今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

古都・小郡(新山口)駅前の一角で

2011年11月23日 | お酒

 前々週の北九州とさ程遠くはない山口に新幹線で東京を立つ。新山口には昼過ぎに到着。前夜遅くで指定席は取ってはいたが、3人席のど真ん中。長旅なので一列車早いが、自由席後部の二人席に確保。PCで仕事しながらの旅は意外と時間の感覚が無い。Img_3841

  それにしても、忙しい出張である。新山口(旧 小郡)に到着後、僅か十数分を特急列車で山口まで移動。駅そばを忙しくかっ込んで、荷物をコインロッカーに預けてタクシーで山口県庁と山口市役所に。

 山口県庁、流石に歴代首相を配しただけある、美しく威厳に満ちた建物である。県庁前の道も広く美しい。明治以来の長い歴史を感じさせる。(写真は県庁ではない)

 山口県・市での仕事も終えた後、夕刻に新山口(小郡といったほうが馴染みやすい)に戻り、駅前のビジネスホテルチェックイン。荷物を部屋に置き、直ちにロビーへ集合。

 Img_3849さて、そこからが問題である。見知らぬ土地で飲み屋を探すのはいつも難しい。まずはホテルタイアップの飲み屋マップで街の地理を概略把握。

当てもないまま飲み屋の看板と品書きを覗き歩くうち、後ろから束髪の老人から声をかけられる。「なにかお探しでは?」。とんで火に入る、か?、天の救いかと「五橋を飲ませる店はないですか?」と尋ねて、ご老人曰く「私の知ってる店でよろしかったら」と。

  なんとホテルの裏のビル1階。「さくら道」、時間も早いせいか客はいない。カウンターが4人、奥に二人掛けのテーブルが一つのこじんまりとした店である。女将さんが一人、常連さんが中心そうなファミリーな雰囲気。四人組のこと常連さんに申し訳ないと思いつつも全てのカウンターを占拠。早速「五橋」を注文。女将との会話も新鮮で楽しい。お通しの一つに「赤あわび」は珍しい。赤あわびは柔らかく和え物や酒盗にすると旨い。我々が酒好き判断したのか、女将お薦めの地酒「長門峡」を出してくれる。

 Img_3852そのうち、仲間の一人が歌いたいというので、二階のスナック?「クラブ 二条」を女将から介される。さらに携帯で値段交渉もしてくれる。有難いことだ。交渉成立、仲間の皆さん中々の芸人ぞろい、続けざまに鬱憤を晴らすがごとくに曲を次々に入力。そのうち、他の夫婦連れのお客さんグループも入り、旦那には申し訳ないが仁義無きデュエットに突入。気のいい仲間がパチパチとデジカメ。「おんと゛りゃあぁぁ・・デジカメ消せやぁ」と旦那から一括。気の弱い私はその前に、やさしいママさんに見送られて仲間を残し早々に離脱。

 とはいっても、「さくら道」の女将に教えられた気になる店に行くためだ。三階の日本酒バー「eau de vie(オー・デ・ビュー)」である。利酒士の和服の美人が経営している店があると1階の女将に教わった。山口にはめった来る機会が無い。然らば、是非にも立ち寄るべし。

 ということで、ひとり3階へ。照明を落としたカウンターメインの店内。バーらしく、棚には地酒を中心とした日本酒がズラリと並んでいる。ワイングラスでじっくりと味わうようだ。肴は最初の出された三種の「あて」のみとのこと。それもまたいい。利酒士について、地酒の四方山話などに花が咲く。その間、お薦めの地酒「竹鶴」、「金雀」を小さめのグラスで賞味させてくれる。ママさんの薦める酒は、解説付きで特徴のある古酒など旨い酒、されでも、さりげなさのいい雰囲気がある。

 カウンターの隅にいた広島からきたという営業マン?さんと意気投合。彼から翌日に泊まり予定の福山情報を教わり、ついでに福山のお薦め店情報をゲット。

 翌朝、JRを使い宇部市での会議に往復した後に新山口に戻る。新山口から広島への乗り換え15分の間にホテル裏の酒屋に直行。自分用に「五橋」2升を自宅に送り届け、急ぎ新幹線ホームへ駆け足。そして、次の予定地広島へと向かう。

 


2千m稜線の野天風呂

2011年11月13日 | お酒

 小倉での業界のイベントも無事終了、何処にも寄ることなく北九州空港から会社へ直行。溜まっている決裁を済ませて帰宅したのは七時は過ぎていただろうか。

 Img_3695 翌日の土曜は、仲間のアルファードの新車で長野へドライブ。行き先は、一昨年に家族で泊まった高峰温泉。今回は高崎市倉渕の合間川温泉経由。昼飯ついでにひとっ風呂。透明の内風呂と褐色の露天風呂を急ぎ足で浴びる。いずれもしょっぱい塩化泉。昼食は「お切り込み」、各種野菜のほか、長ネギ(下仁田ネギ?)と油揚げをとろとろになるまで煮込むのが特徴で、「ほうとう」と似てはいるものの、私的には甲州の「ほうとう」よりも旨いと思う。

 晴天の二度上げ峠を抜け北軽井沢へ、小浅間の峠から千代田区の保養施設のある軽井沢プリンス通りを抜け、国道のバイパスの高原通りを小諸へと向かう。高峰高原へ向かう道は高度が上がるに連れ紅葉も濃くなる。2千メートルの稜線近くでは紅葉の終盤?と多彩な顔を見せてくれる。

 Img_3702 高峰温泉は一昨年の7月以来の3度目ではあるが何回でも違う顔がある。今回は新たに作った野天風呂なる露天風呂が新しい。脱衣籠を持ち稜線伝いに50m先に作られた櫓の上に屋根もない脱衣所と4人も入れば一杯の風呂場が作られている。

 尾根筋の露天風呂は実に気持ちがいい。景色が眺められる昼間もいいが、星空を見ながらの夜もまたいい。

 気分よく風呂に入り、星空観望会で年甲斐もなくロマンチックな気分になるが、仲間はおっさんばかりで酒の肴にもならない。今回の日本酒は、宿の燗酒を飲んだ後、部屋では島崎藤村が詩に詠んだという小諸大塚酒造の「純米生酒 浅間嶽 献寿」を飲む。高度が高いせいか持ち込みのカンビールが胃の中で弾けているようで量がいかない。

 さて、翌日は車で稜線伝いに池の平。池の平では極軽いハイキング。それでも普段の不養生、酷く息が上がっていた。

 Img_3780 帰りは、湯の丸からナビにない新しい自動車専用道を走り、佐久を経由しコスモス街道沿いに走る。目的は初谷温泉。「ショヤオンセン」と読む。胃腸に良く効くという炭酸泉が売りである。立ち寄り湯を表立ってはおこなってはいない。あまり知られていないが「日本秘湯を守る会」の提灯があった。ここもかと、少しがっかりである。

炭酸泉の感覚はあまりない。湯船は透明な湯船とやや茶褐色の小さな湯船である。コスモス街道から狭い道を入ったわかりづらい立地で静かな湯治気分にはいいだろう。

 下仁田で苦労して探した下仁田葱を購入し一路アキバへ。都内の道から運転を交代する。

 この日は、震災で本祭りが出来なかったことから、区長肝いりで神田明神の神輿を仕立てることになった。町会連合での渡御の日でもある。

 旅行予定はそれ以前のため隣接町会の役員も旅行仲間にいる。 神輿渡御も秋葉原界隈から神社に戻った頃を見計らい、アキバに帰着し、そうそうに解散となる。前週の九州からの疲れもありまっつぐ帰宅となる。

 


小倉・魚町のあたりでブラブラ

2011年11月12日 | お酒

 業界恒例のイベントが北九州市(小倉)で開催された。羽田から北九州空港へ。空港は周防灘に浮かぶ海上空港である。東日本震災の津波のイメージがあるためか多少の不安は残る。リムジンバスは門司の半島を横切って小倉へ到着。土地勘がないせいか下関が目の前が何故か解せない。

  駅近くのビジネスホテルに荷物を預け、まずは会社のブース設営のために西日本総合展示場に向かう。駅前の展示場のブースでは、はや、作業も真っ盛り。静岡工場からの展示品も届き設置作業など。パネルなどの作業も一段落しホテルに戻る。

 翌日からの展示ブースの成功を口実に、かつ気合を入れるために名前は思い出さないが駅前のコレットの一角へ。

 会場設営メンバーで店は満員状態。盛り上がる皆を残し魚町観天街方面の偵察。小倉での飲食街で有名なのは魚町付近だそうだ。日本初のアーケード商店街である魚町観天街を中心にした飲み屋街である。

 観天街周辺をブラブラ観察しているうちに「小倉再生酒場」へ入る。日本酒はほとんどなく焼酎系である。元職場のメンバーに携帯でお暇ならと誘う。Img_3637

 翌日からは、立ちっぱなしのブースでの接客の連続。他社のブースの「偵察」兼「息抜き」もままならない。初日も終了し、社の慰労会もそこそこにに元職のOBさん等約30名と居酒屋「コール天魚町店」へ。一時間ほど忙しく歓談し次の会合へ。

 

 10数年前の研究団体主催のアメリカ視察旅行グループとの懇親会。魚町二丁目の旬鮮ダイニング「凛屋 魚町店」。すでに前日の魚町偵察で、店の場所は確認済みで一直線。店も和風の個室でインテリアも洒落ている。懐かしいメンバーと落ち着いて機会が持てた。料理もお洒落でボリュームもある。日本酒は熊本から駆けつけた仲間にちなんで「美少年」とする。

 まだ話足りないないが所定時間オーバーで店を後にする。店を出て次の店探しにウロウロするわけにいかない。ほんの少し先に前夜の「小倉再生酒場」があり入る。「マッコリ」で積もる話の続きをする。Img_3639

 

最終日も無事業務終了。会場に隣接したホールでの立食式の全体懇親会に出席。乾杯と同時に真っ先に小倉名物「焼きうどん」へと並ぶ。流石に人気はある。二日間もあったが会場を抜け出ることが出来なかったため魚町の「焼きうどん」の有名店で食べ損なったからだ。会場では、小倉名物の食彩と地酒も振舞われていたが、広い会場の挨拶周りで飲み食いしている暇はない。

 

 主な挨拶を終えたところで、会場を後にし目と鼻の先の下関へJRで向かう。「ふく」を食しに行こうというわけだ。新下関からタクシーで壇ノ浦を通り過ぎ、「みもすそ川別館」へ。同行のメンバーが、以前奥さんと泊まって評判がよかったと予約した店である。

 大きな皿に本場のふくの刺身は、透き通るほどに皿の絵柄が美しく旨い。現在、山口の酒の代表は「獺祭」といわれているが、「五橋」は「獺祭」とは違い、あっさりとしに和食に相性のよい旨い酒である。双方飲み較べながら「ふく」のオジヤも食べ終える。満腹である。

 満腹になったところで、宿泊予定の皆さんを残し一人小倉へトンボ帰り。小倉ではブースで頑張ってくれたメンバーをホテルの居酒屋「つぼ八」で待たせている。厳密に言えば三次会である。

 

小倉の街は、歴史的にも九州の玄関口として、魚町に限らずさぞや奥が深いことだろうと推測できる。

 翌朝、チェックアウト後のホテルに荷物を預け、霧雨降る小倉城八坂神社側から入り見学。細川忠興が築造した堂々とした城郭が美しい。

 午後から会社に戻る都合で時間も無くあわただしく駅方面に戻る。少し時間がほしいが今度の機会にすることとした。しかし、今度はいつになることやら?