ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2013.2.3 節分の日曜日

2013-02-03 22:03:30 | 読書
 昨日に比べてぐっと冷え込むという予報だったが、思いのほかお天気も良く、穏やかに暖かい節分の日曜日となった。今朝も目覚ましをかけずに、自然に目覚めるまでたっぷり睡眠をとった。

 遅い朝食の後、掃除を済ませ、夕飯の仕込みまで一気にやってしまう。
 午後、息子はスポーツクラブから塾の新学年ミーティングに直行。私は、夫と買い物の後、ヨガスタジオに向かった。昨日、5か月ぶりに参加したヨガベーシックの所為か、今日は若干体が痛むが、とにかく終わった後の爽快感には変えられない。今日は骨盤調整ヨガに参加したが、一度も脱落せずに最後まで頑張ることが出来た。忘れていたように汗腺から汗が噴き出してきて、頭の芯からスッキリする。

 さて、先日来読んだ本のご紹介を続けたい。
 上野正彦さんの「裏切られた死体」(朝日文庫)。
 帯には「-なぜ、その人は最後に苦しまなければいけなかったのか。2万体の死体を検視してきた監察医が綴った“幸せの形”とは、とある。そして「神様、助けて・・・」と。
 裏表紙には“「死んでもあなたを許さない」。最後まで嘘をつかざるをえなかった死体の寂しさとは何か。元東京都監察医務院長として2万体の死体を検視してきた著者が、“幸せな死体”と“不幸せな死体”-その事件の違いについて綴り、幸せの形に言及した感動のノンフィクション。”とある。

 それにしても、当然ながら描写があまりに詳細で、途中で体中が痛くなってきてしまった。
 飛び降り自殺をした人が次々と骨折して死に至る順序=両足が同時に地面に着いた瞬間、力は全て股関節頚部に加わり、その重みに耐えかね大腿骨頚部が骨折、次いでお尻が重いので尻餅をついて骨盤骨折、腰骨骨折。同時に、頭も重いからその衝撃でお辞儀をするように強く曲がり、首の骨が折れる。体はえびのようにれ曲がって、胸を自分の大腿骨にぶつけ、肋骨がバリバリと折れる。そして、反動でえび状に曲がった上半身が持ち上がって、逆に後ろへ倒れるから、最後は大の字にあおむけに寝たような状態になる=や、ほかにも白骨化・ミイラ化の違い、いまだ犯人が捕まっていない東京郊外のスーパーで起きた強盗事件で銃殺された被害者たちの状況、バラバラ殺人の方法などなど。

 うーん、「僕は自殺はしない。どうやっても痛そうだし苦しそうだから。だから一番楽に死ねそうな老衰にする、そこまで生きるから。」と言う息子ではないが、自分で自分の命を絶つなど、やはり絶対にダメだ。
 そういえば、TVドラマにも法医学教室の女性監察医を扱ったものがあった。その時の決め台詞は“遺体の最後の声に耳を傾けるのが私たちの役目”ということだったように記憶しているが、まさにその通りなのだな、と思う。決してごまかせないものなのだ。もちろん監察医に検死などされない死に方がいいに決まっているけれど・・・。
 いやはや、いろいろ考えさせられた一冊だった。

 夜は我が家恒例の豆まき。今年も夫が鬼役で、息子が各室で鬼を追いつめて豆まきをした。私はいつもどおりカメラマン。
 さて、明日からまた新しい1週間が始まる。久しぶりに体を動かして睡眠の質が良くなった気がする。こうして前向きになれているのも今の体調のおかげだ。少しでも長くこの状態が続きますように。
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2013.2.2 春ゼロ番の日に・・・つぼみの会参加後、ヨガ再開

2013-02-02 20:54:32 | 日記
 土曜日は、仕事がなくとも息子の登校のために目覚ましをかけるのだが、今日は入試休み。目覚ましから解放された。
 そうはいっても、いつもどおり何故か目は覚める。けれど、その後、またトロトロと眠れるのがとても幸せなひと時だ。

 ゆっくり起きて朝食を摂った後、たっぷりとたまった洗濯をする。午前中は雨模様だったが、日中は予報通りとても暖かい一日になった。
 明日は節分、明後日は立春。立春から春分の日の間に吹く南風が春一番とされているので、今日の南風は春一番とは呼べないそうだ。

 気温20度の予想では、さすがにいつものダウンコートでは暑すぎる。慌ててスプリングコートに替えて、昨年5月に大学レストランで開催して以来欠席していた“つぼみの会”に参加した。
 一昨年の2月、ほぼ四半世紀ぶりの再開以来、3カ月毎に地元と都心のターミナル駅界隈で交替に開催してきた。去年の8月は、合唱の練習前にちょっと顔を出しただけ、11月は日程が合わず参加出来ずじまいだった。今回も私の体調を慮って、勤務する大学のレストランで開催してくれるとのことだったが、あいにくレストランは貸切パーティで休業と分かり、急きょ場所の変更を余儀なくされた。
 明日では都合の悪いメンバーもいたので、今日の日は動かせず。そんなわけで、もう一人同じ最寄駅を使っているメンバーが、駅前の和食処を予約してくれて、今日の開催となった。
 午後から用のあるメンバーが途中で退席したり、逆に午前中の用を済ませて遅れて駆け付けるメンバーがいたりで、7名全員が一緒になることはなかったが、近況報告等それぞれが話しているうち、いつものようにあっという間に3時間ほどが経ってしまった。

 その足で、9月当初から休会していたヨガスタジオへ行った。フロントには以前からのインストラクターが2人いたけれど、随分スタッフの入れ替えがあった様子で、今日の担当インストラクターは初めての方だった。9月から異動されてきたとのこと、私とちょうど入れ替わりだ。
 丸々5か月ぶりなので、すっかり運動不足。途中でのびてしまうかも・・・と心配していたが、途中少し休んだものの最後までリタイアすることなく、ラストの安らぎのポーズまで楽しめた。代謝が悪くなっているので、汗の出も悪いだろうなと思いきや、あっという間に滲み出てきて、最後はびっしょり。スッキリして心なしか肩こりも腰痛も軽減したように思う。

 ゆっくりシャワーを浴びてサッパリした後、買い物をしながら帰宅した。本当に日が長くなった。今日の暖かさで行き交う人たちはすっかり薄着だ。そうはいっても明日はまたぐっと気温が下がるとのこと。風邪をひかないようにしなくては・・・。
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2013.2.1 再発治療開始から今日で5年経過

2013-02-01 20:26:28 | 日記
 今年も2月1日がやってきた。―これは去年の今日のブログと同じ書き出しだ。
 5年前の今日は、息子の中学受験本命校の日だったのと同時に、セカンドオピニオンのために、今通っている病院を初めて訪れた日である。
 切りの良いファースト・デーだからというわけでもないけれど、ダブルでヘビーな思い出の日。一生忘れることはないだろう。

 5年間こうして色々な治療を続けながらも命を繋げたこと・・・、ただ生き長らえているのではなくこうして普通の生活が続けられ、仕事も継続出来ていること・・・が、本当に有難く、心から嬉しい。

 考えてみれば、これは私のがんがHER2強陽性であることと無関係ではない。最近、「ハーセプチン(という分子標的薬)が使えなければ、きっと今頃3回忌の法要も終わっていたわよね。」と、同じ治療を続けている友人と話したこともある。
 というのもかつてHER2強陽性の乳がんは特にその悪性度が高く、予後が悪いものと言われていた。その後、瞬く間に研究が進み、今では、複数の新薬がその出番を待っている状態で、HER2強陽性患者の生存期間は延び続けている。
 けれど、その一方でHER2強陽性以外の多くの患者さんたちがハーセプチンに匹敵するような薬を待ち望んでいることも事実だ。こちらもどうか頑張ってほしいと思う。

 さて、息子の受験に際して「中学・高校という時期は、お子チャマの僕ちゃんから男に変わっていく時期なのです。」と、色々な男子校の説明会で教頭先生や校長先生が言われたけれど、本当にそうだ。
 息子はこの5年間で身長が30㎝近く、体重に至っては30㎏以上増え、私どころか夫までもあっという間に追い越してしまった。そろそろ身体面では打ち止めかな、と思う。もちろん、精神面はまだまだ発展途上だけれど、その成長していく姿を間近で見ることが出来たのだから、母としては至極満足だ。
 これが、仮に寮のある学校に通うことになっていたら、それはそれで淋しかったかもしれない(夫は、どんどん変わっていくであろう楽しい6年間を手放してしまうのは絶対もったいない、と言って寮のある学校への進学を反対した。)、と今では素直に思える。
 最初で最後の子育ても、いよいよ概ね終盤戦に差しかかってきたのだと思う。

 今頃、あの青いNバックを背負った沢山の小学校6年生が一生懸命問題を解いているのだろう、と想うと今でも鼻がツンとしてくる。
 今年も、今日のこの日に電車に乗ることがなかったから、受験生親子とは遭遇しなかったし、昨日までもそれらしい姿の子供たちも目にすることはなかった。
 お天気が良く、都内では13度まで気温が上がるということで、コンディションは良かったのではないか。
 この数年間、色々なことを我慢して頑張ってきた全ての子どもたち。その子にとって一番良い結果が一日も早く届きますように、と静かに願いたい。

 息子は、例年通り通学している学校の入試期間で、今日からお休み(いや、自宅学習期間である。)。来年の今頃は、自分が大学受験真っ只中。果たしてどんな日々を送っているだろうか。

 親がかり・塾主導の中学受験と違って、今度は本人主体。未来を切り開くために自力で乗り切ってもらうしかない。
 せめて何とか今の体調のまま、“母の不調”で彼の足を引っ張ることがないように、心静かに伴走してあげられたら・・・と願っている。
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