10数年ぶりの最大級の台風18号上陸。日本縦断して、木曜日に足早にオホーツクへ去っていった。三連休の土曜に岩手北上の山奥、「夏油温泉」への旅行を控えて、狭い崖道で崩れているんじゃあないかと気にかかる。前日まで、何回か電話しても繋がらない。しからば、「なんとかなるさ!」とばかり予定通りに決行。酒とつまみで重いクーラーボックスを担いで、新幹線で仲間7人と合流。近くの席の皆さんには大目に見て貰いましょうと、席に着くなり車内宴会の開始。
新幹線で旅館と連絡が取れた。送迎バスは予定通りとのこと。ひとまず安心。東北新幹線北上駅で降りて、季節外れだが、タクシーで桜の名勝「展勝地」へ。昼飯かたがた、レストハウスで地酒「鬼剣舞」を注文。肴にお新香、鰹のなまりを二人で一つ、それぞれ4つを注文。テーブルに運ばれてきたそれを見て驚く。量が半端じゃない。頼みすぎかと反省するが実に旨い!。早速、パックを貰い宿での肴にと持ち帰り。
時間的にも展望台に行くのが精一杯。台風一過の素晴らしい北上の景色を堪能し、迎えのタクシーで北上駅へ戻る。駅前で「南部美人」「酔仙」を仕込んで送迎バスで一路「夏油温泉」へ。
途中の和賀川は台風の影響で黄濁していたが、渓谷に入り夏油川はそれほどでもない。心配した崖には台風の影響は見られない。日帰り客の対向車も多く、ということは温泉は大丈夫ということか。
「元湯夏油」は4つの露天風呂(眞湯、大湯、筅気の湯、女の湯)と2つの内湯と女性専用の外湯がある。昔から、地元では湯治場として有名だそうだ。露天風呂は脱衣所は男女別だが中は一つの混浴である。
宿に着くなり、まずは露天に直行。全ての露天に入る。中でも眞湯は丁度湯加減がよく、大湯は湯温は熱いが気持ちがいい。ただし、川沿いのむき出しの筅気の湯はぬるく、女(め)の湯は台風の影響で湯張り中で湯が少なく寝そべって入る。
眞湯からは大湯へは、浴衣のまま踝まで川に浸かり、痛いぐらいの冷たい水に悲鳴を上げながら遡上する。大湯では小うるさい常連が「今日は客が多くて、何時もと較べて湯の色が良くない」とか「湯の入り方を知らない」とか勝手にブツブツ言っていた。当然に無視。 夕刻、どちらかと言うと質素な宿の料理を肴に、サービスの熱燗と買ってきた「南部美人」で夜の宴会。
翌朝、前日には、常連から朝は熱くて入れるもんじゃないと脅された大湯。皆は熱いと聞いて敬遠するが、常連の独り占めはいけないよと、誰もいない大湯に向かう。清々しい朝の大湯は、確かに熱いが入れない程ではない。草津の滝之湯のほうが熱い。湯上がりが気持ちがいい。全体的に夏油は湯治場で美人の湯、婦人病に効くとのせいか、 どの湯にもご婦人が入っている。オープンな露天風呂だ。
宿を後にして、東北本線北上駅から「中尊寺」へ。気が付くと「中尊寺」は始めてだった。印象は評判の金色堂はなんと言うことはないが、「讃衡蔵」の阿弥陀如来像、薬師如来像は見る価値がある。
参道の帰り道の蕎麦屋の「義家」で昼飯の蕎麦定食を肴に、燗酒と冷酒で休憩。いい気分になったところで、循環バスで一ノ関での電車待ちの合間に「毛越寺」へ。広々とした庭園を有する「毛越寺」は、「中尊寺」より印象が良かった。
台風の影響に気疲れしたが、久しぶりだが、いつもの仲間との旅は楽しいものだ。さて、次は来年の春頃に何処に行くか。