今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

浅草橋「明よし」への伝言

2008年07月21日 | お酒

 千葉京成ホテル「ミラマーレ」での会合後の懇親会。和洋折衷の料理の飲み放題だが、テーブルをあっちこっちと渡り歩いて、大先輩諸氏にご挨拶。ゆっくりと食べる暇無く、ただ飲むだけでお開きとなる。青山の仙人も同席していたので、帰り道久々に浅草橋明よし」に。

 7月はじめの高湯温泉の帰り道、会津の「栄川酒造」に寄った折、利き酒ができる「ゆっ蔵」の社員から、「明よし」の旦那によろしくと言われた。「栄川」を飲ませる店の話の時、ガード沿い前の店からの付き合いだという。

 生きのいい刺身も食いたくなった。伝言を伝えに寄るかということになる。時折、満席で入れないこともある。木曜日の八時半過ぎ、扉を開けると店は半分近くの入り。L字カウンターの奥に席をとる。相変わらず元気のいい掛け声の大将、忙しく立ち回っている。元気の良さでは近隣の飲み屋では右に出るものは見当たらないだろう。

 ホテルでしっかり飲んでいても「まずはビール!」。「栄川酒造」の伝言を伝え、刺身を二品、ビールのあとは、勿論「栄川」の燗酒を注文。

 それにしても70才に近い仙人、南青山に自宅を立替え、益々元気。ご酒を旨そうにお飲みになる。先般の高湯温泉玉子湯旅行でも我々以上に元気に歩いている。元気の源は何なのか、心当たりがないではない。まずはOB会の世話役など面倒見がよろしい。そして健啖家であり、よく歩く。毎日のご酒も欠かさないようだ。


人形町の老舗「笹新」

2008年07月19日 | お酒

 夕方、出先から直帰。秋葉原へ早めに着いたので「今についた。飯!」と帰るコール。連絡したとたん用事を思い出し日比谷線で人形町へ。用事を済ませて時計を見ると、まだ五時半。これは好機とばかりに、早速、甘酒横丁の「笹新」へ。土日以外はなかなか来るチャンスがない。この機を逃すと何時になるやらと思い「帰るコール」を2時間先送りし、暖簾をくぐる。変則コの字のカウンターとテーブル席が二つばかり。 24~5人ぐらいでいっぱいか。二人連れ以上だとなかなか入れない理由も分かるような気がする。Cimg7137

 カウンターには熟年夫婦と会社同僚らしい中年男女の二人組が。それと常連さんが一人。まだ空いている。ゆったりとカウンターの真ん中に席を取る。カウンターの上には数種類の魚の煮付けなどの大皿がところ狭しと並んでいる。黒板のメニューを見る間もなく、ついつい目の前の銀だらの煮付けと空豆を注文。一人ではビールの大瓶は少し多過ぎる気がするが、喉が渇いているので実に旨い。空豆は二人分くらいの量があり十分すぎる。燗酒(澤の鶴?)と併せてイカの煮付けを注文。煮付けはしっかり濃いめの味付けで酒の肴にぴったりである。黒板や店の壁札にもいろいろのメニューが並んでいる。

 煮魚や刺身も多くどれも食指が動く。ポテトサラダなど300円代のメニューもしっかり用意してある。勘定も目の前の皿に百円区切りらしいプラスチックの色札を放り込んで最後に集計する。色札で大体の勘定の察しが付く。

 六時も過ぎると会社帰りや常連さんも次々と入ってくる。中年の夫婦者らしきカップルが多いのは肴の豊富さと、人形町という雰囲気の割に気楽に寄れる単価のせいか。今回は若い者3人が切り盛りしていたが、古来からの居酒屋の伝統を残す店「笹新」である。


浅草で「ゆんたく泡盛」

2008年07月18日 | お酒

 浅草の本所吾妻橋アサヒビールビル通称「う○こビル」隣の「墨田リバーサイド」で「泡盛ゆんたく会」が開かれた。この会は泡盛の酒造の青年部主催、沖縄で開催されていたそうだ。数年前からは本土で開かれるようになった。

 沖縄開催の初め頃から参加していた仲間から数年前から誘われていた。ここにきて晴れて参加することが叶った。日本酒党のお神(じん)としては泡盛の味は焼酎を物差しに測るしかないが、この際、泡盛の味を知るいい機会だ。Cimg7092

 開会と同時に、長い列の人気銘柄を尻目に虚ろな記憶の久米島の「古酒 久米仙」へ直行。実に口当たりがよく旨い。その後、3人の「ミス泡盛」との記念撮影を交えて各種銘柄を飲みまくる。何回も往復するうち酔いが回り何を飲んだか記憶から飛んでしまった。

 会も終盤、銘酒の抽選会が始まり、仲間9人の内5人が当選。お神も窯瓶の「玉友の古酒」が当たる。仲間の一人は「残波」の三升窯瓶。実に完勝である。Photo

 会の終了後、一人一本づつそれぞれの酒造からお土産が用意され、お神は金武酒造の「龍(たつ)」も頂戴した。

 仲間連中と戦利品を片手に隅田川の川風で気分良く二次会へ。浅草寺近くのキャパシティのある」「ニュー浅草」へ。土曜の8時すぎ、さすが浅草、大繁盛で大提灯の階段をトコトコ三階まで。初めての三階、ここも満席。老若男女混在、土曜でも結構世代が若い。人気店であることに改めて敬服。

 それにしても評判の「泡盛」は口当たりが良く旨みもある。総体としてはすっきりして飲み口が心地よい。焼酎を通り越して好きになる連中の気持ちも分かる気がする。


「玉子湯」の卒業旅行

2008年07月07日 | お酒

  「 高湯温泉」の「玉子湯」、懸案であった仲間の三ヶ月遅れの卒業旅行。厳密には再任用で卒業と言えるかは疑問だが、まあ、「温泉に出かける口実」というとこか。Cimg6916

 朝、秋葉原和泉小学校前の通りから仲間のミニバンでスタート。福島西ICで降り、丁度12時、福島市の老舗蕎麦屋「喜多屋」へ直行。運転役に遠慮しつつ、名物の手打ち蕎麦と「青ばた豆腐」、「にしん棒煮」を肴に地元福島の「栄川」、「花泉」の冷酒を注文。やはり旅先では昼酒は欠かせない。

 福島市から走ること約30分町並みが途切れ磐梯吾妻スカイラインの入口、高湯温泉へ到着。この高湯温泉は、山形の蔵王温泉、白布温泉と並んで東北の三高湯と呼ばれているそうだ。駅から近く家族連れで電車の旅には適している。一昨年の野地温泉よりも近い感がする。

 高湯温泉の入り口の「玉子湯」は創業140年の老舗旅館。なかなか予約が取りづらい宿と聞いているが、立ち寄りは可能だそうだ。Cimg6949Cimg6924

まずは、露天風呂へ。ここの風呂はすべて男女別で、女性専用の露天も別にある。女性に人気のある所以だろう。

 「天翔の湯」(左)と「天渓の湯」(右)は男女交代制だが、いずれも広々とした白濁の掛け流しである。仲間は熱いというが、お神にとっては湯加減は丁度よろしい。

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  宿の露天でひと風呂浴びた後、タオルを片手にブラブラと村の立ち寄り湯である「あったか湯」へ。まだ新しい立ち寄り湯であるが、泉質は殆ど変わらない。木風呂と岩風呂の半露天風呂があり、男性用は木風呂であったが見晴らしはあまりよくない。休憩所での飲食が制限されているのも難点である。250円の入浴料ではむべなるかな。

 夕食時、宿のメニューの福島・末広酒造の「壺中春 生酒」を注文。青森を故郷とする仲間が持ち込んだ青森黒石の地酒「特別純米 亀吉」と飲み比べ。すっきりした旨みが飲みやすい。青森の尾崎酒造の「安東水軍」は部屋飲みとした。福島市内で「奈良萬」を購入する予定だったが、昼酒ですっかり忘れてしまった。

 Cimg6954 宿由来の「玉子湯」は創業以前からの茅葺の風情を残し、脱衣所と湯槽の境のない質素な作りだ。湯小屋の周りには小さな源泉が2箇所あり、コンコンと白い源泉が湧き出している。いずれの泉質も同じで白濁し、口に含むと酸性(PH2.8)が強いせいか酸っぱい味がする。飲泉は不可だが、うがいには効果があるようだ。

 Cimg6996 翌朝は当初予想に反して快晴。気分良くスカイラインをドライブし、つばくろ谷の絶景を見た後、吾妻小富士の湿原散策。途中、横向温泉の本館へ立ち寄る。受付もなく湯治場の雰囲気すぎる。昼飯時でもあり帰りの時間も考えると次の機会に譲ることにする。

 レイクラインを左に秋元湖、小野川湖を右に眺め、裏磐梯五色沼に到着。五色沼の写真スポット毘沙門沼は相変わらずの混雑。昼食をとった後、桧原湖側へと異動、分かりづらいるり沼を越え弁天沼まで探勝路を歩く。顔に纏わり付く虫を払いながらも神秘的な沼の風情を堪能する。Cimg7023

ゴールドラインを抜けたあたり、想定外に「栄川酒造」が出現。当然に利き酒タイム。飛んで火に入る夏の虫とばかりに、めいめいに6~7種類の利き酒をして、好きな銘柄を購入して帰路へ。

 途中、農協などに立ち寄り野菜の買いだし。猪苗代湖の西の国道を白河ICまで殆どノンストップの快適なドライブ。高速に乗り7時半近くに秋葉原に到着。

 運転手さん、運転中にお酒も飲まずにご苦労さんでござんした。


乳頭温泉郷「大人の休日」

2008年07月03日 | お酒

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大人の休日倶楽部を利用して二泊三日で乳頭温泉へ。東京駅発「こまち」の仲間と上野で合流。車内では、相棒達は座席を回転して、既にビールで盛り上がっている。さてこれからの3日間が容易に想像できる。

 Dsc04279 晴天の田沢湖駅を降り、駅前で宿用の日本酒を購入後、タクシーで湖畔のレストラン「ORAE」へ直行。特製のソーセージやピザなどを肴に自家製の金賞ビールで昼食をすませる。真っ青な湖を眺めながら湖畔を渡る風に吹かれて、ほろ酔い気分でブラブラと。乳頭温泉行きのバス停まで10分ばかり歩く。

 乳頭温泉郷終点、温泉郷の最奥「蟹場温泉」へ。まだ、夕食まで相当時間がある。ひと寝入りの後、この温泉の売り、露天風呂「唐子の湯」へ。宿の裏手からブナの森の間を100mぐらい歩いて行くと坂を下りた小川の脇に広々とした露天風呂が目に入る。脱衣場は男女別だが、中は混浴である。掛け流しの温泉で湯ノ花が浮いている単純硫黄泉の透明なお湯である。女性は抵抗があるかも。岩と木の男女別の内風呂もあり、特に木風呂は広々として木の温もりが気持ちが良い。Cimg6727

 Dsc04332 広間での食事は、山菜中心のどちらかというと皿の数の割に質素な構成。仙北の地酒「秀よし」のお燗が一本付いてきた。この「秀よし」田沢湖駅前でも仕入れてきた。やや甘口だが飲み口が優しい。燗酒を飲んだ後は、食事の席に持ち込んだ秀よしの「純米原酒 田沢湖」四合瓶を楽しむ。金曜日なので広間には2~3組。最終便で席を立つ。

 朝もやの「唐子の湯」でひと風呂浴びて、いよいよ一日行程の乳頭温泉めぐり。1500円で湯めぐり帳を購入し、「鶴の湯」まで小一時間のハイキング。鬱蒼たる山奥を水も持たずに湯めぐりセット(タオルだけ)を手にしての山行。これでサンダルだったら隣の風呂屋へちょいとという姿だ。

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 送迎バスでバス通りの分岐まで下る。10分も待たずに乳頭温泉行きのバスに乗り終点のひとつ前「妙の湯温泉」へ。河原沿いの露天「妙見の湯」へ直行。茶褐色の湯船、広々した川筋の堰堤の水しぶきと茶色の湯がマッチして、湯加減と雰囲気が最高である。内湯は、やや透明な緩和性単純泉「銀の湯」があり洗い場はシャンプーなどのセットもあり綺麗で充実している。受け付けの魅力的な女性が女将だろうか。玄関の清楚な生花が旅館の良さを感じさせる。女性に人気があるのが頷ける。Photo_3

  Cimg6802 。ついでに岩魚の骨酒二合を2つ注文。これから、ここの風呂に入ってから、空吹湿原を越えて黒湯温泉への山行を控えている。追加注文の輩の動きにストップをかける。

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 想定外とはこのことか、ホテルの風呂も十分楽しめる。露天風呂はやや茶色かかった湯船、内風呂はやや透明で泉質が違う。単純硫黄泉、炭酸水素塩泉の2種類の源泉はいづれも肌触りが良く温まる。次のハイキングを控えているので名残惜しいが早々に出発。

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山道を掻き分け約20分、水芭蕉の群生地といわれている空吹き湿原へ到着。水芭蕉のシーズンは終わり一面の葉畑。周りの風景も林に囲まれ地味。黒湯への道に迷うが偵察隊の御蔭で危うく難を脱する。

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黒湯温泉」は鄙びた山間の出湯の風情。湯めぐり帳も5箇所目のスタンプ押印。上の湯、下の湯があり、まずは上の露天に。露点風呂にはカップルの先客。女性はバスタオルを巻き入浴。旦那らしきお方は一見堅気の方ではなさそうな風情。「ごめんなんしょ!」とばかりにご隣浴。木作りの開放的な露天風呂は透明感のあるサラサラとした感覚。ここもまた他の湯とも趣の違ういい湯だ。次の「孫六温泉」もあり湯あたり防止で「下の湯」は覗くだけにした。

 Cimg6824 さて、5カ所目の「孫六温泉」は歩いてすぐのところにあった。川岸沿いにひっそりと佇んだ茅葺きの宿は、湯治場の雰囲気は乳頭温泉群でも一番だろう。露天風呂に直行。男女別の脱衣所を出ると中は混浴の内風呂があり、外には透明な単純泉の露天の岩風呂がある。風呂はやや小さいが、河原沿いにあり視界が開けている。「山の薬湯」と呼ばれている気持ちいい温泉である。Dsc04493

 夕食まで時間があるが、いささか湯疲れの感。締めくくりの「大釜温泉」は翌日の予定とする。宿に着いてから夕食までのお昼寝タイム。リフレッシュの後、部屋で刈穂の「六舟」で暫し歓談。勢いで夕食の席に買ってきた「純米吟醸 松声」の一升瓶を持ち込むと宿から「持ち込み代をいただきます」との事。この手の山奥の宿で持ち込み代を請求された経験は記憶にない。付いている燗酒と酒の追加で食事終了。さっさと部屋に戻り、「松声」の一升瓶と残っていた太平山の「澄月」で2次会。Cimg6725

 女性タイムが終了した頃を見計らい「唐子の湯」へ。ほろ酔い気分で、風呂の脇に大の字に寝そべり夜空を見ると満天の星空。都内では決して見ることが適わない星空の下、背中を流れる暖かい湯が睡魔を誘う。

  Photo_4 翌朝、九時の「大釜温泉」のオープンに合わせて宿を出る。宿の前にはバスツアーの一団が待機している。宿の計らいかツアーより時間を早めて入れてくれる。我々だけで心地よい露天を満喫する。田沢湖駅行きのバスの時間まで高原の風に吹かれて体を冷やす。

田沢湖駅前では、地元の農業高校の生徒達から学校で飼育した特製豚の焼き肉を振る舞ってもらう。これで角館での昼飯まで持ちそうだ。

 初めての角館での武家屋敷の見物も早々に、稲庭うどんの「十兵衛」へ。東京への帰りの時間はたっぷりとあるとばかり、ここでも地元の燗酒のお代わりで時間潰し。

 秋田の乳頭温泉郷、車で回れば簡単だが足で挑んだ二日間。梅雨時にもかかわらず、天気にも恵まれ全露天風呂を巡り終えた。いい大人の休日でした。