ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.1.9 旅も3日目 大和は国のまほろば 沢山の神様、仏様にお目にかかった1日

2023-01-09 22:51:34 | 
 昨夜は記事をアップした後、入浴。日付が変わってからようやくベッドへ入る。当然バタンキュー。夫の鼾も知らずに眠りに落ちた。
 今朝は腹痛で目が覚める。相変わらずお腹が快調すぎる。その後、ベッドに戻るが、もう眠れない。いつもの月曜日設定でスマホアラームが鳴る。隣の息子も同じ時間に鳴っていたが、しっかり消してまた寝ている。それを10分ごとに1時間繰り返していた。明日以降、大丈夫なのか・・・、一抹の不安が残る。

 BSで朝ドラを視てから浴槽足湯。夫と息子も順番で入って今日の散策に備える。身支度を整えて階下のレストランへ降りる。昨日よりお天気が良く気温が上がるようだ。朝の光をバックにテラスで記念撮影。今日は3人揃って洋食セットを頂く。パンプキンスープや奈良野菜やフルーツが色とりどりに並んだプレートを楽しんだ。

 朝食の後、夫と息子がカーシェアリングの駐車場まで車を取りに出かけ、私はあれこれ片付けを済ませてホテルでピックアップしてもらう。昨日と同じ車である。
 今日も盛り沢山のプランを考えているらしい息子が、最初に私たちを連れて行ったのは、先月走った奈良マラソンのスタート地点であるスタジアム。中には入れなかったけれど、ガラス越しにトラックを見学。そして、マラソンの経路通りに車を進めながら、アップダウンがいかに大変だったかを説明してくれる。

 続いて私のリクエストで奈良女子大の正門まで車を進めてもらう。
 私を含めて5人のメンバーがいたプチ虹のサロンは、患者会で知り合った再発仲間の集まりだが、4人が既に亡くなっている。その4人のうち20年8月、最後に旅立ったSさんの母校に敬意を表する。
 まさか彼女が私より先に逝かれるとは、今も信じられない思いだ。息子と同い年のお嬢さんは結婚されて関西在住だと去年の年賀状で知った。

 さて、車は南へ向かう。天理教の聖地である天理市に入ると、大学、高校と本部の建物の圧倒的な存在感に車の中から皆で驚く。市庁もかなり奇抜なデザインだけれど、それを凌ぐ建物の連続である。
 給油を済ませ、今日最初にお目にかかる神様は、神さびた森に鎮まる日本屈指の古社、石上神宮である。古代豪族・物部氏の総氏神を祭る、日本最古の神社の一つ。ここは夫のリクエストである。

 駐車場がないので途中の坂道に止め、砂利道の参道を歩き始める。鎌倉時代建立の拝殿は国宝指定され、国宝の七支刀、重要文化財の鉄盾、勾玉等多数の神宝が伝わっているという。
 緑豊かな境内に入ると、いきなり「コケコッコー」と鶏の正統派な鳴き声に迎えられる。見れば、美しい羽の雄鶏が実に人懐っこくトコトコと近寄ってきて、のど自慢のごとく鳴いてくれるのである。
 中には高い木の上にとまっているものもおり、沢山の神鶏が暮らしている。その隣にはなで牛が。丑年の私は、しっかりなでてからお参りを済ませてきた。
 こちらの神社は卯とご親縁が深く、大神様がご鎮座になったのが卯の日といわれ、神使と伝えられてきたそうだ。12年に一度、癸卯年に健康長寿、除災招福を祈り、特別に謹製したという卯の置物を一体頂いてきた。

 続いて、息子の勧めで712年に藤原鎌足の長子が建てたとされる聖林寺へ。坂道が急で、かなりしんどい。境内に上がると、門前からの眺めは、それは素晴らしいもの。
 卑弥呼の墓とも言われる箸墓等の古墳群、山の辺の道、三輪山を一望のもとに見渡すことが出来る。南天や葉牡丹が美しい庭園を過ぎ、拝観料をお支払いして、靴を脱いで本堂に上がる。うーん、電気カーペットは敷いてあるが、かなり足が冷たい。

 ご本尊は子安延命地蔵菩薩だが、フェノロサ、岡倉天心らによって開扉された国宝の十一面観音菩薩像が観音堂のガラス戸の中に祀られている。ここに行くまでにも長い空中廊下の階段を上がっていく。ほぼ3人で貸し切りの参拝となったが、その美しく均整のとれたプロポーション、美しい指先に魅了される。
 ミロのヴィーナスとも比較される仏像彫刻の優作というのが頷ける。
 それにしても神様、仏様にお目にかかるにはやはり足腰が大事、と痛感する。マスクをしての坂道や階段はやはりしんどいのである。

 次なる目的地は大神神社。ところが、道路は大渋滞である。お昼を先にするかお参りの後にするか、と迷ったが、とにかくお参りを先に、と車を進めるも、いかにも進まない。
 王道の参道を避けて、一つ早めの道を曲がり、聖徳太子ゆかりの寺とされる平等寺を経由して行くことに。ここに入るまで、狭い坂道を行くが、行き止まり。バックで戻らざるを得ず、ヒヤヒヤの時間があったが、なんとか到着して駐車場をお借りする。

 かつて大神神社の神宮寺として栄えたが、廃仏毀釈により全廃され、その後復興されて伽藍が整ったという平等寺は、美しい鐘楼堂等が立派だった。
 徒歩で大神神社に到着すると、凄い人出である。今回訪れた中で一番か。古来「神の山」と崇められてきた三輪山をご神体とする日本で最古の神社といわれる。おりしも、今年は卯年。なでうさぎが鎮座している拝殿には、長蛇の列だ。ご神木もとても立派。まずはお手洗いを済ませる。やはり壊れ気味である。

 ガイドブックを見て気になっていた、病気平癒の神・大神荒魂大神を祭神とする狭井神社にもそのまま歩いて行けるという。それでは、と“久すりの道”を歩き始める。
 ここの坂の石段もかなりきつい。ふうふう言いながら、檜皮葺き屋根の拝殿を拝みつつ長い列の最後につく。5人ないし6人横一列になって一列ずつ進む。お参りを済ませてから、拝殿奥の薬井戸から湧き出ているご神水が、万病に効く「くすり水」として古くから信仰されているという(ペットボトルに入っている)ので、有難く頂いてきた。

 再び大神神社に戻り、本殿でお参りを済ませ、なでうさぎをお参りする長い列の最後尾につく。手指消毒を済ませ、なで終わってもう一度消毒。息子は所願成就のなでうさぎのお守りを頂いた。

 朝ホテルを出発してから既に6時間近くが過ぎ、飲まず食わずである。かなり疲れている。息子が4時までは入店出来るとチェックしていた、真新しい洒落たそうめんのお店に入る。既に日が傾き始めている。
 3人で各々海老塩の金つゆ、ベーシックな黒つゆ、胡桃つゆを使ったつるり麺をチョイスしてにゅうめんを頂いた。お腹はペコペコだったし、のどもカラカラ。五臓六腑に染み渡る感じで生き返った。
 食後は奈良県産の温州ミカンジュースや珈琲、紅茶と大和ショコラのケーキ等に舌鼓。人心地ついたらもう4時半を回っている。
 
 食べ終わって帰路に就くと、先ほどまでの渋滞が嘘のように車が流れている。夕陽が真っ赤で真ん丸である。これぞ大和の国はまほろば、を思う美しさだ。
 行程の終わりにと、息子が気を利かせてくれて、マジックアワーに浮き上がるライトアップされた平城京跡を見せてくれた。その後まずはホテルで私を降ろしてから、夫と2人で車を返し、ホテルに戻ってきた。
 ホテルの部屋でお茶を淹れて一服。母にMeet通話でご機嫌伺いと旅行報告を済ませてから、大阪に帰る息子を送り方々、夕食を摂るためにホテルを出た。

 息子のリクエストで、イタリアンを探し、こ洒落たトラットリアに入る。2人はワイン、私はジュースで乾杯。奈良県産の野菜をたっぷり使った前菜盛り合わせ、タリアテッレパスタやピザ等を楽しむ。久しぶりにニンニクとオリーブオイルをたっぷり使ったお料理がとても新鮮で美味だった。
 カフェに場所を替えて、息子はケーキセットを注文し、夫は珈琲を、私はチャイラテをチョイスして一服。息子を送って駅の改札まで。

 雨がポツポツ落ちてきたので、慌ててホテルまで戻ってきた。今日は成人の日、その集まりの帰りと思しき若者たちのグループがいくつも猿沢の池辺りを楽しそうに歩いていた。

 というわけで、今日も朝から、2人ではとても回り切れなかっただろうあちこちへ連れて行ってもらった。
 明日は古都・奈良を後にして、大阪に向かう。
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