今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

レッカー車&湯沢の花火と混浴露天風呂(その2)

2016年08月21日 | 秘湯、露天風呂

  愛車を大宮のディーラーに預け、車のオーナーの仲間を自宅まで送り、大宮から川越ICに入りドライブ再開。新車でノンストップの快適走行だが、予定外のトラブルで一日目予定の水上町の「奥平温泉 遊神館」と「猿ヶ京温泉 湖城閣」はパスし、越後湯沢のナスパへ5時過ぎに到着する。部屋に落ち着いた後、夕食がてら一杯やりに街まで降りる。へぎ蕎麦で人気の「中野屋」に入って、まずは生ビールで波乱万丈の到着を祝し乾杯。へぎ蕎麦と天麩羅を肴に、日本酒は越後魚沼の「八海山」、「鶴齢」。端麗タイプの大好きな酒で一日の疲れを飛ばす。

 翌朝、オリンピック卓球で深夜・早朝放送に寝不足な目を擦りつつ、ナスパに併設のニューオータニのホールでバイキング形式の。お盆価格か朝食にしてはチトお高い2500円の朝食を摂る。子供が多くせわしい朝飯である。

  二日目の予定は近場の温泉と決めていた。10時過ぎにナスパを出て、今回は参加していない仲間の夫婦が前々日まで宿泊していたとの写真入りのメールが届いた「五十沢温泉へと向う。なんの変哲も無い平野の真ん中の温泉旅館。湯量豊富な掛け流しの天然温泉と混浴の大露天風呂が有名だ。硫黄の匂いがほのかな優しい泉質の露天風呂。相棒と風呂の縁に腰を掛け30分近く話込む。早い時間だったためか我々以外の客はいない。外の駐車場の音からボチボチと立ち寄り客は到着したようだ。入れ替わりにカップルとすれ違った。後ろ髪が引かれたが・・・

 五十沢温泉を出て後、初めての魚沼スカイラインへと向う。八箇峠から清津峡入口までの尾根道。峠から登り始めて直ぐに小雨がパラつき始める。晴れていれば八海山や津南・野沢方面の絶景が楽しめそうだ。道幅も狭くスカイラインというと言うより尾根道の林道に舗装した感じである。

 尾根道にビルマ戦死者の大きな慰霊塔が有る。地元の連隊がビルマに派遣されたのだろうか、壮絶な戦いの中多くの戦死者が出たという。遺族の思いが伝わる施設だ。すれ違う車は殆ど無い中、小雨降る魚沼スカイラインを走破。麓に降りると雨は止む。花火は見れそうだ。さて、湯沢のスーパーに立ち寄り、花火見物の酒と肴の仕込みだ。

 買い出しが終わりナスパに車を置いた後、夕飯兼晩酌に歩いて湯沢の町へ。駅前通りの飲み屋「どん呑」に入る。湯沢に泊まる際には必ず寄っている店である。東京の下町から来たキップのいい若夫婦で営業していたが、店に入ると店主と女将がチト違う。店の女性に聞いてみると経営を交替したそうだ。くだんの女性が若女将で聞くと地元塩沢の出身だそうだ。経営者は変わったがメニューは引き続いているのが嬉しい。ふき味噌と馬刺し等店の定番を頼んで生ビールの後に冷酒で「鶴齢」を注文。その後「麒麟山」とお店の秘蔵酒を「銘柄忘れた・・」を呑むうちにソロソロ花火の開演が近いので店を後にする。

 花火会場はマンション前の駐車場。缶ビールや缶焼酎の無料配布。子供にはお菓子、日本酒もある。マンション組合有志の皆さんのご芳志とのことで有難い。花火は隅田川や長岡とは比較にはならないが向かいの山肌で打ち上げる。小規模でも纏まり、東京では中々見れないので目の前で見るだけに圧巻であった。

 三日目はお盆休みの最終日でもあり、早めの出発。越後湯沢駅前に車を止めて構内で土産と軽い朝食を摂る。高速に乗らずに三国峠を越えて水上町の「たくみの里」へ。「たくみの里」は工芸関係などの店や体験ができるエリアだ。今度ゆっくり来てみようと思う。早い昼食を取り月夜野ICへは午後1時頃。渋滞も無く順調に川越ICへ到着し、高速から離脱して大宮へ一般道を走る。大宮で直前で突然の雨の洗礼を受ける。まずは仲間を大宮で下して、オジン一人で車を返却に友人宅へ。土砂降りの雨の中、大宮で皆と待ち合わせる。東京・上野ラインは乗ったことが無いというので、京浜東北線をでなく、東京上野ラインのボックス席で上野まで。 それにしても三芳のGSの整備士さんと大宮の仲間には頭が上がらない。

 後日、車を引き取りに大宮へ。ATミッション取替えも覚悟していたが、ATミッションのセンサー二個の取替えで済んだのは有難たかった。

 どこに行くにせよ、次回は、絶対に電車じゃ ! ! !」

 


岩手は「鉛温泉」、「大沢温泉」新緑・深緑織り成す名湯行脚

2016年05月17日 | 秘湯、露天風呂

  ゴールデン連休明けの五月半ば、いつもの仲間七人と岩手・花巻の温泉郷へ二泊三日の旅。馴染みのビューの企画旅行「地温泉シリーズ」、今回は地温泉31湯の内の2湯、「鉛温泉」と「大沢温泉」を連泊旅行。東京から北上までの新幹線利用、北上から東北本線で花巻へ。当然のごとく、列車の旅では東京駅から早速の酒盛り開始となる。

 花巻に正午過ぎ到着。新花巻温泉郷行きの市バスは二時間後となれば昼食は市役所近くの「やぶ屋」までブーラリ、ブラリと腹ごなし。やぶ屋では「わんこ蕎麦」を初体験するぞとの気合はあるが、参加者二人以上とのこと仲間を募るが皆は尻込み、已む無く「三色蕎麦定食」に変更。食後、かつては賑わっただろう閑散とした通りをブラブラと歩きながら駅前に戻り、駅前の「酒屋」で旅館での部屋酒の買出しに入る。

 花巻駅前のロータリーのバス停ベンチで地元の女性とあれこれ話で時間を潰して岩手交通バスに乗る。途中、賑やかに小学生が乗り込む、乗り遅れた子供を次のバス停で待つ風景は田舎ならではの暖かさを感じる。終点一つ前の「鉛温泉」でバスを降りる。新緑と深緑のコントラストが初夏の訪れを眩しく彩っているこの時期は格別の感がある。湯治部と旅館部の別れ道の案内に従い旅館部に。

 一泊目の「鉛温泉・藤三旅館」は、日本一深く立ちながら入る風呂「白猿の湯」で有名。天然の岩風呂で源泉掛け流しで底の岩盤から温泉が湧き出している。歴史を感じる天井の高い木造の湯屋の雰囲気は他の温泉では到底味わえない。混浴だが女性の時間帯は設けられている。宿には様々な風呂があり、全風呂制覇は無理のようだ。

 内風呂と川のせせらぎを間近にする野趣溢れた露天風呂の「桂の湯」。白糸の滝を目の前にした展望半露天風呂の「白糸の湯」など。何れも水量豊富な豊沢川の流れのせせらぎと新緑を見ながら温泉は体に嬉しい。長期の湯治客用の湯治部があり入り口は別だが本館とは中で繋がっている。食料から雑貨まで売っている店も館内に有る。

 夕食時には宿の地酒「南部関」が付いてきたが、花巻駅前で買った地酒の四合瓶「南部美人」を持ち込む。南部杜氏の発祥の地、酒も通好みの南部の肴に合う、旨みのある酒である。部屋でも「南部関」を呑む。

 この旅館、綾瀬はるか、広瀬すず、夏帆と「ウッジョ Wood Job!!」の長澤まさみが出演する「海街dairy」のロケ地であることが判明。宿泊したそうだ。昨年の日本アカデミー賞にエントリーされた作品ということ、是非、DVDを見なければ・・ 

 翌朝、二泊目の大沢温泉に向うが、その前には途中の「山ノ神温泉」へ立ち寄る。シャトルバスに乗り約10分、山ノ神温泉に到着し1500円で昼食付き入浴券を購入。ヒノキの柱、梁を使った大浴室と日差しが眩しい露天風呂にゆったりと浸る。PHが9.2と高く相当にヌルヌルとした泉質は嬉しい。昼食は館内のお洒落なレストランで蕎麦定食を肴にビールや日本酒で軽くやる。鉛温泉や大沢温泉と比較すると各室ともベッドルームが多いようで明らかにホテルである。

  大沢温泉へはシャトルバスを使わずに歩いて行くことにした。日差しの眩しい山間の道を歩き暫くすると大沢温泉までの真ん中近くに「昭和の学校」が現れる。既に廃校になった前田小学校を利用し、「校長先生」が昭和の店や文化を約5万点の展示物で自力で蒐集したそうだ。「三丁目の夕日」で出ていたミゼットも展示されている。洋服屋、理髪店、カメラ屋、文房具、ブロマイド、映画館、洋服屋など等、昭和の匂いが満載な学校である。昭和真っ盛りに育った我々爺さんには懐かしいものばかり。当初の懐疑的な思いは見事裏切られ、立ち寄って良かったとの感想。寄贈できる昭和レトロで家に何か無いものかと考えた。

   炎天下の中、歩くこと約30分、いよいよ当初の目的「大沢温泉 山水閣」にやってきた。温泉入り口近くの酒屋で同じくビール、ハイボール、地酒などを仕込む。老舗温泉旅館なのだが、エントランスは近代的なホテルそのものだ。部屋に案内される。渓流沿いの広い窓は、窓の全面が新緑と深緑のカンバス。空も山も見えないが、渓流の水音のバックグラウンドで素晴らしい絵を見ているようだ。この時期ならではのご馳走である。廊下続きの湯治屋は、長逗留のお客のために藤三旅館と同じく、質素で旧い歴史を感じる木の宿である。勿論、自炊できる厨房と何でも売っている売り場もある。

 大沢温泉を代表する風呂は、湯治館のはずれの渓流沿いにある「大沢の湯」である。広々とした露天で渓流の景色が満喫できるという。混浴ではあるが女性タイムが設けられているので、翌朝6時から解禁後のお楽しみとする。まずは、湯治屋から川を渡ったところの大沢温泉系列の菊水館の「南部の湯」に入ることとした。渓流に面した二階の角部屋にあり木をふんだんに使った落ち着いたられた半露天風呂だ。山水館の「豊沢の湯」は、半露天風呂で渓流に面し対岸の素晴らしい緑を楽しむ美しい湯である。PHが9以上の肌がすべすべとする泉質で落ち着いて入れる温泉である。そのほかにも湯はあるが、前日の鉛温泉でも温泉三昧、飲酒と湯あたりに気をつけて翌朝に回すこととする。夜の食事は個室で魅力的な仲居さんとの会話が弾み、ついつい持ち込み酒も脇に忘れて宿のお薦めの地酒をお銚子とボトルで注文する。

 翌朝、新鉛温泉初のシャトルバスで沿線の温泉旅館を巡り新幹線の新花巻へ。駅レンタカーでボックスワゴンに乗り換え、北上ICをパスし中尊寺近くの厳美渓へと高速を走る。花巻空港ICから一関ICまで約40分、一関ICから約15分で厳美渓に着く。国の名勝天然記念物に指定されているという。ミニチュア版との印象だが、渓谷の造形美のエッセンスを集めた風景はなかなか他には見られない。周遊道は30分弱、吊橋からの眺めもいい。腹ごなしの周遊後、駐車場近くの蕎麦屋「まるきや」に入る。「冷やしにしん蕎麦」を注文、汁はやや濃い目だが蕎麦はしっかりして旨い。皆のビールを横目に、運転しているのでノンアルコールビールを飲む。場所やシチュエーションとは関係なく相変わらず旨くない。

 食後、厳美渓からほぼ一直線に走り約10分、道路の全面の岩窟に掘られた赤い寺「達谷西光寺」が現れる。1200年前の東征の征夷大将軍の坂上田村麻呂の創建と伝えらる窟毘沙門堂である。岩壁に掘られた大仏(大日如来)、本州最北の磨崖仏だという。

 北上でレンタカーを乗り捨て、北上駅から新幹線に乗車。車内販売のお姐さんに散々と世話になりながら、ビールや日本酒でチビチビと。気がつくと大宮。いよいよ好天気に恵まれた今年の旅行も終盤。さて、秋の旅行は何処へと思うと・・・・