千葉は東金街道、鶴沢町の「安兵衛」で、この近くの前の職場の先輩と飲みながらの四方山話。この「安兵衛」、前は都町から鶴沢町に拡大移転したと聞いている。鶴沢小学校の近く、静かな町中の公園の隣にあり、酒場があるには似つかわしい。それでも六時過ぎからは食事ついでの家族連れや常連さんで混み始める。火曜日の夜で席は七分以上は埋まっている。先輩のいう人気店だというのが判る。
この店の大将は、若い頃、神田駿河台下の志乃だ寿司で修行したという。気風のよさそうな粋な感じが好印象である。メニューも定番ものに合わせて刺身などのメニューが豊富にある。白子のポン酢、自家製の塩辛、大根含煮など飲んべいの好きなオーソドックスな肴に千葉の銘酒「梅一輪吟醸」を1合瓶で数本。次なる「八海山本醸造」の4合瓶も空になり時計を見ると、すでに8時近く、先輩と後日を約して暫しのお別れ。
近くのバス停から丁度やってきた千葉駅までのバス乗る。座席に座って窓の外を見ると、バス停二つ目県庁そばの千葉市民ホールの「キボール」前で、気になる看板が目に付いた。「福粋」と書いてある。発車間際とっさにボタンを押して飛び降りる。
本千葉ビル地下にあった「福粋」が、ビルの建て替えに伴い中央に移転したと聞いていた。移転先がわからなかったが、先週、たまたま昔の同僚と合ったときキボールの近くに移転したと聞いていた。その内と探そうと思っていた矢先のことだ。昔のイメージとは違うお瀟洒なビルの2階の店に入る。すると、女将と祭り好きの娘さん懐かしい顔がいた。相変わらず二人で切り盛りしている。真新しい白木の広いカウンターがあり、清潔な感じといい前の店と雰囲気が似ている。
カウンターの端に座ろうとすると、カウンターの反対側の端で会釈する者がいる。一人で飲んでいたのは昔の職場の仲間で空いていた隣に移る。ここの酒は開店以来、秋田の「高清水」である。大先輩が開店にあたって、これぞということで探してきた日本酒だと聞いている。燗酒を注文し、懐かしい昔話や今の仲間の現況などなどに花を咲かせた。長い間、業務リーダーの団塊の世代が大量に退職した後、現場は苦労しているようだ。