以前は時代小説なんて、ぜんぜん興味なくて読まなかったのだが、
最近けっこう読むようになった。とはいえ、武士社会の小説はだめ。
好きなのは江戸の町人がメインになっている宇江佐真理や佐伯泰英の作品だ。
それで江戸東京博物館に一度行きたいと思っていたのだが、
ここは今改装中で一部しか見られないことがわかった。
そのとき、ちょうど読んでいた「江戸の人になってみる」というエッセイで
深川江戸資料館を知り、おもしろそうなのでこっちに行ってみた。
入口から入ると、町屋の屋根が見下ろせる。
館内は照明によって周期的に昼と夜が繰り返される。このときは夜。
大店の表。
こちらは夜になって、明かりがもれる船宿。
どの家も室内に上がれる。
河岸には猪牙舟がもやってあり、夜には月が投影されて、風情がある。
時間によって、雪が舞ったりもした。
江戸ではおなじみの二八そば屋台。
ほかに、茶屋や天ぷら屋もあった。
住まいは細かいところまで作りこまれていて、この洗濯物干しは
現代にも通じる形をしていた。
長屋の狭さはわかっていたが、実物を見てみると、ほんとに狭いなあと思う。
隣家との壁はすごく薄いし、棟と棟とのあいだもごく狭い路地だ。
広大な敷地を持っていた武家屋敷に対して、町人は狭い土地に
押し込められていたというのが実感される。
おみやげに、起こし文はがきというのを2枚買ってきた。船宿と大店。
ちょいちょいとすぐに作れるだろうと思ったのだが、意外に手間がかかった。
細部まできちんと作られていて、なかなかおもしろい。