日御崎から、もと来た道を相変わらず点滅信号の宍道湖を右に見て松江に。途中、松江イングリッシュガーデンに立ち寄る。駐車場、拝観料無料が有難い公共のイギリス庭園である。庭師の女性とガーデン築造、適した植物の苦労話など聞きながら、素晴らしい庭を急ぎ足で拝見。浅田次郎の小説で幾ばくかの庭の知識を得ていたためか庭師の女性の話にも興味が沸く。時間があればもう少し見たいと思う。
夕方は駅前の「野屋」で前職場の発表者の激励会。30人も入れば一杯の二階の掘りごたつ式の部屋は満員状態。発表会へは、近年になく14人がエントリー、既に大半が終えほっとした顔が目立つ。翌日の最終日に予定している数人はまだ緊張気味である。
翌日は午前中に発表は終了。最後の発表を聞いて予め予約を入れてあるレンタカー営業所に向かう。先ずは松江城を見学。歴史と格式の高い城郭と武家屋敷をぐるりと一周する。
松江城を後にして、高速道路で約350本にも及ぶ大量な古代の銅剣が発見された荒神谷遺跡へと向かう。当時は大騒ぎであったことを思い出す。発掘場所は、以外にも、何の特徴もない静かな山の斜面。都会に近ければ土産物屋や食堂などで賑わうはずである。公共の荒神谷博物館とレストハウスが一軒のみである。昼に近いので昼食を取る。前日、前々日に引き続き出雲そばである。
銅剣の輝きと等身代のレプリカの重さに、当時の戦いを想い不思議に感動を覚える。
遺跡から高速にのり安来市にある足立美術館に向かう。横山大観や竹内栖鳳、北大路櫓山人の美術品と世界一が謳い文句の日本庭園が有名である。また、何時来るかも知れない島根の旅なので、この際に是非に寄ることとした。少ない時間であったが素晴らしい庭園と本物の横山大観などの絵画を鑑賞して米子へと向かう。
午後四時近く、米子で京都に帰る仲間と別れる。なんとか予約の取れた夜遅くの飛行機便で帰るまでの時間を、一人境港までひとっ走り。
夕方のゲゲゲの故郷境港、鬼太郎の着ぐるみが商店街をブラブラ手を振って歩いてはいるが観光客も殆どいず静かだった。鬼太郎空港(米子空港)を横目に見て、もと来た道を米子駅前まで。駅前でレンタカーを返し駅前で一人飲みと決める。40数年前の学生時代に広島経由の単身旅行で、駅前で飲み屋に入った思い出の地である。
駅前通り沿いの海鮮居酒屋「旬門」に入る。カウンター席に案内される。多分、夫婦での旅行だろう隣に座る。そのほかにも夫婦ものと思われるカップルが多い。鳥取の「いなだ姫」などの地酒の肴に、刺身の三種盛り、ノドグロの塩焼きなどを頼む。
生ビールと地酒を三種3合程度飲んだか。夜9時の航空便に間に合わせるために急ピッチに仕上げる。後ろ髪を引かれる思い出で夜の鬼太郎電車に。何とか日が改まるまでにはアキバに到着。翌日の現場での利根川の水質問題処理を思うと酔いもすっかり醒め、気が重い。