前々週の北九州とさ程遠くはない山口に新幹線で東京を立つ。新山口には昼過ぎに到着。前夜遅くで指定席は取ってはいたが、3人席のど真ん中。長旅なので一列車早いが、自由席後部の二人席に確保。PCで仕事しながらの旅は意外と時間の感覚が無い。
それにしても、忙しい出張である。新山口(旧 小郡)に到着後、僅か十数分を特急列車で山口まで移動。駅そばを忙しくかっ込んで、荷物をコインロッカーに預けてタクシーで山口県庁と山口市役所に。
山口県庁、流石に歴代首相を配しただけある、美しく威厳に満ちた建物である。県庁前の道も広く美しい。明治以来の長い歴史を感じさせる。(写真は県庁ではない)
山口県・市での仕事も終えた後、夕刻に新山口(小郡といったほうが馴染みやすい)に戻り、駅前のビジネスホテルチェックイン。荷物を部屋に置き、直ちにロビーへ集合。
さて、そこからが問題である。見知らぬ土地で飲み屋を探すのはいつも難しい。まずはホテルタイアップの飲み屋マップで街の地理を概略把握。
当てもないまま飲み屋の看板と品書きを覗き歩くうち、後ろから束髪の老人から声をかけられる。「なにかお探しでは?」。とんで火に入る、か?、天の救いかと「五橋を飲ませる店はないですか?」と尋ねて、ご老人曰く「私の知ってる店でよろしかったら」と。
なんとホテルの裏のビル1階。「さくら道」、時間も早いせいか客はいない。カウンターが4人、奥に二人掛けのテーブルが一つのこじんまりとした店である。女将さんが一人、常連さんが中心そうなファミリーな雰囲気。四人組のこと常連さんに申し訳ないと思いつつも全てのカウンターを占拠。早速「五橋」を注文。女将との会話も新鮮で楽しい。お通しの一つに「赤あわび」は珍しい。赤あわびは柔らかく和え物や酒盗にすると旨い。我々が酒好き判断したのか、女将お薦めの地酒「長門峡」を出してくれる。
そのうち、仲間の一人が歌いたいというので、二階のスナック?「クラブ 二条」を女将から介される。さらに携帯で値段交渉もしてくれる。有難いことだ。交渉成立、仲間の皆さん中々の芸人ぞろい、続けざまに鬱憤を晴らすがごとくに曲を次々に入力。そのうち、他の夫婦連れのお客さんグループも入り、旦那には申し訳ないが仁義無きデュエットに突入。気のいい仲間がパチパチとデジカメ。「おんと゛りゃあぁぁ・・デジカメ消せやぁ」と旦那から一括。気の弱い私はその前に、やさしいママさんに見送られて仲間を残し早々に離脱。
とはいっても、「さくら道」の女将に教えられた気になる店に行くためだ。三階の日本酒バー「eau de vie(オー・デ・ビュー)」である。利酒士の和服の美人が経営している店があると1階の女将に教わった。山口にはめった来る機会が無い。然らば、是非にも立ち寄るべし。
ということで、ひとり3階へ。照明を落としたカウンターメインの店内。バーらしく、棚には地酒を中心とした日本酒がズラリと並んでいる。ワイングラスでじっくりと味わうようだ。肴は最初の出された三種の「あて」のみとのこと。それもまたいい。利酒士について、地酒の四方山話などに花が咲く。その間、お薦めの地酒「竹鶴」、「金雀」を小さめのグラスで賞味させてくれる。ママさんの薦める酒は、解説付きで特徴のある古酒など旨い酒、されでも、さりげなさのいい雰囲気がある。
カウンターの隅にいた広島からきたという営業マン?さんと意気投合。彼から翌日に泊まり予定の福山情報を教わり、ついでに福山のお薦め店情報をゲット。
翌朝、JRを使い宇部市での会議に往復した後に新山口に戻る。新山口から広島への乗り換え15分の間にホテル裏の酒屋に直行。自分用に「五橋」2升を自宅に送り届け、急ぎ新幹線ホームへ駆け足。そして、次の予定地広島へと向かう。