先日、愛西市観光協会がやっている木曽川観光船に乗ってきた。
週間予報で晴れが確定した1週間前に予約した。
当日は気持ちのいい快晴だった。
木曽川の葛木港に9時半集合。参加者は7名(定員12名)だった。
葛木港に停泊する葛木丸。
船頭さんが2名に、ボランティアガイドがつく。
船は木曽川を下っていき、やがて立田大橋の下流にある船頭平閘門へと入る。
これが観光船ルートの目玉だ。水位の違う木曽川と長良川を行き来するための閘門は
パナマ運河のミニ版だ。合図の鐘を鳴らすと係の人が閘門の開閉を操作する。
船頭さんが鐘を鳴らすためのひもを引き寄せているところ。
たまたまわたしが一番近いところにいたので、わたしがひもを引いた。
かなり大きな音だった。鳴らしたあと、船は少し後退して待機。
観光船が来ることがわかっていたため、中の水位は木曽川に合わせてあったので、
すぐに閘門は開かれた。
中(閘室)に入ると、長良川の水位に合わせるよう、水が注入される。
これは、ポンプで注入しているわけではなく、長良川に続くパイプを開くだけ。
2mほどの差があったが、水位はぐんぐん上がっていき、長良川へ続く閘門が開く。
長良川へ出たあと、少し川をさかのぼる。木曽三川公園の展望タワーが見えた。
右の橋は長良川大橋。
ボートのスピードもあって、船の上はかなりの風当たりだった。
橋の手前でUターンして、ふたたび船頭平閘門へ入る。
今度は木曽川の水位に合わせて、水を抜く。
このあと、船頭平河川公園で下りて、木曽川文庫を見学。
ここは小さな資料館で、展示物も多くはないのだが、閘門を通過するのに劣らず
今回のハイライトだった。船頭さんの話では、こちらの館員さんは見学者が訪れるのを
心待ちにしているそうで、熱のこもった語り口もさることながら、内容がひじょうに
興味深かった。
ここの公園内にデ・レーケの像がある。
デ・レーケの名前は前から知っていたが、くわしい仕事の内容は知らなかった。
今回、それを知って、驚愕した!
現在、木曽川、長良川、揖斐川はきれいに並んで海に注ぎ込んでいるが、
こういう形になったのは、明治になってから、デ・レーケを招いて
三川分流工事を行った結果なのだという。ほんと、感動!!
それ以前は、今より細い長良川に、木曽川が合流していたそう。
つまり、現在、海に注ぎ込んでいる木曽川は存在しなかったのだ!
ここにあった船頭平村は工事によって、木曽川の川底に沈んでしまった。
改修前の地図を見たが、細い川が錯綜していて、洪水が絶えなかったというのも
なるほどとうなずけた。それにしても、なんという大工事だろう。
しかも、機械など使わず、人力で。加えて、日清・日露戦争当時のこととて、
男たちは戦争に駆り出され、地元の女性たちの労働力が大きかったという。
女性たちは子や孫が水害に遭わずにすむようにと汗水流して頑張ったのだった。
現在、ここを通るのは漁船とレジャーボートが主だという。
通過料はなんと無料。
このあと、また船に戻って、木曽川をさかのぼり、葛木港へ。
サギやら、カモやら、名前も知らない水鳥が川面にはいっぱい。
船が進んでいくと、鳥たちはいっせいに飛び立つのだけど、
なぜか船の進行方向に降り立つものだから、何度も何度も
飛び立っては降り立つのを繰り返して、すごく楽しかった。
小さくてわかりづらいが――
港に戻ったのがほぼ12時。2時間半のツアーだった。
この充実の内容で、参加費が千円って、お得すぎる!
このあと、木曽三川公園の展望タワーに上って、三つの川を俯瞰。
海津温泉にも寄ろうと思っていたが、気分が乗らなかったので、今回はやめにした。
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