3日間の仕事も終わり、金曜日からは釧路から学生時代からの友人のいる帯広へ。帯広まで特急で約2時間。植物性フミン質のモール温泉のある駅前の十勝ガーデンズホテルに宿を取る。
その晩は「ばんえい競馬場」で「尾崎紀世彦とカントリーライブ」に。帯広市だけの開催となった「ばんえい競馬」の応援ライブということだそうだ。低い気温に生憎の雨空、ひどく寒いとのことだったので駅前の長崎屋で遠赤外の長袖とタイツを購入。ホテルで着替えて結構暖かく正解である。しかし、凍える中、尾崎紀世彦の熱唱は流石のプロ根性である。
ライブ終了後、冷え切った体を温めるべく帯広飲食街の一角串焼き「たたら」へ。落ち着いた雰囲気でL字カウンターでお客が見通せる。「たたら」ではおでんの他、店のご推奨の「笹竹焼き」を食す。臭みもなく柔らかく塩味が効いて実に美味である。千葉の大多喜の若筍焼きとはまた違う。日本酒は皇太子ご愛飲という「多聞」だと言う。殿下はぬる燗が好きだそうだ。ワシもそうだ。多聞は灘の酒だが熱燗気味が胃に滲みわたる。
さて、翌日は昼から新得郊外の友人のゲストハウスへ。アドベンチャークラブ[ T A C ]の根拠地だそうだ。
http://www.tac-go-go.com/
ラフティング、ファンカヤック、冬はトムラウシでのツアートレッキングなどを行っている。小学1年生から参加可能という。装備を見せて貰ったが、成る程水に落ちても濡れないドライスーツだ。古希(70才)までには挑戦してみようか。連夜不摂生の我が輩は断られそうである。
オーナーである友人がクラブメンバーとのミーティングの合間、歩いて10分くらいの「くったり温泉」へ。北海道の山野道、傘を差しタオルを肩に掛けブラリ。そんな奴は「お神」以外には見かけない。屈足(くったり)湖畔のトムラ登山学校に併設した保養施設だ。PHが9.6近くある高アルカリ泉である。ここのオリジナル温泉とは別にトムラウシの湯もある。ここから1時間半近く奥、十勝岳の懐にあるトムラウシ温泉からタンクローリーでお湯を運んできている。広々と屈足湖を眺めながらの露天が素晴らしい。「くったり温泉」だけでも十分によろしいのに何でトムラウシから運んでくるのか。それほどトムラウシは遠いのか。
晩餐は貴重な1999年もの十勝ワインと蝦夷鹿、十勝牛のステーキと甘いトマト料理をいただく。食後、フィンランドサウナの合間にボンベイのジントトニックで体を冷やしながら友人と遅くまで語り合う。至福の時とは斯様な時を言うのか。
翌日、雨空の中トムラウシへ。十勝ダムを越えたあたりから雲の切れ間が。まだ残雪が多いトムラウシ山の中腹が現れる。トムラウシの展望台では、ひっそり静まりかえった広大な原生林の中、鶯の鳴き声が遠くまで響き渡る。こんなにも鶯の鳴き声が美しいものとは知らなんだ。実に爽快気持ちが透き通る。
国民宿舎の「トムラウシ温泉」はPHは高くないが硫黄の仄かな臭いとヌルヌル感がある不思議な泉質である。轟々と流れる十勝川の源流を横に見る露天風呂。秘湯的な雰囲気はないが大変いい温泉である。東京からは遠く、なかなか来ることは難しいが、是非もう一度訪れたいものだ。
帯広からANAのコンピュータートラブルとは無縁に、ライブの尾崎紀世彦と一緒のJAL便で6日ぶりに帰京。東京は同じ日本とは思えず20度も暑かった。
北国の贅沢な過ごし方を体験させて貰いました。Y君と奥さんに感謝。