回目と母のこと、その後

2019-05-15 22:53:07 | 治療日記

 昨夕は仕事を終えて一旦帰宅。あれこれ片付け、夫と夕食を摂ってから病院最寄り駅へ向かった。外は小雨がパラパラ。前日までの酷い下痢は止まって普通便がちょっぴり排泄出来たが、まだなんとなくお腹が重く、電車に乗るのがやや不安である。

 ホテルに向かう行きの電車で佐藤多佳子さんの「明るい夜に出かけて」(新潮文庫)を読み始めた。佐藤さんの青春小説がとても好きである。帯には「深夜ラジオ、コンビニバイト、一人暮らし・・・『ひとり』でいたいのに、だれかと繋がりたいー山本周五郎賞受賞作 朝井リョウ氏絶賛!」とある。最後まで読みたい衝動に駆られるが、明日読むものがなくなってしまうので、第1章だけ大切に読んで我慢。

 ホテルにチェックインしてお風呂でゆっくりお腹を温め、末梢神経障害の副作用なのか、ここのところピリピリしたり攣ったりすることが増えている足をマッサージして、早めに眠りについた。
 4時間ほど眠った頃、またしても足が攣って一度目覚めたけれど、その後ちゃんと3時間寝直せて、目覚ましが鳴る直前までたっぷり7時間睡眠。

 目覚めとともに1週間ぶりのすんなり快便である。嗚呼、ようやく、せっかく・・・と思うが、今日も吐き気止めイメンドを飲んだらまた便秘が待っている。致し方ない。息子と夫におはようLINEを入れる。
 足回りをマッサージしつつ浴槽足湯。身支度してレストランへ降りる。新聞片手に焼きたてデニッシュ、半熟卵、野菜スープ、野菜果物ジュースの朝食を済ませ、ロキソニン、タケプロンを内服。朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウトした。外は曇天。日中は日が差すというが、なんだか怪しい空模様だ。

 今月2回目の通院である。
 到着後は1台のID受付機が点検中で2台のみ稼働中だったため、列に暫し並んで受付を終える。今日は採血なしで、レントゲン撮影のみ。エスカレーターで2階へ上がる。待合い椅子は既に大分混んでいる。ほどなくして私より若い番号が呼ばれ始め、受付開始。荷物を片付けたり、メモをしていると番号を呼ばれ、中廊下へどうぞ、と言われる。

 10分ほど待って、一番奥の検査室から声がかかった。今日もブラトップをつけているので検査着は不要のつもりだったが、着ていたニットがちょっと厚地だったため、念のため検査着を着てくださいと言われてしまった。着替え兼待合い室で呼ばれるのを待っていると、撮影終了した男性が誤って私が待っている部屋のドアをいきなり開けてびっくり。同じ作りの部屋が2つ並んでいるので、わかりにくいのだ。撮影が終わった患者さんに、技師さんが案内するか、部屋を開ける時ノックしないと・・・。
 正面と右横から2面撮影した。あれ、前回までは左横だった筈だけれど、今回はこちらでいいのかな、と一瞬思ったが、そのまま無事終了する。
 
 1階に降りて腫瘍内科へ移動。既に定位置は埋まっている。別の席に荷物を置いてから受付に並ぶ。
 今日は採血していないので、呼ばれるまでそれほど時間はかからないだろうし、と先に血圧測定を済ませる。97-60、このくらいが私のいつもの感じだが、脈拍がなぜか94と高かった。
 昨日の続きの文庫を読んで待つ。30分ほどすると「中待合へどうぞ」に番号が出た。今日はハーセプチン、パージェタがないので、うまくいけば午前中で解放されるな、とまたしても取らぬ狸の皮算用。その後30分せずに先生から呼んで頂いた。

 病院到着からまだ1時間半経過していない。ご挨拶をし、席に座ると、先生が開口一番「まずは申し訳ありません」と頭を下げられる。「え?」とびっくりすると、「技師さんから連絡があって、レントゲン反対側だったでしょう。いつもと・・・」と仰る。「確かに、あれ?逆かな、と思いましたが、今日はそれでいいのかな、とそのまま・・・。その時に言えばよかったですね、申し訳ありません。」と言って席に座る。

 「大丈夫でしょうか。」と問いながら3枚並んだPC画像を見て、瞬時に問題がないことが分かった。良かった。
 前回、そして治療前と3枚並べると、今回どこの腫瘍も薄く小さくなっているのが一目瞭然である。ポート周りをギッチリ厚く取り囲んでいたものも大分スリムに小さくなっているし、右下はほぼ3分の2ほど真っ白だったものが半分くらい小さくなっている。そして、左上のものもしかり。これは凄い。
 いつもは『レントゲンではあまり細かいことは分からないので、CTですね』となるのだけれど、レントゲンだけでしっかり効果が分かるのである。思わずよしっ!である。

 「明らかに効いている実感があります。ロキソニンは欠かさず飲んではいますが、酷い痛みは出なくなっていますし、あれほど出ていた咳が出なくなっています。」と。先生が「前回と比べてもやや薄くなってきていますが、3月の治療前と比べると、おお、大分違いますね。効いています。苦労している甲斐はありますね。いったん(ハラヴェンを)お休みするまではこのまま8割で続けたい。」と仰る。

 「確かに翌日からは気持ち悪さ、だるさ、熱っぽさが出ますし、翌々日はさらにきつくなりますが、先週初めて金曜日に早退しませんでしたし、土曜日も一日寝込まず、少し家事が出来ました。ただ、日曜日に便秘が終わり、気持ち悪さが軽快して食事を始めると、いきなり酷い下痢が続きます。ずっと腹痛で、ロペミンは(腸が止まって)怖いのでやめておきましたが、ミヤBM錠を2日ほど飲みました。今回はまだ手持ちがありますが、次回は処方して頂きたいです。」とお話しする。先生がPCに打ち込んでいかれる。

 「ワイパックスのおかげで気持ち悪くても眠れるのが大きいです。ステロイドは、飲むとどうしても火照るしだるいので、少し減らしたりすることは出来ますか?。プラスでドンペリドンは飲んでいますが」と相談すると、「消化器症状が落ち着いたらまた考えましょう。いずれにせよ、ステロイド(デカドロン)は吐き気止めとしてはいい薬なので・・・」ということに。

 「今後のスケジュールで、夏休みの旅行を休薬のここに予定しているのですが・・・」と相談すると「いいですね。」とご了解頂け、PCにも打ち込んで頂いた。単純なのでニンジンがないと頑張れないのである。その結果、8月の8クールまでバッチリ化学療法室の予約を入れてくださった。目標、8クールである。8割で8クール完遂すれば10割規定量を6クール以上やったことになる。いつも半分量でお茶を濁してきた私としては、万々歳の成績である。診察室での検温は6度9分。

 「では、この調子で、治療続行で!」と診察終了。ご挨拶をして診察室を後にした。先週、今回分の薬も処方して頂いているので、今日は薬局に寄る必要もない。

 化学療法室へ入ると、2,3人座っておられた。お手洗いを済ませ、夫やお友達に例のごとくLINE報告。Kwさんから「今日は明日以降の薬が処方されていないけれど?」と確認があり、先週既に頂いていることを説明。ほどなくしてイメンド125㎎が届き、その場で飲む。その後内側のリクライニングシートに誘導された。

 かつらを外してケア帽子を被り、身支度を整えて読書を再開。20分ほどして看護師のKrさんが刺針にみえる。迷わずぐっと刺して頂き、殆ど痛まず。それにしても、画像で見るとこのポートが入っている回りにもしっかり腫瘍が取り囲んでいて、ちょっと怖いような・・・。

 本が面白い。私はラジオのリスナーではないけれど、実在の深夜ラジオ番組を織り込んでいるので、やけにリアルで入り込みやすい。20歳の主人公も17歳の登場人物も目が離せない。私と同世代の佐藤さんだが、その筆力、すっかり若者になりきっていて、凄いのである。先へ先へと前のめりで没頭。

 30分ほどして薬が届く。時間になりましたので、と遊軍のKdさんが点滴棒に3本の薬を用意される。吐き気止めのデキサートとアロキシミックス、ハラヴェン、生理食塩水。吐き気止め2剤混合は10分、ハラヴェンは10分弱、ラストの生理食塩水も10分強で、30分ちょっと。先週に比べて全くもって楽ちんだ。化学療法室滞在時間は2時間に満たなかった。
 終了間際の血圧は107-72、脈拍は70。問題なし。抜針もKdさん。結構衝撃が大きく、止血テープを貼る時も抑えられると痛んで、しかめっ面をしてしまった。 

 お手洗いを済ませ、かつらを装着してご挨拶して部屋を後にする。会計へ移動して受付。待合い椅子はかなり混んでおり、診察終了受付も長蛇の列。それでも病院帰りに薬局に行かずに済むので、有難い。受付番号をもらって30分ほど待って、会計番号が出た。レントゲンと点滴代で支払いは5万弱。今日もカード支払い。

 病院を出ると予報どおり少しお天気が好転していた。気温が上がって湿度が高い感じ。本日の病院滞在時間4時間弱。
 イメンド・アロキシ・デキサートの3剤併用制吐剤のおかげで、吐き気は殆どない。まだそれほど空腹でもないので、そのままJRに乗り、しっかり席を確保して読書を続行した。

 お昼は落ち着けるレストランでパスタランチをほぼ9割頂けた。そして「明るい夜に出かけて」読了。解説の朝井リョウさんが「一瞬の風になれ」が佐藤さんとの出会いだった、自分の創作人生における一番星として輝き続けている、と書いておられる。私もこの本が佐藤さんの最初の1冊だった。平成生まれの朝井さんの作品も好きである。既に映画化された2作は読み、かつ観た。「チア男子‼」も面白く、モデルになった男子チアを母校のホームカミングデーの際に見たらとても元気で楽しかったので、先日映画を観てきたのだが、珍しくちっとも良くなくて、なんだかガッカリ・・・。

 割と元気だったので、お弁当も買わずに徒歩で帰宅。帰宅後、生協から配達された食品を運び入れ、一通り収納を済ませる。
 ふと見ると、母から留守電が入っていた。そう、先日の直腸がんの3年半検診でCT撮影をした際、大腸は問題なかったのだが、腎臓に影があると言われ、MRIと超音波の追加検査をしたのだった。その結果を今日聴きに行くことになっていた。気にはなっていたが、ひとまず大丈夫だから、と電話で言っていたので、頑張って一人で通院してもらった。

 「大腸は大丈夫でしたが、左の腎臓の下に18ミリのがんが見つかりました。今日は色々な検査をして今帰ってきました。とても疲れましたが、大丈夫です。月末にまた検査をすることになっています。心配しないでください。あなたも気を付けて。」とのこと。

 すわ、これは休んではいられない、と国立がん情報センターのHPで勉強開始。直径4cm以下で腎臓にとどまっているなら早期に間違いなさそうだし、一刻を争う手術ということもなさそう、既に転移ということでもなさそうだし、症状があって進行しているというわけではなく、たまたま別の検査で見つかったのだからラッキーであるということも分かった。

 落ち着いて内容を整理してから母に連絡。今日は心電図、採血、レントゲン、呼吸器等術前の一通りの検査をしたという。今月末に再度エコー検査で、その結果を聴く診察は6月5日朝一番。あいにく私の治療とバッティングしている。その時は今後の治療計画の相談になるだろうから、母一人行かせるにはいかにも心もとない。付き添うのなら、私の治療の予約を変更してもらわなければならない。

 夫に相談すると、その日なら午後から会議なので付き添えると言ってくれた。その日より前に母にも一度会うことが出来そうなので、当日はメモ等も託して夫にお願いすることにした。
 母に伝えると、やはり一人では心配だったのか、ほっとした様子だった。
 それにしても85歳、直腸がん手術から3年半で多重がんとは。人生長く生きていれば色々あらぁな、である。

 いつもはお弁当を買って帰って、夫が帰ってきてもグッタリなのだが、今日はなぜかやけに元気で、その後食事の支度も出来た。今回の治療を始めて、治療日の夜お弁当以外のものが食卓に並んだのは初めてである。夫も驚いているし、私自身もびっくりである。

 息子は駅で研修中。周りの方たちに良くして頂いているようで、張り切っている。アナウンスをしたりホームに立ったり、本当に楽しそう。良かった、良かった。8月にもあるという駅の勤務、見に行けたら見に行きたいね、と夫と話しているが、母の今後の治療スケジュールもあり、どうなるものやら。
 明日は会議の日。出張ではないのが、せめても。副作用対策が上手くいって少しでも楽に過ごせますように。
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