ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2022.12.21 採血後腫瘍内科診察、エンハーツ36クール目 さらに6割に減量32回目無事終了 2022年治療納め

2022-12-21 21:52:55 | 治療日記

 昨夜は、早めに入浴し、日付が変わらないうちに眠りにつけた模様。
 ところが、そのまま朝までぐっすり、とはいかなかった。お手洗いで目が覚める。真夜中3時半の腹痛である。お腹が緩い。中途覚醒してしまい、2時間ほど眠れず。ちょっとトロトロしたかしないかのうちに目覚ましが鳴った。

 5時間は眠れたのか。窓の外はまだ夜明け前。雲の灰色と朝焼けの橙色のグラデーションが美しい。浴槽足湯の準備をして、出てきたらちょうど真っ赤な太陽が昇るところである。写真を撮って夫にLINEで送り、朝食を摂る。
 BSで朝ドラを視てから、母にご機嫌伺いのMeet通話。今夜はおそらく連絡出来ないだろうと伝え、16階からの眺望をお裾分け。そうこうしている間にもお手洗いを何度も往復。完全にお腹が壊れてしまった。

 年末で病院が混んでいるのを覚悟して出かける。雨が降るという予報だったので折り畳み傘を持ったけれど、結局荷物になってしまった。レイトチェックアウトにして頂けたので、最低限の手提げだけであとは部屋に残したまま、身軽に出発。昨日より暖かい。
 
 病院に到着し、受付のIDカード機を通す。そのまま採血受付へ移動し、ピンク色の受付番号表を取って電子掲示板を見ると、10数名が待っており16分待ちとあった。ダウンのロングコートをエコバッグに仕舞い、態勢を立て直してから朝刊を読んで、中に入れるまで待つ。実際には10分も待たずに呼んで頂けた。

 今日の採血担当は、以前も1回担当してくださったことがあり、びっくりするほどお上手だった検査技師のOさん。「いち、にの、さん」という掛け声が可愛らしく、刺す時も抜く時も、え?いつ?とわからないほど痛みなくストレスフリーで5本の採血が終了。指名出来るものなら指名してしまいたい!「全くなんともなかったです!ラッキーでした。ありがとうございます。」とお礼を言って採血室を後にした。

 止血をしながら向かいの腫瘍内科に移動する。待合い椅子は早くも混み始めている。定位置を確保出来ず、受付の向かいに荷物を置いてから、受付に並ぶ。まだ時間が早くクラークスタッフ1人なので、紙のカードを取って順番に、とのこと。
 既に22番である。ほどなくして受付に呼ばれる。いつものようにコロナ関連問診票を頂き、息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れの「ある」の前に“たまに”を追加して提出する。前回入っていなかった化学療法副作用の問診票(項目が多いので、いつもは前泊しているホテルで記入しておく。)を頂いて、その場で記入。

 採血終了から1時間が経ち、忘れないうちに血圧測定。103-65、脈拍が84。
 昨日読みかけだった「巡礼の家」を読み続ける。天童さんの故郷が道後温泉からほど近い場所だったとは全く存じ上げなかった。父が亡くなる直前2016年の夏、夫と訪れ、道後温泉本館の熱いお湯に浸かったことを思い出す。実に良い所だった。
 書評家の青木千恵さんが書いておられる通り、主人公の15歳、雛歩は帯によれば「人を殺してしまった」のだが、色々な事情で勉強が遅れ、歴史も地理も知らない。大人たちが話すことに対していちいちずれる反応をするので、この子はふざけているのかと思うくらいユーモラス。いつのまにかほっこりさせられていた。

 いつもなら1時間ほどで中待合に入れるのだけれど、今日は待てど暮らせど掲示板に番号が出ない。2時間以上待ってようやく中待合に入り、それから30分ほど経って先生がお顔を出された。病院に到着してから既に3時間ほど経過している。
 「おはようございます。」と挨拶して、ドアを閉め、荷物を籠に入れ、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着く。
 「どうでしたか。いつもと変わらずでしたか?」と問われ、「前回は復活が早かったのですが、あいにく今回は木曜日の投与だったため、曜日感覚が一日ずれて、週が明けて2,3日経っていつもなら復活の兆しが見えるタイミングなのに、なんでまだこんなに調子が悪いんだろう、などと思いながら5日間一歩も外に出られず、復活に時間がかかりました。寒さや気圧のせいなのか、左鎖骨辺りが痛み、ロキソニンでは効かず、久しぶりに朝昼晩とコデインを2日ほど飲みました。どうしても傷跡を含め左側を庇うせいか、肩甲骨周りも凝って痛みます。痛みは今は落ち着いてコデインを飲むほどではなくなりましたが、今週はお腹が緩く今朝も何度も下痢でした。」とご報告。

 「採血のデータは、まあ、特に変わらずですね。マーカーはまだ出ていませんが、終わる頃までには出ている筈ですので、看護師さんに言ってデータのプリントアウトをもらってください。次回は心臓超音波とレントゲンを撮りましょう。」と仰る。「心臓超音波の空きは朝一番だけで、その次だと昼前になってしまうなあ。」とのことで、朝一番をお願いする。

 ということで、エンハーツ36クール治療続行となった。薬の処方は前回通り。「コデインはまだ残薬があります。」とお答えする。「エコー等の説明があるので、中廊下で待っていてください。」とのこと。
 以前は先生からその場で予約票が頂けたが、システムが変わったらしく、その場では何も頂けず。
 診察室での体温は6度3分。寒いせいか低めである。「今年も大変お世話になりました。」と言うと、それに続けて先生が「来年もよろしくお願いします」と。一緒にハモってしまう。「どうぞ良いお年を」とお礼を言って診察室を出て、中廊下で待つ。

 ほどなくして、見かけない看護師さんがいらして次回は8時:採血、8時15分:心エコー前待機、8時半:心エコー、エコー撮影後にレントゲン、診察の順序で、とのこと。ホテルをいつもより早めに出なければならない。
 化学療法室へ移動。待っているのは1人だけだ。受付番号を取り、ファイル一式を提出して門前薬局にLINEで処方箋の写真を送る。

 お手洗いを済ませると、すぐにSさんから薬が届く。イメンドのジェネリックであるアプレピタント125㎎を持参したマグに入れたダージリンティーで飲んだ。
 ほどなくして看護助手さんからリクライニング椅子に案内される。内側の奥の方の席だ。椅子周辺の環境整備をして態勢を整える。

 薬剤師のKさんが久しぶりに登場。便秘と下痢についての状況報告。Kさんは「○○さんはこの治療がかなり長いし、パターン通りなので、それほど心配はしていませんが、間質性肺炎の副作用は怖いので、注意が必要です。エンハーツによる間質性肺炎は1割程度の発生率と言われていますが、乳がんだけで見ると長く使えることもあり3割に達します。」と仰る。
 うーん、副作用は何でも引き受ける傾向のある私にとって、3割の発生率を引き受けないで2年半近く投与出来ているのは画期的だ。一旦間質性肺炎になると、エンハーツ治療は即打ち切りなので、なんとかして避けたい。昨年の暮れ、通院後にもしや、という症状があり、病院に電話したことを思い出した。

 お話していると、看護師のSさんが針刺しに見える。今日は正真正銘新しい針であるのを自分の目で確認した。これまでの翼状針と随分形状が違う。前回より痛まなかった。
 Sさん曰く、一度新しい針を経験した後、在庫の関係で前の針に戻そうとしたら、見た途端「その針は嫌です」と仰る患者さんもおられるとのこと。やはり皆さん刺されるときにギリギリとした感覚があるようだ。
 確かに翼状針の場合、グッと刺されれば我慢できる痛みだが、迷いながら切り込みながら入れられるとギリギリと痛み、入れた後も針の位置がポートの中で落ち着くまでにチリチリチリチリ長く痛むのだ。今日は採血に続き針刺しラッキーデー。

 点滴がスタートしたのはお昼を回ってからのこと。うーん、ホテルの部屋に荷物を置いたままでチェックアウトの時間に間に合わなかったらどうしよう、とちょっと心配になってくる。
 今日は化学療法室に入ってすぐ薬局にLINEで処方箋の写真を送ったのも前回よりは大分遅かったせいか、「お薬の準備が出来ています。」とLINE連絡が入ったのは点滴開始の直前だった。薬局での待ち時間が殆どないことを加味しても、結構ギリギリになりそう。
 
 吐き気止めアプレピタントを飲んでから50分経過したところで、Oさんが見えて吐き気止めのアロキシ・デキサートミックスからスタート。エコーの説明をしてくださった看護師さんから採血のプリントアウトが届く。マーカーは前回よりコンマ3上昇していたが、横這い、誤差の範囲かな、と思うことにする。爆上がりしていなくて良かった。心穏やかに年末年始を迎えられる。

 ブドウ糖を全開で10分ほどで落とし、エンハーツに替えてくださったのはHさん。そこから30分、再びブドウ糖、生食シリンジと開始から1時間15分ほど。
 終了時の血圧測定をしてくださったのは初めての看護師さんでお名前も分からず。109-65、脈は73。
 抜針もその方だったが、なるほど衝撃が大分小さくなっていた。これからは色々なものが進化していくのだろう。有難いことである。

 ということで今日は診察迄の待ち時間が長かったが、針はラッキーで、点滴も総じて順調に進んだ。
 お手洗いを済ませ、ご挨拶をして化学療法室を出る。受付表を戻し、会計待合いに移動。待合い椅子はそこそこの込み具合だ。10分ほど待ってから自動支払機で11万円弱をカード払い。

 外に出ると、少し雲が出てきているが、コートの前を開けていても寒くはない。
 薬局へ移動すると、待ち人は5,6人。アチャーと思いながらお薬手帳と処方箋を提出し、「LINEで写真を送っています。」と言うと、10分もせず「LINEで処方箋をお送りくださった○○さん」と2番目に呼んで頂けた。
 1つ1つ薬を確認しながら、小分けの袋を折っていく。電子マネーで28日分、10,000円弱の支払いを済ませる。今日の病院と薬局での滞在時間は6時間弱。

 急いでホテルの部屋に戻り、手提げの荷物を合体させてロビーに降りてチェックアウト。
 お昼は昨日頂いたクーポンを使い切らないと!で、駅ビルで使える飲食店へ。ワンパターンのいつものイタリアンレストランは避けることにして、もう1つのイタリアンカフェにトライした。
 10年近く前に1回入った記憶があるが、その時はそれほど悪いイメージはなかった。

 ランチタイム残り30分ほどだったが、窓際の明るい席はおひとり様で全て埋まっており、内側の4人席だった。カルツォーネのランチをチョイス。担当の若いウエイトレスさんが何だか投げやりなのか、スープが波立って器から飛び出すくらいの勢いで持ってきて、自分のエプロンにかなり飛ばしていた。それをじっと見ていたが、替えに行く様子はなく、そのまま器が濡れたものを出された。

 極めつけは食後のカフェラテ。とてもぬるい。熱いものが飲みたかったので、訊いてみたが、淹れ立てなので、これ以上は熱くならないとのこと。そんなものなのか、皆さんが余程猫舌なのか、面倒くさくてやる気がないのか。
 うーん、これではもう再訪することはないな、と電子クーポンでお支払いしてお店を後にした。
 食事が終わる前にも、別のスタッフがあれこれテーブルのものを下げに来たりで、何やら落ち着かなかった。カルツォーネとサラダ自体は美味だったので残念。まぁ、人手不足で早く片付けてしまいたいのだろうけれど、さっさと出ていけと言われているようで・・・。

 知らない間にコロナ禍でクローズになったお店が何軒もあった。どこも厳しいのだなと改めて思う。
 食後は夫へのおみやげに和洋2種類のお菓子を駅ビル内で購入。電子クーポンを使い切り、不足分はキャッシュ払い。これで全国旅行支援の宿泊もおしまいである。
 今回の宿泊プランはお土産もついていたので、いや、実質いくらだったのかと思うと、税金の使い道として果たして・・・と感じないこともなかった。

 急げば最終の快速に乗ろうと思えば乗れたが、お手洗いも心配だし、大荷物だし、座れないと大変。各駅停車に乗って読みかけの本を読み続けることに。
 
 今日は夫の助っ人も頼れず、最寄り駅に到着し、タクシーにも乗らずになんとか自力で自宅まで歩いた。万歩計は7,500歩ほど。
 帰宅後は生協のお届け物をえっさほいさと収納し、のろのろと薬等を仕分けているうちに夫が帰宅。私は空腹は感じず、こうしてブログを書いている。夫は、書き終えるまで待っているので一緒に食べようとのこと。

 明日、夫は休務日。溜まった洗濯はしたいけれど、午前中は雨の予報だ。うーん。
 とにもかくにも2022年の治療が無事納められた。3月末に完全に退職し、4月以降体調管理を徹底しつつ、気分転換するときは治療直前まで悪あがきといえるほどしっかり遊びながら、1度もスキップすることなく予定通り10回の治療が出来たことに改めて感謝したい。
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