山の仕事で高知入り。最近稼働した木質バイオマイス発電所と製材所を視察のため、昼に集合場所の高知空港に到着。発電所で詳しい説明と質疑応答の後、四時過ぎにホテルへチェックイン。海側に面した高層階。曇天の夕方、高知の市街の通勤ラッシュが始まったようだ。
ホテルの室で暫しの休息の後、視察メンバーと会食のため市内若松町の焼肉店「ジュージュ亭」へ。店主は高知で初めてオーストラリアの食肉公社から選ばれた「食肉コンサルタント」とのこと。こじんまりとした店内ではあるが賑やかな会食が始まる。一口大にカッティングされたカルビやハラミなどをレアでいただく。次から次へと上等な肉が運ばれ大満足。酒はビール、焼酎、ソフトドリンクなど真ん中のテーブルで自前で用意。日本酒は「一本〆」、博多の酒のようだ。飲み口がすっきりして焼肉に良く合う。9時近く、後ろ髪を引かれる思いで2次会に向う皆と別れる。前日での群馬の懸案を翌朝までに会社にメールしなければならない。翌日の高知の夜に思いを馳せ、ジュージュ亭のマスターの運転する車で送られ一人ホテルへ。
翌日、製材所視察のため小雨の高速で向う。山間部に入るにつれ高速の車窓に流れる山肌のもう少しの紅葉であっても雨模様の中に鮮やかになってくる。小雨降りしきる中、木材の集積場やシステマチックに流れる工場を見学。発電所、製材所共に森林組合が経営に関与している。それでも軌道に乗るのは数年後とのこと。
製材所を後にし、これからの木造建築の木材ダークホースといわれているCLTの工事現場を視察。なお、CLTとは日本語では直交集成材と言う。一枚の板でなく数枚の板を接着剤で直角に組み合わせて張り付けてある板のこと。強度があると言うが接着剤の問題が懸念される。
空港で視察チームの解散後、二日目の宿泊先のはりやま橋近くのホテルまで送ってもらう。
さて、一日の視察で帰るにはもったいないと事前に別なホテルに延泊予約。七年ぶりの高知入り。水道関係団体の仕事で寄った前回は、月曜朝の役所訪問でもあり日曜日に独り前のり。日曜夜は、ご多分にもれず帯屋町もひっそりとしていた。ブラブラと飲み匂いに誘われ大通りを渡り路地の飲み屋街で一軒の赤提灯「四万十」に入る。暫くして常連さんの一団と遅くまで大盛り上がり、焼酎をご馳走になった記憶がある。
金曜の夜は、前回と比べても帯屋町は賑やかであり「ひろめ広場」も面白そうだが、先ずは「四万十に入る。七年前と変わらない。店主の釣った魚、ドライにしカウンターの上に吊るしてある。前と変わらない。店のお酒は土佐の地酒「桂月」。燗酒でいただく。辛口でもなく若干酸味があり、お薦めの魚によく合う。ビール大瓶と燗酒3合いただく。常連さん中心のお店の雰囲気に不思議に安心する。
さて、「四万十」を後にし、まずは燗酒ランキング第二位の「船中八策」を飲ませる店を探す。なかなか見つからない中、帯屋町通りの「長宗我部」の看板に「船中八策」とある。早速、突入、賑わっている店内、カウンター奥に席を確保。メニューには嬉しいことに「うつぼのたたき」、「どろめ」もあり、早速注文。酒は勿論「純米 生酛 船中八策」を注文。だがしかし、お姐さん曰く燗酒はできないという。なんたること、純米生酛を燗酒で賞味できないとは。仕方なく常温でいただくが、これまた十分に旨い。
翌朝、前回(約7年前)は忙しく訪問できなかった名城「高知城」。今回はユックリと見学させてもらう。雨でレンタカー会社までズブ濡れになりながら辿りつき、駐車場探しに苦労しつつなんとか高知城大手門に辿り着く。野面積みの石垣と重厚な門構えは圧倒的な迫力がある。我家のルーツは幕末近くに江戸城の門を修復した棟梁だと親父から伝えられている。いつものことながらお城の門を見ると血が騒ぐ。 門を潜ると聳える高知城に威圧感を覚える。長い登りの石階段を歩くに付け城の姿が代わる。不落の城はこうあるべきだろうと実感する。城の内部は他の城と然程違いがない。天守閣からの景色は、高知平野を睥睨し城主の圧倒的な権威を作り出す。どんよりと垂れ込めた低い雲が山の中腹にたなびき、重畳する山並みのシルエットを鮮やかに表し360度が一連一服の絵となっている。
高知城を後にして、南国市の天然温泉「ながおか温泉」で昼食と航空便の時間調整をすることとした。「ながおか温泉」の泉質はPHは7.5前後、つるつるとして肌触りがよく、肌や神経痛、筋肉痛に効くという。なるほど、ほどよい心地よさがある。叩きつけるような打たせ湯やスーパージャグジーなど痛気持ちよい。なお、プールやフィットネスもあるが雨模様のせいか空いている。ゆっくりと温泉に浸かり、レンタカーを空港に乗り捨て30分前には空港に到着。出発便の遅れがあったが約二時間半後にはアキバに到着。人気土産の塩ケンピをツマミに角ハイで落ち着く。