今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

千葉での懐かしい出会い

2010年02月27日 | インポート

 千葉は東金街道、鶴沢町の「安兵衛」で、この近くの前の職場の先輩と飲みながらの四方山話。この「安兵衛」、前は都町から鶴沢町に拡大移転したと聞いている。鶴沢小学校の近く、静かな町中の公園の隣にあり、酒場があるには似つかわしい。それでも六時過ぎからは食事ついでの家族連れや常連さんで混み始める。火曜日の夜で席は七分以上は埋まっている。先輩のいう人気店だというのが判る。

 この店の大将は、若い頃、神田駿河台下の志乃だ寿司で修行したという。気風のよさそうな粋な感じが好印象である。メニューも定番ものに合わせて刺身などのメニューが豊富にある。白子のポン酢、自家製の塩辛、大根含煮など飲んべいの好きなオーソドックスな肴に千葉の銘酒「梅一輪吟醸」を1合瓶で数本。次なる「八海山本醸造」の4合瓶も空になり時計を見ると、すでに8時近く、先輩と後日を約して暫しのお別れ。

 近くのバス停から丁度やってきた千葉駅までのバス乗る。座席に座って窓の外を見ると、バス停二つ目県庁そばの千葉市民ホールの「キボール」前で、気になる看板が目に付いた。「福粋」と書いてある。発車間際とっさにボタンを押して飛び降りる。

 本千葉ビル地下にあった「福粋」が、ビルの建て替えに伴い中央に移転したと聞いていた。移転先がわからなかったが、先週、たまたま昔の同僚と合ったときキボールの近くに移転したと聞いていた。その内と探そうと思っていた矢先のことだ。昔のイメージとは違うお瀟洒なビルの2階の店に入る。すると、女将と祭り好きの娘さん懐かしい顔がいた。相変わらず二人で切り盛りしている。真新しい白木の広いカウンターがあり、清潔な感じといい前の店と雰囲気が似ている。

 カウンターの端に座ろうとすると、カウンターの反対側の端で会釈する者がいる。一人で飲んでいたのは昔の職場の仲間で空いていた隣に移る。ここの酒は開店以来、秋田の「高清水」である。大先輩が開店にあたって、これぞということで探してきた日本酒だと聞いている。燗酒を注文し、懐かしい昔話や今の仲間の現況などなどに花を咲かせた。長い間、業務リーダーの団塊の世代が大量に退職した後、現場は苦労しているようだ。


虎ノ門老舗のもう一軒

2010年02月24日 | インポート

 虎ノ門の老舗居酒屋の「鈴傳」が閉店して久しい。虎ノ門の老舗を背負っている大衆酒場「升本」の分身が近くにある。西新橋の「田村町 升本」である。西新橋の大通りから少し入ったところのビルの地下2階。山口の「獺祭」のポスターに心躍らせながら隠れ家的な雰囲気の入り口に入る。

 意外に大衆的で「升本」の心意気が伝わるようだ。奥の掘りごたつ風の座敷で新聞掲載予定の座談会後の打ち上げ。座談会のゲストが店の子に「東京の水道水」がほしいと言うと、水道水を水差しに入れ人数分のコップを持って来てくれる。嬉しいサービスだ。香りがやや強い「獺祭」の燗酒を飲み交わしながら、業界の話題や将来についてを肴に酒が進む。燗酒に水のチェーサーもなかなかに合うものだ。名物たこおでんの入ったコース料理もおいしい。

 打ち上げもあっという間に3時間。大衆酒場の「升本」とは雰囲気が違うが居心地のいい時間を持てた。ここは今後要チェックであると思う。


雪の強羅とポーラ美術館

2010年02月20日 | お酒

Img_2374  飛び休日の建国記念日、生憎の曇り空で午後から雨になるという。気温が低い、箱根は雪になるだろう。東名高速は連休初日であっても午後からは渋滞無しはお見通し。なのだが、雪が降る前には旅館には入りたい。迷ったあげく、雪は夜からと勝手決め、我家で排水工事のDIYを終えて午後から出ることとする。しかし、久しぶりの家族旅行、オカンと娘達がまだかまだかとせっつく。慣れない排水DIY以外と手こずり、とうとう中途放棄。ままよとばかりに、付け方をすっかり忘れたチェーンをミニバン後部ドアに放り込んで出発。

 アキバをスタートしてから、御殿場ICを経由しノンストップで1時間半、小雨の強羅に到着。雪道は杞憂に終わった。5~6年前に乙女峠から雪に降られ強羅の蕎麦屋の前の坂でスリップして閉口した覚えがある。ラリック美術館の前の酒屋で、部屋で飲む純米「箱根街道」を購入。酒屋の親父に「ラリック美術館」は一体何たるやと聞くが、返事は「わかりませんが、なんだが高級なものがあるそうですよ」との返事。寄らないことに決めた。

 雪になる前の昼過ぎに蕎麦屋「喜楽荘」に到着。名物のからみ大根の付け汁でたべる「箱根御膳」2310円を注文する。旅館に置いてくれば良かったのだが車は駐車場にあるのでお酒は御法度。しかし、朝からの労働で腹が空いていたせいか実に旨い。ちょっと物足りなかったが。 

 さて、箱根の保養所には家族か友人連中でほぼ毎年宿泊している。ここは区の保養所だが区民の外にも解放されている。今はご多分に漏れず富士屋ホテルに民間委託。委託の功罪はあるものの、押し並べて緊張感がある分旨くいっているとは思う。

 久しぶりの強羅の湯、大湧谷からの引湯だが硫黄臭は控えめ透明な湯だ。さらさらとした湯は心身ともに開放感を感ずる。雪見の露天風呂はまた格別である。乾燥した粉雪が笹の上に舞い落ちる様を見ながら手足を十分に伸ばしてリラックスする。夕食時、おかんはワイン、自分は地元「箱根山」の燗を注文。食事の合間に2合ばかり飲んでカラオケルームに参入。他の宿泊者と気心を併せて一曲100円で数曲を歌う。

 Img_2427翌日は、旅館の周りでぶらぶら日がな一日を過ごす。昼食は、なかなか混んで機会がなかった強羅で有名な「田むら銀かつ亭」にチャレンジ。11時半頃、小雪が降る中、表で待つこと約20分で店中へ。「豆腐カツ煮御前」1800円を注文。ちょっと物足りない。次は普通のカツ煮にしよう。明日はポーラ美術館への林道は雪と凍結でノーマルタイヤでは走れまいと想定。苦労しつつも夕方にはチェーンの装着完了。そして、「箱根山」と二晩続きのカラオケ大会。 

 さて翌朝、予想は的中した。仙石原方面の雪の急坂を強引にチェーンで登坂。雪道を快適に走行してポーラ美術館へ到着。雪道であれば美術館は空いているとの判断が当たり、有名作品を独り占めしてのんびりと鑑賞する。ミロ、モネ、ピカソ、シャガールほか多数、日本人画家も岡田三郎助ほか日本人の著名画家の作品よくぞ集めたものと感銘。久々に圧倒的な文化に接する。都内の美術館では過ごせない時間が持てる。ただ、約2時間の鑑賞で1800円はちと高いかな?次に来るときはゆっくり過ごそう。

 帰りは、箱根駅伝の国道1号をひたすら下るが、雪道のためか箱根湯本まで大渋滞。それでも、海老名SAで食事しても午後3時にはアキバに帰着。自宅に着くなり、気になっていた途中放棄の排水管のDIYをポーラの思い出に浸りながら開始。


新聞座談会の後で

2010年02月10日 | お酒

 久しぶりの一日休暇?午前に内科、午後には眼科を予約診療。合間に中々行けなかった各種の手続きや照会へ千代田区役所へ。眼科の診察が思ったよりもかかり5時を回る。休暇だと言ってもそうはいかない、夜はひと仕事。業界新聞社の設定した座談会出席者の慰労会に市ヶ谷へ直行。

 座談会の設定に関与したことと出席者との繋がりがあることから、慰労会へ参加することになっている。会場は、市ヶ谷駅を降りて土手沿いの座談会会場である私学会館「アルカディア」の手前の「DEN」。予定時間30分前入るが、しばらくすると座談会出席者の先生が早めに店に到着。暫し雑談するうちに会社と新聞社のメンバーが6時きっちりに到着し、慰労会が始まる。

 「DEN」は地鶏とおでんが売りの居酒屋。寛いで話せる店がいいという意見からアルカディアから変更した店である。店の奥の個室は4辺が変形した掘りごたつ形式、変形することで雰囲気が和らぎそうだ。

 コースは地鶏焼きとおでんなどだが焼酎メインのようだ。日本酒のメニューが少ないのは物足りない。手羽や串、おでんのコースメニューが次々と運ばれてくるが話が弾んでなかなか料理が減らない。おでんは自慢の出汁に盛り合わせられた大根にそぼろ昆布がたっぷりと乗っている。それもありだなと納得。

 専門の技術情報や業界懸案、はてまた八ッ場ダム問題などを肴に盛り上がる。あっという間の2時間が過ぎお開きとなる。店前で会社や新聞社のメンバーと別れ、先生を市ヶ谷の駅で送る。翌日は土曜日、まだ9時前なので久しぶりに、一人秋葉原の「しずか」に。


蒲田で念願のうな肝焼

2010年02月09日 | お酒

 Img_2240 5年前に購入した伊丹由宇の「東京居酒屋はしご酒」を見て気になる店があった。蒲田の鰻居酒屋の「寿々喜」だ。肝焼きが絶品だというので一度は食べてみたいものだと思っていた。3年前に勤め先が代わり京浜東北沿線になったためチャンスがあればと思っていた。

 横浜からのナニワのドクタアとの帰り道、満席かと心配しながら6時近くに蒲田で降りる。東急線沿いのアーケード街の一本裏道の飲み屋通りに昔ながらの鰻屋が目に付く。暖簾を分けてガラス戸をあけると地元の常連さんらしいお年寄りが一人酒で数人。なかなかに落ち着いた雰囲気に忽ちに同化する。席に着くなりうな肝焼きを2本づつ注文するが1人1本までとのこと。残念だがその他の旨そうな肴も多い。燗酒に合わせて鳥さし柳川鍋を肴に注文。うな肝焼きは黒々として肝が5つばかり串刺しにされよく焼かれている。口に含むと苦味とタレの甘みが絶妙バランスで思わずうなってしまうぐらいだ。ワサビ菜が乗って出されてきた鳥刺しも。うな肝焼きに負けず劣らず美味である。ワサビ菜も合わせるものよっては大変に活きる。

 Img_2242_2 横浜での震災技術展が年を追う毎に傾向が、備蓄的から技術的になってきたとの話を肴に2合くらい飲んだ頃、蒲田の街をもっと知りたくなったので河岸を変えることにした。同じ通りの駅側に歩くと角に賑やかに繁盛している店がある。店名は新橋「やきとん」、店内は若い連中で一杯で背の高いテーブル席、ホッピーがメインで「紅とん」に店の作りはそっくりだ。経営は違うそうだ。

 ホッピーとホルモン、そして野菜不足にキャベツの味噌を注文する。翌日は病院での検査と夜は会食が予定されているのでホッピーの中の追加をしてお仕舞い。


笠森観音と囲碁合宿

2010年02月03日 | お酒

千葉は長南町の笠森での囲碁合宿。アクアラインにするか東関道にすべきか、辰巳のジャンクションまで迷いながら下道を走る。いずれも東京湾を隔てて正反対の位置にある。アクアラインも800円となり高速料金は若干の差である。時間的にはアクアが早いだろうとナビが指示する左折の浦安方面ではなく大井方面へと右折。案の上「海ほたる」は満車表示。昼食は木更津北で降りてからとは思うが中々に見つからない。409をどんどん進み、ようやく街道沿いの中華で定食にありつく。

Img_2237_2 さて、国の重要文化財の笠森観音を過ぎ、民間に払い下げられた宿泊施設のユートピア笠森に到着し、午後一から囲碁合宿による殺人的な対局の開始となる。寝るまで何番打てばいいのか。トーナメントに負ければ気楽な自由対局となるので半分負けるのを期待している自分がいる。

Img_2205 夜食時の懇親会は、仲間が持ち込んだ「吟醸辛口 梅一輪」と酵母の力で自然の桜色の濁り酒の「旭鶴 ほんのり桜色」など千葉の酒で盛り上がる。

懇親会後もトーナメントから抜け出れない。酒の酔いにもかかわらず、相手のポカに救われて気がついたら優勝戦までいっていた。酒を飲むと覚醒する性分のせいか寝不足も気にならない。

決定戦開始は午前零時を回っている。頑張ってはみたものの肉体的な限界を感じたとたんに負けが決まっていた。それでも準優勝は久しぶりだ。自由対局含めてトータル六勝一敗、最近、碁石に触っていないにしては上出来すぎる。業界の囲碁大会も近く、いい弾みができた。

翌朝の帰り道、今まで何回となく通り過ぎていた笠森観音に初めて寄ることにした。笠森観音は、開基は伝教大師最澄。小さな岩山全体に足場掛けをして立てられた観音堂は、日本唯一の『四方懸造り(しほうかけづくり)』と言われている。国の重要文化財に指定されている。また、「坂東三十三観音札所」の第三十一番札所でもある。なるほど、奈良時代の作とは言え、今でも異様な建造物である。いいものを見た。


もう一軒の「甚八」と掛川城

2010年02月03日 | 出来事

 掛川市うなぎの名店「甚八」は鰻の二段重で前に紹介した。ところがもう一軒、駅近くに「甚八」があった。月一回の工場での会議の後、新幹線での東・西に分かれる前の腹ごしらえ兼打ち合わせのため飲み屋を探す。浪速のドクターがいい店があると言うので駅前に向かうが生憎の満席。そこでぐるりと見回すと通りの反対の派手な看板が目に入る。「甚八」とある。派手な店は好みでないが、知らない土地でウロウロするわけにいかない。店に入るなり聞くと鰻屋とは無関係とのこと。チェーン店だそうだ。

 店に入ると客が見当たらない。すべて個室で宴会が主のようだ。どの部屋も予約のセットがしてある。これからだそうだ。6人で丁度位の奥の部屋に案内される。ビールに合わせて定番のメニューの中からB級グルメのシロコロホルモンを発見、併せて湯豆腐などを注文。食べ物のメニューは豊富で何でもありそうである。日本酒は宣伝でよく見る定番ものの冷酒、燗酒、焼酎も10種類ほど芋では4種類くらいか。定番の日本酒の冷酒と芋のボトルを注文。新幹線の時間まで久々の交歓会。π(円周率)とe(自然対数の底)の謎めいた話で盛り上がるが頭も痛くなる。予定の8時で東・西への暫しの別れ。閉店準備の駅売店に駆け込み掛川茶を購入してこだまに飛び乗る。

話は違うが、掛川という土地は山内一豊が初めて一国一城の主となった地。今は坂本龍馬ブームで土佐藩主のイメージが強いが、この地で礎を築いたことは、数年前の大河ドラマで知られている。幕末の土佐藩士の大きな格差は少なくとも掛川時代にはなかったようだ。今の城は、近年に復元されたものだが、昨年、仕事の合間に寄った高知城も築城技術には秀でたものがある。近畿の藤堂高虎や加藤清正が築城の名人であったことは知られているが、案外に山内一豊もそうであったようだ。

掛川もご多分に漏れず、バブル崩壊と併せて大河ドラマの一豊・千代ブームも去り、今はシャッター商店街となっている。しかし、他の地方都市と違うのは会社の工場や研究所などが多くあり、新幹線乗降客の乗り降りも結構多い。そういうオジンも月一回の工場での会議での一員、昼・夜のミーティングにと商店街の一角に世話になってはいる。どちらかというと景気回復が現実的になれば、真っ先に元気になる街のようだ。ビジネスホテルが増えているいるのが表れか。一泊して掛川城でものんびりと見物したいものだ。