ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.8.30 採血後エンハーツ44クール目 さらに6割に減量40回目終了 Good Byeエンハーツ!

2023-08-30 22:50:14 | 治療日記
 昨夜は思ったより寝つきが悪く、日付が変わる前まで眠りにつけなかった。とはいえ、目覚ましが鳴るまで中途覚醒なく眠れたので、6時間睡眠は確保出来た。普段を思えば十分だろう。家族LINEに「おはよう」スタンプを送り、朝風呂に向かった。
 正真正銘の貸し切りでルンルン。大きな湯船で手足を伸ばす。上がったタイミングで1人入っていらした。
 今日も猛暑の予報だ。今日は夫は出勤、息子は在宅勤務だという。
 
 着替えを済ませ、身支度を終えて朝食ラウンジに降りる。先月宿泊した時より大分混んでいる。なんとかテーブルを確保し、列に並ぶ。グレープフルーツジュースやクリームチャウダー、焼きたてデニッシュ、有機野菜たっぷりサラダや野菜メインのおかず等ちょっとずつ色々。ベリーソースをかけてヨーグルトも頂いた。
 相変わらず混雑しているので早々に席を空けて、紅茶は部屋で朝ドラを視ながらゆっくり頂くことに。お腹も快調だ。
 最低限の物を入れた手提げを持ち、それ以外の荷物を預けてチェックアウト。朝から既に気温が高い。
 
 病院に到着すると、まだ早いのか受付のIDカード機は待たずにすんなり。
 採血・生理検査受付へ移動。ピンク色の採血受付番号表を取る。掲示板を見ると、10人以上が待っている。待ち時間は7分から8分と出ていた。到着が少し早かったのか受付番号は30番台といつもより若く、待合席にはかなり余裕がある。ほぼ時間通りに番号が出た。いつもながら正確である。
 
 今日の採血担当は、何度もお世話になっているベテラン技師のYさん。今日も5本のフル採取だ。刺針はちょっとチクリで、4本目、5本目は採取に時間がかかり、ちょっとチクチク押される感じ。無事抜いて頂き、お礼を言って採血室を後にし、止血しながら向かいの腫瘍内科に移動する。

 待合い椅子はまだ空いている。久しぶりに定位置を確保し、受付に並ぶ。保険証確認は2週間前のCT検査時に済んでいる。いつものコロナ関連問診票を頂き、息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れの「ある」の前に“たまに”を追加する。
 
 本日のお供は、昨日の続きで町田そのこさんの「ぎょらん」。
 7編の連作集なので、ああ、このお話に出て来たこの人が次のお話のこの人だったのか、なんて気づきながら読み進めるのが楽しい。

 採血終了から1時間ほど経って血圧測定。101-62、脈拍が90。ようやく「中待合にどうぞ」に番号が出たのは採血終了から1時間半以上経ってから。その後は早く、荷物をまとめている間に「診察中」に変わって慌てて中廊下へ行くと、診察室の扉が全開中。急いでご挨拶をして飛び込む。病院に到着してから先生にお目にかかるまで2時間弱。結構かかった。

 扉を閉め、荷物を籠に入れ、体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着く。
 「さて、では、まず」と体温計を頂く。診察室での体温は6度4分。「どうでしたか。」と問われ、「5週間あると結構辛かったことも忘れてしまいますが(笑)、初めてアロカリスの点滴でイメンドがなくなりましたが、イメンドを飲むと眠気が酷く、寝てしまう、でも寝てしまえば気持ち悪くないという状態でしたが、今回は眠気がなかったので吐き気がどんな様子かなと観察しつつ、我慢出来そうだったので吐き気止めのドンペリドンを特に追加することもありませんでした。左の鎖骨、胸骨、傷口の痛みがありましたが、痛み止めを頓服することもなくなんとかやり過ごしました。下痢も便秘もそれほど酷くなくでしたが、総じてお腹は緩いです。胃痛に備えてタケプロンを倍量出して頂きましたが、胃の痛みは酷くありませんでしたので、1錠ずつで済みました。」とご報告。さらに先週健康診断やがん検診を終え、次回には結果票をお持ちできると思います、とも。

 「採血のデータはあまり変わりありませんね、ただマーカーが2か月連続で上がっています。今までは上がったり下がったり、前回は2回連続下がったこともありましたが。・・・」とPC上のグラフを見せてくださる。うーん。
さらに、PCには造影CTの画像が3種類(エンハーツ開始前、前回3月、今回8月)並んでいる。
 「鎖骨、胸骨に痛みがあるということでしたが、画像上骨は変わりないようです。が、肺は、右上の影はエンハーツを始める前より明らかに大きくなっています。左の影も前回よりちょっと大きいか、と。右の真ん中あたりのものは変わりないようです。ただ、気になるのは左肺のてっぺんあたりに3,4ミリの影がある。これは3年前まで遡って確認しましたが、新しく出来たかもしれないという疑いがあります。また、左肺の下部にモヤッとしたものがある。これは軽い肺炎の痕かもしれませんが」とのこと。一体、多発転移とはいえにいくつの影があることやら・・・。それ以外の臓器への新しい転移はなさそう。

 で、さぁ、どうする、である。
 今回エンハーツを変えてもいいと思うが、今回変えないとしたら何を基準に変えるのか、決めておいた方が良い。これまでは新しい転移が出てきたら替える、としてきた。変えるならどんな手があるか。かつて使った薬をもう一度、である。

 ① ハーセプチン+パージェタ+ホルモン剤(①´+ウイークリータキソール)
 ホルモン剤はずっと使っていないので、内服かお尻の注射のフェソロデックスか。ただハーセプチン+パージェタは3週に1度、フェソロデックスが4週間に1度なのがちょっと面倒くさい。内服なら問題なし。
 もっと病状が切迫しているなら、+ホルモン剤(①)は出来ない。すぐに+抗がん剤のウィークリータキソール(①´)になる。今のわりと緩やかな進行状況なら①を3,4か月は試せるか。ただ、前回も4か月間試したアナストロゾールはあまり効かなかった。今回4年半経った(2019年3月~ハラヴェンの前)のでどうか、というところ。

 ② カドサイラ(T-DM1)
 2年間32クールやって6年半経つ。
 エンハーツを止めて、今はまだ余裕があるが、カドサイラにしてゆっくり(進行)のままでいるかどうかわからない。もし不味いとなれば、①のホルモン剤なしでタキサンに(①´)、ということになる。
 エンハーツで引っ張るメリットとデメリットを考えてどこかで変更するかは予め考えておく必要がある。今は変更して良いタイミングではある、とのこと。

 甘かった。目標50クールだと丁度今年度末までで切りがいい、なんて呑気に考えていたから、エンハーツ中止の話題はちょっと不意打ちだった。もちろん永遠にエンハーツが使えるとまで思っていたわけではないけれど、もうちょっと、このままノラリクラリいけるつもりでいたから、今年の冬と来春に旅行の予約を入れたり、勝手に捕らぬ狸の皮算用をしていた。
 即答出来なかった。さすがに今日の今日から変更はなくて、今日は予定通りエンハーツ、次回からどうする、ということだ。

 先生にもう一度「44クールで終わりにして次回から替えた方が良いでしょうか、あと1回、というわけにはいかないでしょうか?」としつこく訊く。
 全く変なもので、あんなにきついエンハーツの治療後の約10日間を受け入れても、まだエンハーツに未練があるのだ。カドサイラはかつて2年間効いてくれたけれど、効かなくなって替えたのだから、再度トライして効く保証はない。それを言い出したら、どんな薬もやってみなければわからない、のである。
 先生は「もし45クール以降もエンハーツをやるなら2か月に1回CTを撮りながらだなぁ」と仰る。

 暫し深呼吸して「わかりました。カドサイラはエンハーツに比べて副作用は軽かったと記憶しています。水曜日に治療して週末まで体調不良でも翌週月曜日からは普通に仕事をしていました(エンハーツはそうはいかなかった。)。途中から吐き気が増して吐き気止めを増やして頂きましたが、脱毛もないですし・・・2年効いてくれたわけですし。」と応ずる。

 先生は「ではスタートのタイミングですが、カドサイラは3週に1度、今回3週間後にスタートだときついでしょうから、4週間後でもいいですが・・・」と仰る。
 4週間後だと、息子の縁談の両家顔合わせの日が治療3日後に当たってしまう。初回で副作用が分からない状況でそれは冒険だ。私が一番体調が良い日ということで日程調整をしてもらったので動かしたくない。「予定通り5週間後でお願いします。」と即答。

 それにしても3週間に1度の治療だと、9月は行かないで済むにせよ、10月に2回、11月に1回、12月に2回と予定していたより2回通院日が増える。先生や化学療法室の看護師さんたちにお目に掛かれて安心といえば安心だけれど(5週間に1度だとお久しぶりです、という感じになる。)、日程をまた組み直さないといけなくなった。

 次回は心エコー、採血、レントゲンの検査がしたいとのこと。エコーの予約時間が遅いので1日で全部やるとかなり遅くなりそう。「前日に全て検査を終えて当日は点滴だけ、という手もありますが・・・」と言われる。前泊は既に手配しているので、それでお願いする。5週間後は久しぶりに連荘である。
 そして年内の化学療法室の予約も5回分入った。
 薬は前回通りで良いですね、と言われ「はい」とお返事する(これが後で失敗だったことに気づく。)。

 「それでは、今日の治療は予定通りです。この後エコーの説明がありますから、廊下でお待ち下さい。あと、身長・体重も測っておいてください」と言われ、診察室を後にする。
 なんとなく焦っていたのか心ここにあらずだったのか、診察室に日傘を置き忘れたのに全く気付かず。クラークさんが「これは○○さんのですか」と届けてくださった。有難いことである。

 化学療法室へ移動して、測定。165.1cm、風袋毎で48kg。4人待ちでLINEの受付スリップは17番。
 ひとまず門前薬局にLINEで処方箋の写真を送る。処方箋が2枚。割と空いているなと思ったけれど、そうでもなかったか。顔は何度か見たことがあるが、名前がまだわからない看護師さんから案内される。
 初めて窓際の奥から2番目と3番目、お好きな方をどうぞ、と選ばせてもらえた。奥から2番目を選ぶ。窓側は日が入って暑いかもしれません、とのことだが、明るい方が嬉しい。

 お手洗いを済ませ、態勢を整えて夫やお友達に報告LINEをしてから読書再開である。治療スケジュールが変わったことで、瞑想ヨーガのクラスも変更しなければならない。ASHAREさん事務局のLINEにひとまずご連絡。周知の記事をアップしたばかりなのに申し訳ない。

 席に着いてから40分近くして針刺しにいらしたのは、Sさん。チクっとします、と言われ「全然大丈夫です」と言った途端、もう一度入れ直し。びっくりの痛さ。ええ?2度刺しされるとは心の準備が出来ていなかった。訊けば1回目は躊躇してしまって入れ直したのだそう。やはり針刺に躊躇は禁物で、一度ですっと入れてもらうのが一番だ。

 その後、薬剤師のWさんが学生さんを連れてヒアリングに見える。今日は学生Aさんから質問があるとのこと。「前回Tさんから吐き気止めアロカリス(点滴)にして効き目はどうだったか教えてくださいと言われていましたが、イメンドの追加2日分は吐き気止めの薬がない状態だったので、我慢しないで手持ちのドンペリドンを飲んでもよかったかな、と思います。今回は飲みます。」とお話しする。
 「お腹は緩めで、便秘薬は使わずに済んでいます。下痢もロペミンを飲むほどでもないです。」と補足し、痺れや味覚異常、痛みについてもお話する。
 Wさんが次回からのカドサイラのノートを持ってきてくださる。ダイアリーも別冊になっていて、後から届けてくださった。エンハーツダイアリーも前回頂いた9冊目の途中で終了だ。

 ほぼ同時に、初めましてのHsさんが薬を持ってきてくださる。伺うと6月から異動されたそう。これまでのエンハーツの副作用等についてお話する。今日で打ち切りではあるのだけれど。
 吐き気止めのアロキシ・デキサート・アロカリスミックス30分、ブドウ糖を全開で10分弱で落としてから、エンハーツ30分ほど、再度ブドウ糖15分、生食で流して1時間半弱。眠いが、本を読んだり、スマホで連絡をしたりと結構忙しかった。

 お昼頃薬局から薬の準備が出来ました、というLINEが届いた。化学療法認定看護師のKrさんが薬のチェックで寄ってくださったので、ついつい呼び止めて「せっかくダイアリーを新しくしましたが、今日でエンハーツ終了です」と。「ちょっと不意打ちでした・・・」と言うとKrさんもびっくりされていた。「そうでしたか・・・」と。
 それでも44クールは病院最長不倒記録に違いない。間質性肺炎の副作用が出ることなく、3年超続けられたのは快挙だ。あれこれ思いを吐露したら気持ちの整理が出来てスッキリした。Krさんも「私も心を切り替えて、次回から頑張ります!」とのこと。有難いことである。
 
 最後の血圧測定は席を案内してくださった看護師さん。108-55、脈拍は68。
 抜針も同じ看護師さんで結構衝撃があって痛かった。入れる時に痛いと抜く時にも痛い。それでも以前の翼状針よりは楽である。
 化学療法室滞在時間は2時間半ほど。お礼を言って身支度を整えて化学療法室を後にした。

 受付票を戻し、会計待合いに移動する。待合い椅子はそれほど混雑していなかった。採血結果のデータプリントを見ると、白血球は4,800。好中球も2,000以上ある。相変わらずHのものもLのものもいくつかあるが。
 10分ほど待って自動支払機で11万円強をカード払い。

 外に出ると、やはり暑い。薬局へ移動すると、数人待っておられたが、すぐにIさんの声で「○○様~」と呼んで頂けた。今回も頻繁に様子伺いのLINEを下さっているいるので、1か月空いた久しぶりな感じがしない。
既に、次回からカドサイラに変更とLINEで連絡済み。次回は薬が大分減りますね、と1つ1つ薬を確認。ここで、ミヤBMを前回3週間分に減らしていることに気づく。
 2週間分以上余っていたので、前回はそれで十分足りていたけれど、今回も3週間分だと当然足りなくなる。お腹の調子が保たれているのはミヤのおかげであるので、足りなくなってお腹の調子が悪いまま新しいカドサイラに変更は怖い。
 Iさんが「今から主治医に電話をして追加変更できますよ」と言ってくださるので、申し訳ないがお願いする。この後大分待つかな、とちょっとしょぼくれていたけれど、それほど待たずに済んだ。それでも無駄に手を煩わせてしまった。やはりボケている。電子マネーで6,500円ほどの支払い。今日の病院と薬局での滞在時間は6時間強。

 ホテルに戻り、預けた荷物を受け取り、お手洗いを済ませて一つにまとめる。
 空腹だし、気持ちを上げて帰りたい。いつものパスタの気分ではない。駅ビルの新しいタイ料理レストランで、ガツンとトムヤンヌードルにした。
 紙エプロンをして、赤いスープを飛ばさないように頂く。ランチタイムは生春巻き付き。久しぶりに頂いたが、途中でやっぱりこの前美味しかったパッタイが良かったかも、とか隣の女性が選んだグリーンカレーも美味しそうだったかも、と目も胃も卑しい。これから食べられなくなることを身体が判っているようだ。

 快速電車に乗る前にお手洗いを済ませ、席を確保して文庫の残りを読み始めた。途中でどうしようもなく眠くなって本を閉じた。次に気づいたら、降りるべき駅の次の駅も過ぎていた。寝過ごした。はぁ・・・。
 それでも、次の駅だとホームが違って階段の上り下りをしなければならないので、却って1つのホームしかない駅に降りられて5分も待たずに電車が着いたのは不幸中の幸いだった。やはりボケている。

 私鉄に乗り換え、ショッピングセンターのポイントが溜まっていたのを思い出し、入浴剤を買って無事最寄り駅まで戻ってきた。なんだか頭がぼーっとしているのでケアレスミスが続いている。アウトレットモールのカフェで蜂蜜トッピングのカフェラテを頂いて、ちょっと頭を冷やす。まだ元気だったのでそのまま自宅まで歩いた。万歩計は6,000歩弱。
 
 帰宅後は大量の生協のお届け物を収納する。玄関をがたがたしていたら、会議が終わったという息子が気付いて取り入れを手伝ってくれた。有難い。収納を終えたら、がっくり。
 ろくに片付けも出来ず、年内の前泊の手配等をしているうちに夫がライナー定時で帰宅した。

 母にMeet通話。昨日記入した介護保険申請書をケアマネさんに持参したら、そのまま引き取ってくれて後はOKと言われたそうな。付き添いもしてくださるとのことで安心だ。下手に郵送しないで良かった。
 先日受診した検診の結果を聞きに行ったら特に問題なく、塩分の摂りすぎには注意するように、とのことだったそう。とはいえ、汗をかくから梅干し等ちゃんと食べていると自信ありげだった。
 そして、不要な陶器を小さい指定ごみ袋に3つ捨てたそう。上出来だ。気になっていた3つのことが済んだのでいい日だったとのこと、良かった良かった。明日からは不調でなかなかケア出来ないことも伝えて通話を切る。

 夫と息子の2人には夕食に生協で届いたきしめんやお蕎麦を食べてもらった。私はお昼が遅かったし、なんとなく気持ち悪いので、バナナスムージと桃を2かけが夕飯代わり。

 既にお腹が気持ち悪くなり始めているし、かなり疲れているけれど、このエンハーツの副作用も今回が最後。44クール、よく頑張ったと自分で自分を褒めてしまおう。
 来月は、15年半以上再発治療を続けていて初めて、1度も通院しなくてよいフリーの月を楽しもう。そして10月からは気を取り直して、カドサイラと再会だ。ありがとうエンハーツ、Goodbye エンハーツ!である。
 
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