今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

「越後湯沢の花火」と日本のミケランジェロ「石川雲蝶」とは

2017年08月16日 | 秘湯と名所

  お盆休みに開催される「越後湯沢の花火」。ここ数年仲間のマンションからの花火見物。昨年は向かう途上の三芳PAでの自車のトラブル。今年は仲間の希望により新幹線の旅とした。運転担当の身であればむしろ歓迎である。到着後、ニューオータニNASPA前のゲレンデでの花火大会まで湯沢駅前へ。駅前の祭りのショーもそこそこに駅前のへぎ蕎麦の名店「中野屋」で地酒と肴と蕎麦で一次会。肴は「板わさ」、「天ぷら盛り合わせ」、酒は「湊屋藤助」、「鶴齢地元で飲む地酒はやはり一味違う。もちろん「へぎ蕎麦」は酒の肴にも食事としても最高に旨い。

 ニューオータニ隣のマンションに戻り、駐車場の先頭の好位置を確保。マンション組合からのビールと缶酎ハイの有難い配給を受け、一足早く「中野屋」の続きの二次会に突入。肝心の花火はといえば、雨模様が心配だったがここ数年の内で一番綺麗に咲いてくれた。

 

  翌日は、仲間の勧めもあって駅前でレンタカーを借り受け大和スマートICから降りて魚沼市の名刹「西福寺」へ。お堂を囲う異様な姿の開山堂。中に入ると圧倒する木彫群。江戸後期の彫物師「石川雲蝶」の作。殆どの作品が新潟県の重要文化財に指定されている。「石川雲蝶」は、もともと江戸の雑司ヶ谷の生まれ。石川門下の逸材と言われ、三条の金物商に「一生良い酒とノミを終生与える」との誘いに越後に居を移す。以降、越後の各地の寺の彫り物や襖絵、石彫なと多くを手掛けて後世「日本のミケランジェロ」と言われているとのこと。

 日光東照宮の左甚五郎など先人の彫刻があるが技法や色彩感覚は、十分に凌駕するものがあった。木彫の技法と泥絵の衰えることない色彩は見る物を圧倒する。案外と知られていないのは、代表作品のある西福寺へ辿り着くには相当苦労するため車がないと不便なところだろう。これからブレークする予感がする。

  さて、西福寺を後にして、仲間との旅行のお約束事は秘湯の「露天風呂」。魚沼には地温泉はいくらでもあるが、立ち寄り露天風呂はなかなか難しい。しかし、場所は魚沼、「どこかにもあるさ!!」と、まずは奥只見方面の「大湯温泉」へ。大湯温泉の古のトヨの給湯の共同浴場は見当たらず、栃尾又温泉「自在館」の前まで行くが、ネットでは立ち寄りのアナウンスがないので方向転換。

 しからば、ランプの宿「駒の湯温泉」へと越後駒ケ岳山麓に入り込む。途中の橋を渡ると携帯不通は承知のうえ。過去二回ばかり宿泊したことがある。屋外の風呂は毎分2000リットル、相当な出湯量である。出湯泉質はアルカリ性単純温泉、源泉の温度は32.6℃、pH8.6。昔は屋根掛けがあったが今は混浴の大風呂は露天風呂となっている。女風呂は屋根掛けで仕切りの戸で出入りするがお目にかかったことがない。露天風呂の真ん中から勢いよく源泉が噴出している露天では、裸の体にアブの攻撃もあり、相当ぬるいが野趣この上ない。

 昼飯先を探していると、小出ICへの帰り道に、たまたま見つけた山野草の料理いろり じねん」。デドックス効果を求めて人気の店のようだ。料理の説明も丁寧にしてくれた。全体的に苦みのある料理だが、体によさそうで次も来る機会がありそうだ。

 
         


甲州路・大柳川渓谷と桃の里の名湯

2017年05月27日 | 秘湯と名所

 懐かしい甲州路、どんづまり秘湯行脚で10数年前に仲間と訪れた「十谷温泉」に再来。前はアキバから車でワゴンで往復だが、今回は新宿から特急「かいじ」で甲府まで。まずは、甲府駅前のB1グランプリ「鳥モツ煮」の発祥の店「奥藤本店」へ。ソバと山菜天ぷら、そして「鳥モツ煮」を注文。甘いたれの鳥モツは二人で一つが適当だったか。

 食後甲府駅前の「武田信玄像」に挨拶の後、甲府の駅レンタカーで「セレナ」をレンタル。借りたセレナは実質6人乗りタイプ。昨秋の御宿泊りの南房総の旅で借りたセレナは広い7人乗りだったので疑いもなくオーダー。後の祭りだが、7人乗っても違反ではないそうなので「まっ・いいか!!」

 甲府から身延街道を走り、まずは旅館呑みの地酒を購入のため市川大門の酒蔵「春鶯轉」へ。与謝野鉄幹・晶子ゆかりの酒造である。酒蔵が資料館で500円払えば全種類の利き酒が可能。当然、運転は人に任せて旅館での酒選びのため?に利き酒に挑戦。

   市川大門から身延街道へ入り、富士川沿いの快適なドライブで大柳川渓谷の入り口の鰍沢から右折。いよいよ十谷への道に入る。昔のままだ。どこにも立ち寄らずに一気に「十谷温泉」に到着した。宿では女将が出迎えてくれた。十年前の部屋と同じである。部屋に落ち着き、まずは吊り橋の連続で有名な大柳川渓谷の散歩へと出る。歩道や吊り橋が大分整備されているが上り降りは厳しい。激しい急流と渓谷美を背景に、秋はさぞや美しいと思うが深緑の四月も十分に美しい。まだまだ歩きたい気分だが、宿への戻りの上り坂を考えて途中で引き返す。

   自慢の天狗風呂は宿の外、4~5分の大きな堰堤の脇に突き出るように立っている六角堂風の木造の建物だ。天狗風呂は女性の専用時間はあるが、それ以外は混浴である。湯船に突き出すような巨大な天狗の鼻から、温めてはいるが豊富な温泉(単純硫黄冷鉱泉)が噴出している。もちろんヒノキの内風呂もある。

 客は我々だけ、女将との会話を楽しみながら豊富な山菜中心の食事をとる。女将が地酒という宿の日本酒を注文する。仲間が女将にどこの地酒かと聞くと「地酒は地酒じゃ!!」といなされる。そのとおり!!。

  翌日は朝一から富士川沿いに一路、百名山の「甘利山」へ。途中かICから高速に乗り、八ヶ岳の雄姿を正面に見て快適なドライブ。ICで降り、甘利山に向かうが山開きまで一週間早く、無情にもゲートは閉鎖中。すぐさま方針転換、立ち寄り湯の名湯「韮崎旭温泉」へ。畑の真ん中の一軒家の趣。老人ホームの井戸堀の時に掘り当てた「炭酸泉」。細かい泡が体にびっしりと纏わりつく、気持ちが良いことこの上ない。しかし、風呂場まで付いてきて解説するオジサンには、有難いやら鬱陶しいやら。

 「韮崎旭温泉」から韮崎の「武田八幡宮」へ。この地は武田家発祥の地であり終焉の地でもある。その後、新府城址周辺の「新府の桃源郷」へと向かい、しばし南アルプスを背景に終わりかけた桃畑と菜の花の群落に目の保養をする。

 街道沿いのホウトウの「小作」で昼食、自分は「冷やしホウトウ」を注文。食後、甲府市内に戻り特急列車の指定時刻まで「武田神社」へ。「水琴窟」の微かに「キーン」と響く水音を聞く。列車の旅と駅レンタカーのセットでの旅行も疲れなくてよい。