懐かしい甲州路、どんづまり秘湯行脚で10数年前に仲間と訪れた「十谷温泉」に再来。前はアキバから車でワゴンで往復だが、今回は新宿から特急「かいじ」で甲府まで。まずは、甲府駅前のB1グランプリ「鳥モツ煮」の発祥の店「奥藤本店」へ。ソバと山菜天ぷら、そして「鳥モツ煮」を注文。甘いたれの鳥モツは二人で一つが適当だったか。
食後甲府駅前の「武田信玄像」に挨拶の後、甲府の駅レンタカーで「セレナ」をレンタル。借りたセレナは実質6人乗りタイプ。昨秋の御宿泊りの南房総の旅で借りたセレナは広い7人乗りだったので疑いもなくオーダー。後の祭りだが、7人乗っても違反ではないそうなので「まっ・いいか!!」
甲府から身延街道を走り、まずは旅館呑みの地酒を購入のため市川大門の酒蔵「春鶯轉」へ。与謝野鉄幹・晶子ゆかりの酒造である。酒蔵が資料館で500円払えば全種類の利き酒が可能。当然、運転は人に任せて旅館での酒選びのため?に利き酒に挑戦。
市川大門から身延街道へ入り、富士川沿いの快適なドライブで大柳川渓谷の入り口の鰍沢から右折。いよいよ十谷への道に入る。昔のままだ。どこにも立ち寄らずに一気に「十谷温泉」に到着した。宿では女将が出迎えてくれた。十年前の部屋と同じである。部屋に落ち着き、まずは吊り橋の連続で有名な大柳川渓谷の散歩へと出る。歩道や吊り橋が大分整備されているが上り降りは厳しい。激しい急流と渓谷美を背景に、秋はさぞや美しいと思うが深緑の四月も十分に美しい。まだまだ歩きたい気分だが、宿への戻りの上り坂を考えて途中で引き返す。
自慢の天狗風呂は宿の外、4~5分の大きな堰堤の脇に突き出るように立っている六角堂風の木造の建物だ。天狗風呂は女性の専用時間はあるが、それ以外は混浴である。湯船に突き出すような巨大な天狗の鼻から、温めてはいるが豊富な温泉(単純硫黄冷鉱泉)が噴出している。もちろんヒノキの内風呂もある。
客は我々だけ、女将との会話を楽しみながら豊富な山菜中心の食事をとる。女将が地酒という宿の日本酒を注文する。仲間が女将にどこの地酒かと聞くと「地酒は地酒じゃ!!」といなされる。そのとおり!!。
翌日は朝一から富士川沿いに一路、百名山の「甘利山」へ。途中かICから高速に乗り、八ヶ岳の雄姿を正面に見て快適なドライブ。ICで降り、甘利山に向かうが山開きまで一週間早く、無情にもゲートは閉鎖中。すぐさま方針転換、立ち寄り湯の名湯「韮崎旭温泉」へ。畑の真ん中の一軒家の趣。老人ホームの井戸堀の時に掘り当てた「炭酸泉」。細かい泡が体にびっしりと纏わりつく、気持ちが良いことこの上ない。しかし、風呂場まで付いてきて解説するオジサンには、有難いやら鬱陶しいやら。
「韮崎旭温泉」から韮崎の「武田八幡宮」へ。この地は武田家発祥の地であり終焉の地でもある。その後、新府城址周辺の「新府の桃源郷」へと向かい、しばし南アルプスを背景に終わりかけた桃畑と菜の花の群落に目の保養をする。
街道沿いのホウトウの「小作」で昼食、自分は「冷やしホウトウ」を注文。食後、甲府市内に戻り特急列車の指定時刻まで「武田神社」へ。「水琴窟」の微かに「キーン」と響く水音を聞く。列車の旅と駅レンタカーのセットでの旅行も疲れなくてよい。