大津での金曜日の会合を終えて、京都駅前のビュッフェスタイルの串揚げ「串屋物語」で一口サイズの何でもありの串を揚げながらの一杯の後、駅前のビジネスホテルに泊まる。翌日、同年配の同僚の待つ京田辺へ京阪電車で向かう。向かいに来てくれた同僚の車で、まずは中学の修学旅行以来の法隆寺、中宮寺へ。唐招提寺も確か初めての拝観で、新鮮な気持ちだ。
法隆寺は時節柄、修学旅行で賑わっている。自分の時は中学の修学旅行、全く覚えていない。今時の修学旅行は、昔と比較してももっと忙しいのだろう。一つの建物には5分も時間がかけられないようだ。拝観入り口から出るまで15分後とのガイドさんのマイクが響く。思い出は枕投げも頷ける。今は、旅行後の感想文はインターネットがあるから便利だ。
法隆寺の金堂の釈迦如来像、阿弥陀如来像、薬師如来像などの外、周りを警護する最古の四天王像など国宝、重文クラスの仏像群や極彩色の壁画を拝観する。法隆寺から近くの中宮寺に、学生達の喧騒はない。法隆寺とは一転少ない仏像ではあるが菩薩半跏像(伝如意輪観音)を前に堂に正座して解説の音声に聞き入る。観音像の含む笑みが、至高の芸術性を感じさせる。
中宮寺から鑑真和尚の唐招提寺へ。いつかは参拝したいとは思いつつ中々機会がなく、この歳で漸くという感である。大きな駐車場にはバスの姿はなく不思議に安堵する。狭い道路に面した地味な受付を入ると、中は静かに緑に満ちていた。古く威厳のある金堂。中央に本尊・盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像、何れも国宝級の四天王像ほか多くの天像らに守られる姿にはただ圧倒される。新宝蔵では木彫仏像を中心とした新宝蔵では金堂創建時の瓦も収蔵されている。
境内の奥に鑑真和尚の墓が苔むした林の中にひっそりとしていた。境内の外縁近くを戒壇に向かう。鑑真が受戒を授けたとする戒壇は、外から見るだけだが見る価値は十分にある。
たっぷりと拝謁させてもらい、帰るに適当な時間である。もと来た京阪の京田辺へと戻る。京都駅では新幹線へは何時乗ってもいいと、暫し、お土産屋のひしめく駅ビル内の老舗焼き鳥屋で生ビールで軽く一杯。そして、今、来た新幹線に飛び乗る。