土曜の朝、秋葉原の中央口から10人乗りのハイエースワゴンにビールや酎ハイの缶詰を積み込み、上州・酒と露天風呂の旅へ。学生時代からの遊び仲間7人での半年振りの旅行である。
まずは、ダム建設で水没予定の群馬県川原湯温泉。数年前、温泉街の入り口近くの見晴らしのいい高台にダム建設事務所が引き湯をして露天風呂を作った聖天露天風呂がある。簡素な小屋がけの混浴露天風呂である。更衣室はなく小屋の壁の棚に衣類を置くだけである。混浴とは言え女性には中々勇気がいる風呂だ。
入り口の石段を登り詰め、入浴料の100円玉を箱の中に入れるとチャリーンと優雅な音が響く。仄かな硫黄分の匂いと透明なお湯は、熱からず冷たからず実に気持ちがいい。水没する川原湯駅近辺を見渡せる景色は、ここも近々水没するかと思うと残念な気がする。
しかし、感傷は禁物、 これからは地球規模の温暖化で異常気象(洪水と旱魃)が予想される。関東の洪水対策と水がめの安全率の向上に必要なダムの一つだろう。
さて、バイパスに補償移転した浅間酒造は観光センターになって盛況だ。浅間山の見えるセンターに着くなり売店の利き酒コーナーで全種類を試飲。十割蕎麦を肴に、お得な「秘幻」の大吟醸、吟醸原酒、本醸造の利き酒三点セットを注文。当然に「お神」の運転はここまで、運転役を交代し、いい気持となる。
旅館での飲む酒を購入し、宿泊予定の川床から温泉が湧き出ている尻焼温泉へ一直線。「ホテル光山荘」に着くなり、浴衣に着替えタオル一本持って川に。質素な湯小屋の先の堰堤の下で高校生の男女のグループが遊んでいる。その脇の岩場にはスッポンポンのおっさんが見せびらかすように寝そべっている。隠しゃあいいのに隠さない。多分、露出狂のおっさんだろう。
そんなおっさんを無視して、すべる河床に足をとられながらもお湯が噴き出ているところを必死に探す。ようやく見つけたところも水量が多いせいか結構ぬるい。水量の少ない冬場がいいらしい。体が冷えてきたので、堪らず湯小屋に避難。天国と地獄。ここで湯質の良さを実感。
宿の風呂は大きく、たっぷりとした湯量、泉質とも文句はない。夕食は大部屋、他に二組、家族連れである。ビールと燗酒を予め注文。追加料理はなし。以前ブログで「品数が多く満足」と書いてあった。正解だ。持ち込みの「秘幻」も飲みながらでは食べきれない。結局、ご飯はおにぎりにしてもらい部屋に。
翌朝早く、川床露天に行くと湯小屋に妙齢の女性が入っていた。脱衣所は湯小屋の壁の棚、湯上がりと浴衣を付けるのを見ないようする。これも気遣いである。
さて、得したような損したような気分で川原湯温泉を後にする。次なる目的地は草津の「西(サイ)の河原大露天風呂」。まだ雪の残るスキー場の駐車場に車を止め、歩くこと5分で湯気が沸き立つ西の河原だ。広々とした新しい綺麗な露天風呂、草津らしい硫黄の香りが心地よい。
川原湯、尻焼、草津と贅沢な露天風呂巡りをして一路アキバへ。レンタカーを返して運転から解放。いつもの反省会は秋葉原東口のやきとんの「とら八」へ。ここで晴れて御神酒にありつく。