四国は松山、坊ちゃんの故里である。愛媛は2年前に四国中央市に仕事で立ち寄り、帰りに梅錦酒造の本社で「梅錦」を四升買って帰った覚えがある。
今回の松山は業界団体の総会参加と業界主催の展示会の仕事が主である。羽田から松山空港へ、そこからJR松山駅までリムジン、懐かしい市電の走る駅前の食堂だか飲み屋で昼うどんを食べて坊ちゃん球場にタクシーで直行。坊ちゃん球場の隣の立派な武道館が総会場、運動広場が展示ブースの会場でどこも準備で大忙しである。夕方近くまで展示ブースの仕事を済ませ、これから3泊世話になるホテルへ直行、まずはチェックイン。
夕刻、翌日のOB飲み会の居酒屋の下見。松山中心街の大街道の「三越」の近くだ。下見は場所の確認のみ、仲間がタクシーの運ちゃんから魚が旨くて安いと云われた「壺々炉」へ。魚料理がメインである。なるほどに魚が旨い。酒は当然に愛媛の酒である。ご存知四国中央の「梅錦」、志津川の「小富士」、松山の「雪雀」。辛口とは云っても大体に濃醇なので甘口に感じる。〆は鯛めしと決めていた。鯛めしには鯛の刺身を乗せ、お出汁をかける「宇和島風鯛めし」と、鯛のそぼろにお出汁をかけて食べる「北条風鯛めし」とがあるそうだ。タクシーの運ちゃん談によると「宇和島風」がお薦めだそうだ。店に入る時に確認したら宇和島風とのこと。まずは安心。そして、〆の鯛めしは旨かった。その後、皆と別れ、仲間の一人とホテル近くの焼き鳥専門店「秋吉」へ。カウンターで洒落た感じの焼き鳥屋である。客層は若く値段はまあまあである。
翌日は、いよいよ総会の始まりと、二日間の展示会。総会の合間でも、全国からの顧客の応接に結構忙しい。二日目の夜は予定の「なが坂」での約30名の宴会。ここのシステムの追加は、ビールにしても燗酒にしても空にした器との交換である。聞くところによるとこれが関西では普通とのこと。極めて合理的だが無粋ではある。馴染めない。
宴会も終わり、大街道近くの「ひなた」での我社の飲み会の後半戦に参加する。うなぎの寝床のような会場で小半時後、先ほど別れた元同僚から再三のTEL(SOS)。先ほど終えたOB宴会の仲間等と近くのスナックで「なが坂」での流れとのこと。社の宴会では料理の大半を残して殆ど飲む間もなく中座。
3日目は、一時の忙しさの後、ブースは落ち着きを取り戻す。総会も終了し道後温泉近くの「ひめぎんホール」での閉幕のレセプション。ホテルへ戻った後、松山市電でのんびりと出向く。閉幕セレモニーも早々に名物の「じゃこ天」を頬張りながら「梅錦」を立ち飲み。適当なところでブースの準備・応対をしてくれた社員の待つ、打ち上げ会場の二番町の「酒八」に直行。会場では地元松山の地酒の純米酒「伊予の薄墨桜」、飲みやすいやさしい酒を堪能する。
翌日は、レンタカーを借りて内子町へ。先般の牛肉騒ぎの真っ最中に開催された宮崎市での関連業界の全国総会で知り合った方へのお約束の訪問である。ついでに歴史を感じさせる内子の町並みと、今なお健在な内子座を見学。奈落を地下に入り直に見て、舞台に立つ。半纏を着て仲間とポーズの記念撮影。
内子町も早々に、今までいた松山の道後温泉へ舞い戻る。そうです、松山に来て道後温泉に入らないなど一生の悔いを残すところだった。道後温泉では二階での1400円の浴衣とお茶のセットコース。ただし、1時間限定で結構忙しい。二・三階客専用の風呂の後、一般客用の大風呂へと移動。いずれも石造りの歴史を感じる風呂だが一般用の風呂のほうが、開放感や風情がある。時間ギリギリに皇室専用の玉座・風呂・厠を見学、漱石お気に入りの部屋などを見て早々に退館。2時も過ぎ、福山までの「しまなみ海道」経由には十分な時間がない。今治までは一般道を走り「しまなみ海道」へ辿り着く。ICから入りばなのSAで来島海峡を望んだきりで、ゆっくりするまでも無く福山へ直行。
福山駅でレンタカーを乗り捨てた後、東京までの約4時間の新幹線の旅。途中、大阪で同行の仲間二人と別れてビールをチビチビの一人旅。ここんとこ、囲碁の定石本をほったらかし。代わりに挑戦しているナンプレ(超難問・秀逸編にようやく到達)にも些か疲れて居眠りをする内に東京駅のコール。疲れたの実感。